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安倍政権発足、竹中平蔵の内定で官邸、霞が関は大揺れ

2013-01-02 | Weblog

 

本ブログ管理人の一言:

安倍政権下で新設された産業競争力会議の委員に、慶大教授竹中平蔵が内定した。この内定はまことに奇妙だ。一言でいえば、成長戦略の安倍が構造改革の竹中をスカウトしたことになるからだ。それも、竹中は橋下の維新のアドバイザーでもある。

竹中の政策スタンスは小さな政府だ。小泉政権下で郵政事業を民間に払い下げるために解体を断行した。一方の安倍は成長戦略を掲げる。それが証拠に日銀の金融緩和を求める発言を繰り返してきた。そして首相に就くと、総裁人事も含めた日銀法改正をチラつかせて気の弱い日銀総裁を脅し、デフレ脱却へ向け2%の物価上昇率を目標とした政策協定に同意させてしまった。

これで日銀の独立性は失われ、時の政権安倍の財政ファイナンスブローカーに成り下がってしまった。いずれにしろ、経済にド素人の安倍は、竹中を起用したことで、政策の違いばかりでなく、竹中と過去にしがらみをもつ安倍政権中枢の人物達(特に麻生)との火種をかかえることになった。

-------------以下、新聞から引用。

麻生・飯島氏らが「包囲網」

 「竹中氏は日本維新の会の衆院選候補者選定委員長だった。登用すれば、消費税増税の3党合意を結んだ民主党を首相が切り捨て、維新と連携するというメッセージになりかねません」

 政権発足から一夜明けた12月27日。安倍は元首相の小泉純一郎の腹心で、内閣参与としてやはり「再登板」させた飯島勲のこんな進言に耳を傾けた。竹中は小泉の下で経済財政諮問会議を切り回す担当相を務め、「首相の決断」を演出した。安倍はその諮問会議を再起動。議論をリードする民間議員として竹中に白羽の矢を立てたが、飯島は政治的リスクを指摘した。

 副総理・財務・金融相の麻生太郎も、安倍の竹中起用の意向を知って驚がくした。話は2005年に遡る。小泉が推進した郵政民営化を巡り、小泉に忠実に仕えた竹中と、郵政事業を所管する総務相だった麻生は鋭く対立。小泉は「郵政解散」後の衆院選で圧勝すると、竹中を総務相に据えて民営化の完遂を命じた。麻生は外相に横滑りさせる形で事実上、更迭したのである。

積極財政論者の麻生と小さな政府論者の竹中は今も水と油。麻生は安倍を止めにかかった。新設の経済再生相で、諮問会議を担当する甘利明も麻生に加勢したが、安倍は説得を振り切ろうとした。最後に動いたのは、小泉政権でやはり竹中と反りが合わなかった飯島だった。思わぬ「反竹中包囲網」に安倍は渋々、マクロ政策を動かす諮問会議への登用だけはあきらめた。予算編成に竹中が口を出すのを危ぶんだ財務省も安堵した。

政権中枢に亀裂の芽

 「私は竹中氏はいいと思っている。発信力は抜群だし、国際的な人脈も相当なものだ。維新とのパイプだって大事ではないか。民間議員に迎えるだけのことでなぜ大騒ぎをするのか」

 官邸内でこう安倍と竹中の擁護に回って見せたのは官房長官の菅義偉だけだ。政権中枢を形作る安倍―麻生―菅―甘利のカルテット。かつて第1次安倍内閣と麻生内閣でも屋台骨を支え合った盟友関係だ。9月の自民党総裁選から組閣までぴったり呼吸を合わせてきたが、権力を奪取した矢先に「竹中平蔵」というまさかの亀裂の芽を抱え込んだ。この含意は存外に深い。

 「内閣の総力を挙げて、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略、この三本の矢で経済政策を力強く進めて結果を出していく」

安倍は26日の記者会見で経済政策の「三本の矢」を強調して見せた。竹中が安倍に助言してきたのも三本柱だが、微妙に換骨奪胎されている。

「成長戦略」か「構造改革」か

 金融政策はインフレ目標2%の緩和路線で一致するが、財政政策で竹中は「短期的に出動するが、中長期的な財政の信認回復と一体で」と指摘。民間投資につながるのは「成長戦略」ではなくいて一線を画す。

