晴れ、27度、83%
10年ほど前まで、アメリカの雑誌FOOD & WINE を毎月読んでいました。雑誌の広告にKING ARTHUR 小麦粉が載っていました。アメリカ産の小麦だけで作られる、KING ARTHURの小麦粉、小麦粉ばかりでなく、ベイキングに関するものをネットで販売、またお店ではベイキングの教室もあるというのです。 やっぱりアメリカね、と何となく憧れていました。香港は、小麦粉なんか作っていませんから、当然、世界中から小麦粉だって入ってきます。アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、イタリア、台湾、韓国、タイ、日本。手に入る小麦粉は、おそらく全て食べ比べてみました。
先月、家人は出張でシンガポールに行きました。彼にしては珍しく、時間の余裕のある出張でした。家人が、シンガポールから持ち帰ったのが、なんと、KING ARTHURの強力粉です。シンガポールの町中のスーパーで買ったとのこと。買ってきた家人ですら、まさか私が、アメリカのKING ARTHURの小麦粉なんて知ってるとは、思ってもいなかったようです。5ポンドの重い小麦粉を抱えて帰ってきてくれたので、家人に、何のパンを焼いて欲しい?と尋ねると、いつものごとく食パン。食パンだと確かに小麦粉の違いがはっきり出ます。そんなわけで、
無漂白のこの強力粉、若干、重い感じです。粉、塩、砂糖、イーストの分量は、いつも決まっていますが、水の量だけは、粉に合わせて変えて作ります。今回は、やや少ない水で作りました。こねている時から、香りがするのですが、この粉香りが立ちません。
一次発酵の様子を見ていると、縦に持ち上がるのではなく、ボワッと横にも伸びる感じの粉です。発酵中も、焼成中も、残念なことに、あの香ばしい香りがありません。
水加減には注意したつもりですが、もっちりしています。香りにうるさいのは、日本人だからでしょうか。憧れていた粉ですが、香りがないので、美味しく感じられません。
美味しいっていうのには、口に拡がる味とともに、美味しい香りが加味されるもだと思うのですが。香港で手に入る、アメリカの強力粉も、やはりこんな感じでした。日本では、日本で製粉された強力粉しか、店頭で見ません。メーカーの違いこそあれ、日本の製粉技術、味へのこだわりはたいしたものだと思います。
パンといえば、この方、 定位置でお待ちかねです。モモさん、美味しい?