気 楽 荘

趣味の事やら、日々の事、
思いつくままお気楽に。

チャイルド44 森に消えた子供たち

2015年07月18日 | 「 えいが 」
スターリンの失政によりウクライナでは
多くの餓死者がでた。親を亡くした子供達は
施設に集められるが・・・。
そこを抜け出した子供の一人は
ソ連の軍人に拾われレオという新しい名を与えられた。
第二次世界大戦末期、
ソ連軍のベルリン陥落の記念写真の
中心に写ったレオは英雄扱いされ、
秘密警察MGBの階段を上り始めた。

MGBに目を付けられた市民には
有罪の宣告がされたようなもので
助かる為には誰かを告発するか
無実の罪を被るしかなかった。

そんな時、一人の獣医がスパイだと告発され、
MGBによる追跡が始まる。
その獣医の逃亡を助けたと農民の夫婦が
子供達の前で殺害される。
それをみたレオはその部下の胸倉をつかみ、
「見せしめを教えるだと、
きさまに何が教えられると言うんだ」と
烈火のごとく怒るのだが、
この部下は上司に目をかけられた人物で
やがて、レオにとって・・・。

社会主義体制を楽園と称し、
楽園では殺人など行われない。
そう教え込まれ、それが嘘だと分かっていても
口に出来ない社会。

ある日、MGBの同僚の息子が変死体で発見される。
列車事故扱いするMGB。
そんな同僚を納得させる役目を仰せつかったレオは
仕方なく事故だと告げに赴き、
殺人だと大声で話す同僚に
「何の為に俺がきたと思う・・・」と
無理やり納得させてしまう。

やりきれない思いが募るレオに
上司から「厄介な人物が告発された」と資料を渡される。
その人物は自分の妻だった。
これは、レオがMGBに対して忠誠を尽くせるかどうかの
試練だったが、彼は
「何の証拠も見つかりません。よって彼女は無実です」
と報告するが、上司はそれをよしとしなかった。

レオは降格させられ妻と共に
地方都市へと送られてしまう。
そこでは、「増員要請もしていないのに・・・」と
あからさまに、MGBから送り込まれたスパイ扱い。
そんな時、森で子供の変死体が発見される。
モスクワでの同僚の子供の時と同じように
水辺でもないのに溺死の状態で、死後臓器を
摘出されるという死体をみて、
関連性を疑ったレオは署長の忠告を
無視するように、殺人である可能性を披歴する。
「わしや、部下の不手際を告発するようなことを
したら、貴様を殺してやる」という声に、
自分が受けた仕打ちを重ねて自重を決めるが、
犯人とされた機関士が自殺したことで、
事件の幕引きが行われるのを許せなくなる。

署長の家を訪れ、
「事件は解決した。子供達は以前と同じように
人気のない森を近道として使うんですね」と問いかける。
レオの問いかけにうなだれる署長。
彼にも愛する子供達がいるのだ。

レオは危険を冒して、モスクワでの事件の犯人を
目撃した女性に会いに出かけ、
その間に署長は、似たような事件がないか
調査することにした。
すると、事故や犯人検挙済みの子供の変死事件が
43件も見つかるのだった。
(荒筋にはレオの妻も関わることが省かれていますが
実際には、二人は始終行動を共にしています)

観ていてずっと引っかかっていたのは
言いたいことを言えない社会主義の
世のありよう。
なぜ、これほどまでに、人を陥れたり、
間違ったことを間違っていたと正せないのか?

理想を本当に心底信じられない
人間だからなのかな。
つまり、人間にとって社会主義は
絵に描いた餅ということか。
と、いつものように、変な考えを
めぐらせながらの鑑賞でした。
コメント
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