 実は竹中は小泉の下で「成長戦略」を策定したことはない。「官から民へ」を旗印に郵政などの民営化路線を進め、規制改革や改革特区に力を注いで「構造改革」を名乗った。当時、竹中を支えた1人が菅だ。今の自民党で「構造改革」は死語に近い。政府が補助金や税の減免で特定分野の産業を戦略的に育てるターゲティングポリシー型の「成長戦略」が好まれがちだ。

 竹中が参画するのは、内閣に新設した日本経済再生本部の中核になる産業競争力会議。元経済産業相の甘利が司令塔役だ。「新しいターゲティングポリシーで国家プロジェクトを次々に創る」と政府主導の「成長戦略」の旗を振る。同本部を発案したのが経産官僚なら、事務局の切り盛りを狙うのも経産省だ。

「安倍氏の頼みなら、受ければいい。有識者として会議で正論を述べればいいじゃないか。その正論を採り入れるかどうかは政治が判断することだから」

 「再登板」の是非を相談に出向いた竹中に、小泉はこうお墨付きを与えた。「第2次安倍内閣はこのままでは『経産官僚内閣』と化すのではないか」と周辺に漏らす竹中。規制改革や法人税減税などの「構造改革」で論陣を張れば、「成長戦略」との路線対立が表面化しかねない。小泉政権で竹中諮問会議に経産省は冷ややかだった。攻守ところを入れ替えた「再戦」だ。

危ういが魅力的な維新人脈

 竹中は維新代表代行の橋下徹とホットラインを構築している。年の瀬にも大阪市に姿を見せた。衆院選で橋下とみんなの党代表の渡辺喜美は候補者調整や政策を巡って大同団結できそうでできなかった。両者に「第三極新党」へ合併せよと最後まで説き続けたのは竹中である。竹中と橋下維新、みんなの党は既得権打破につなげる「構造改革」の路線で通じあう面がある。

 衆院は自民、公明両党の連立で3分の2を超えるが、参院で過半数に届かない。衆院で3分の2以上による再可決で法案は成立するが、日銀総裁などの国会同意人事は参院の可決も必須。民主党と協調するか、みんなの党や維新、新党改革などと連携するかの選択だ。菅が秋波を送り、飯島が警戒する竹中の人脈。安倍にとって危ういが引かれる「劇薬」なのだ。(引用終わり)

 関連記事追加:

成長戦略担う「産業競争力会議」 竹中平蔵氏ら内定

 ASAHI 1/5/2013

 安倍内閣は、成長戦略づくりを担う新設の「産業競争力会議」のメンバーに、慶応大の竹中平蔵教授や、みずほフィナンシャルグループの佐藤康博社長らを充てる人事を固めた。今月中に立ち上げ、6月までに成長戦略をまとめる。

 産業競争力会議は、安倍晋三首相を本部長とする「日本経済再生本部」のもとに置かれる。10人程度の民間有識者と、関係省庁の幹部で構成する予定だ。安倍首相はすでに、楽天の三木谷浩史会長兼社長を起用する方針を明らかにしている。

 また安倍内閣は、今年度補正予算案などの経済対策について、今月8日に日本経済再生本部を、9日に経済財政諮問会議をそれぞれ開き、議論する。

 


[日本一] 2012年度 優秀記事ベストスリーの発表(若い世代ほか)

2013-01-02 | Weblog

昨年メディアが報道したなかで、本ブログの管理人が選んだベスト・スリーの記事を掲載(引用)。

すべて石原慎太郎に関するものだ。詳しく説明するまでもなく、この男、昨年4月渡米先の極右派政治シンクタンク主催の席で、突然に尖閣購入を宣言。

これが引き金(火種)となって、日本の外交や経済に計り知れないダメージを引き起こした。そのうえ、尖閣購入資金のためという名目で寄付金の呼びかけまでもおこなった。

最優秀賞の大学生は、今、日本人が一番にやらねばならないことは尖閣購入ではなく、東日本の復興をみんなで協力して後押しすることだと、あまりにも移り気の激しい日本人に問い直している。率直で心を打つ若者の声だ。

次点の日刊ゲンダイは、大手メディアが自分たちのお気に入り政党側(とくに産経や読売はこの傾向が強い、最近では日経も右よりぎみで、中立は東京や毎日の各新聞ぐらいか)について、ただ記事を垂れ流しているなかで、週刊誌ながら唯一意見を述べしっかりした記事をかいている。石原の寄付の呼びかけについては、早い段階から詐欺(ペテン)にあたることを日本人に警告していた唯一のメディアだった。

最後の大前の記事は、石原という男のこれまでの仕事ぶりが、いかに国民や都民を欺き、いかに成果を伴わない、いい加減なものだったかを、コンサルタントとしての鋭いめをつうじて批判している。ただし、大前は原発推進派である。

 

最優秀(羽子板)賞:

尖閣諸島購入に寄付金は疑問

2012.5.5 朝日新聞声欄「若い世代」 投稿:大学生高野明日香21歳

東京都が尖閣諸島の購入に向け、寄付金の受け皿となる専用口座を開設したそうです。違和感を感じたのは私だけでしょうか。

今でも多くの方が震災の影響で元の生活に戻れない苦労をなさってます。そんな時に出た石原慎太郎・東京都知事の尖閣諸島購入の発言。そして寄せられた賛同する意見。

私は尖閣諸島が日本の領土だと主張することは必要だと思います。そのための石原都知事の行動も、少々大胆ですが必要だと思います。ただ、果たして今、私たちがお金を出してまで購入しなければならないのでしょうか。

日本人はどうも、時間が過ぎるとすぐ新しいものに飛びつく傾向があるような気がします。

東日本大震災発生直後に多く集められた寄付金ですが、1年以上経った今、寄付をする人は一体どれぐらいいるでしょうか。

あまりにも短い周期で移りゆくブームのように、今も続く被災者の苦労すら既に忘れ去られてはいませんか。

 

 

 

次点(獅子舞賞):

石原〝尖閣サギ〟証拠発見/尖閣購入カネ集めの危うさ

2012.7.11掲載 日刊ゲンダイ

この一文が「詐欺まがい」の動かぬ証拠!?

<“第2のAIJ”になりかねないぞ>

「乱暴というか拙速というか、粗雑だよな。民主党も支離滅裂。多分、人気稼ぎなんだろうね」

 東京都の石原慎太郎知事(79)が仏頂ヅラだ。尖閣諸島の国有化に音無しの構えだった野田内閣が一転、「買う」と言い出したことに猛反発。自分の頭越しに地権者側と交渉を進めたことにも「野田は黙って見ていろ」とカンカンだった。

 石原にすれば“オレの手柄を横取りしようとするな”という気持ちだろうが、「手柄」を奪われると、厄介な問題も生じかねない。

 都が尖閣購入のために募っている寄付金の存在だ。都は石原の肝いりで4月末に「尖閣諸島寄付金口座」を開設。すでに9万819件、総額13億4146万円(9日現在)もの莫大なカネが寄せられている。

 今のところ地権者側は国への売却に難色を示しているが、万が一、都に先駆けて国が尖閣を購入すると、巨額の寄付金が宙に浮いてしまう。返金しようにも、「都の口座に現金を直接、振り込まれるケースも多く、寄付した全員の捕捉は困難」(知事本局・尖閣諸島寄付担当課長)というから、どうしようもない。

 担当課長は「知事との信頼に基づいて集めたお金です。あくまで購入に活用することしか考えていません。今後の経緯を見守って下さい」と“最悪の事態”を想定していないかのように振る舞うが、都の寄付金募集サイトにはズルイ一文が盛り込まれている。

 〈この寄付金は「負担付きの寄付」として受けるものではありません〉一体どんな意味を持つ文言なのか。地方行政に詳しい立正大教授の金子勝氏はこう言った。

 「『負担付き寄付』とは、自治体が税金以外のお金を住民から集める場合、特定の目的に使うことを前提に認めたルールです。寄付金を担保するため、地方議会の議決を要する、と地方自治法は定めています。目的を失えば寄付は無効で返還の義務がありますが、逆に『負担付き寄付』でなければお構いなし。寄付金を別の目的に流用しても、法的にはとがめられません。今回の寄付は“オレが集めたカネをどう使おうがオレの勝手だ”と、石原知事に解釈されてしまう恐れがあるのです」

 今から流用の布石を打っているなんて、まるで「サギまがい」だ。

 尖閣購入が果たせなかった場合、石原は寄付金をどうする気なのか。AIJの浅川社長のように「だますつもりはなかった」と開き直るのか。

 

次点(凧揚げ賞):

石原新党には期待できない知事を真面目にやっていなかった

2012.11.04 ZAKZAKニュース時評 掲載:起業家 大前研一

 結局、石原慎太郎・前東京都知事は新党を結成して何をやりたいのか? 私は冷ややかに見ている。

 25年間の国会議員在職も含め、40年近く政治の中枢にいたのに、今ごろになって「やり残したことがある」と言われても困ってしまう。「中央官僚の支配を変える」と鼻息も荒いが、何か秘策があるのだろうか。そんな秘策があるんだったら大臣だったころにやってくれよ、と言いたい。

 「国の官僚が言うことをきかず、都がやろうとすることに対して、邪魔ばかりする」と怒っていたが、大阪市の橋下徹市長は大阪都構想で国に言うことをきかせたではないか。やろうと思ったら、都知事でもできたはずだ。

 この国をどういうふうにしたいかということについても、「戦前の夢よ、もう一度」みたいなことしか語っていない。これでは近隣諸国ともめることは間違いない。この人はキツイことを言って相手が興奮するのを楽しむというところがある。

 ナショナリストというのは、国を良くしてよその国から尊敬されるようなことをする人のことを言う。結果として、近隣諸国からどんどん憎まれて、国民を緊張させて、企業も損害を受ける。この人は国を良くする考えを本当に持っているのだろうか。

 無責任に自分の思うことを語るのは勝手だが、リーダーになってもまだ、「隣国との関係なんかどうでもいい」とか「日本人はだらしねぇ。いざとなったら戦争も辞さず」なんてことを言い出したら、国民には大迷惑だと思う。

 昨年の都知事選に際しては神奈川県の松沢成文前知事をスカウトした。松沢氏も知事を途中で辞職してその準備をしていたが、東国原氏が突然立候補して形勢不利となったので、「オレはあと2年だけやる。だから、あんた悪いけど今回は引っ込んで、その後にやってくれないか」という密約で松沢氏にあきらめさせた、と聞いている。

 しかし今回、松沢さんには声をかけていないようだ。一方、「猪瀬直樹副知事は優秀な人」とも語っている。マスコミはこれを「後継指名」と捉えているようだが、自民党の中には「自民党総裁選に惨敗して総理の目がなくなった長男の伸晃前幹事長を都知事にさせるため、今回、このタイミングで都知事を辞任した」と思っている議員も少なからずいる。

 後継が不明確なのは、実はこの人の取り巻きの中に、「オリンピック」と「築地」という2つの利権を支配したいと考える人たちがいるからだ。つまり、院政のきかない人が後継者になると困る輩がうごめいているのだ。

 都知事時代、この人は週に2-3日程度しか都庁に行っていなかった。それは1期目からで、もともとこの人は知事を真面目にやっていなかったのだ。

 それより何より、今の中国との険悪な関係は、すべてこの人が原因だ。しかもそれは、個人の趣味と主義主張で尖閣というパンドラの箱を開けたからだ。都知事本来の仕事とは何の関係もないことをやって、日本企業が現実に中国で死ぬ苦しみを味わっている元凶を作った。

 「衆院議員になって最後のご奉公」というのなら、何をもってご奉公と考えているのか国民の前に明らかにすべきだ。都知事として「最後のご奉公」をせずに途中でほうり投げておいて、橋下市長と中央官僚退治の「第3極」形成もないだろう。マスコミも、もう少し真贋鑑定してから媒体に流してほ

 

補足。大前研一、福岡県出身。早稲田大学理工学部卒業。東京工業大学大学院原子核工学科修士課程修了後、米マサチューセッツ工科大学原子力工学科博士課程に留学しPh.D取得。米帰国後、日立製作所入社し高速増殖炉の設計に携わるが、退社し、経営コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社へ転職。支社長、アジア太平洋支局長、日本法人会長を歴任後に独立。1992年、新自由主義を標榜する政策提言型市民団体「平成維新の会」を設立し、同会代表に就任。翌年、「新・薩長連合結成宣言」を発表。知事連盟構想を掲げて1995年東京都知事選挙に立候補したが落選。第17回参議院議員通常選挙に比例区から、平成維新の会公認で出馬し落選。この選挙の際、ユダヤの手先説を始め、フリーメイソン、統一教会、勝共連合、半島出身説等、数々の誹謗中傷が流布された。統一教会説は、当時衆議院議員だった石原慎太郎が自由民主党の総務会で発言したものだが、大前が石原を問い詰めたところ、石原は「いや、そういう噂があるから調べとけ、と言っただけだ。自分がそう思っているわけではない。自分も最初のときは世話になったこともある」と答えたという。大阪維新の会の橋下徹の個人的な助言などをしている。橋下徹が推進する発送電分離や道州制は大前研一の案である。また、大阪維新の会の命名は、橋下徹が大前の許可をもらっている。