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小湊鐵道バス・大多喜~茂原線(端沢経由)~1日1往復のみの希少路線

2010-12-15 | バス[首都圏]

先日MAKIKYUが千葉県の大多喜へ出向いた際には、往路こそいすみ鉄道を利用したものの、この日は普段ならまず考えられない混雑振りに加え、来た道をそのまま返すよりは別経路を…という事で、大多喜からの帰路には路線バスを利用したものでした。

当初は勝浦へ抜ける路線などを利用する計画もあったのですが、先日の記事で取り上げたいすみ鉄道キハ52形気動車の撮影会は大盛況で、この混雑振りで予想以上の時間を費やした事からこの計画はボツになり、丁度良い時間に出発する茂原行の便がありましたので、このバスを利用して大多喜から帰路に就いたものでした。

大多喜~茂原間の路線バスは、小規模事業者として知られる都自動車が有名で、こちらにはMAKIKYUも以前一度乗車した事があり、以前「MAKIKYUのページ」でも取り上げた事があります。
(該当記事はこちらをクリック)

大多喜~茂原間ではこの都自動車と共に、一帯で多数のバス路線を運行する小湊鐵道の便も存在しており、両者を合わせると1日10往復以上の本数になります。

土地柄を考えるとそこそこの利便性が確保されているといえ、運賃も現在は片道500円が上限(以前は全線乗り通すと600円以上を要していた様ですが…)となっていますので、東京都心や千葉市内から大多喜へ向かう際にも、非常に有用なルートと言えます。

この大多喜~茂原間のバスは、大多喜方の起終点が小湊鐵道と都自動車では異なり、小湊鐵道の便は大多喜車庫発着で大多喜駅へ入りませんので要注意(大多喜駅から徒歩3分程度のコンビニ近くにある「久保」バス停などが利用可能)ですが、大多喜方の僅かな区間を除くと、大半の便は両社共にほぼ同一のルートを運行しています。


しかしながら小湊鐵道の方は、殆どが都自動車と同じ市野々経由で運行しているものの、1日1往復だけ端沢経由の便が設定されており、こちらは都自動車に負けない希少性があり、MAKIKYUが先日大多喜からの帰路に就く際には、たまたま希少な端沢経由の便が走る時間でしたので、なかなか乗車機会のない路線を利用する絶好の機会とばかりに乗車したものでした。

いすみ鉄道の撮影会に赴く人数は非常に多く、いすみ鉄道のレールバスや大多喜駅前は普段なら考えられない賑わいぶりだった一方で、この路線をチェックしている人物は余りいなかった様で、始発の大多喜車庫から乗車したのはMAKIKYUだけ、その後乗車した乗客の数も指の数程という有様でしたので、長閑な雰囲気を満喫できた反面、普段の大多喜周辺の公共交通を取り巻く現状の厳しさを痛感したものでした。

ちなみに端沢経由の路線は、大多喜~茂原間の大半の便が走る市野々経由の路線に比べると、やや南側を走っていますが、鍛治町~給田までの区間が異経路となり、小湊鐵道の大多喜車庫内にある掲示によると、この区間では大多喜~市野々経由~茂原間の共通定期券も通用せずに別運賃を要する様です。
(普通運賃は大多喜~茂原間を乗り通した場合、端沢経由でも市野々経由と同額の500円ですが、鍛治町~給田間の利用でも500円を要します)

鍛治町バス停は大多喜の市街地外れにありますので、大多喜の街中から端沢経由のバスに乗車すると、程なく市野々経由とは異なる区間を走る事になります。

その中でも鍛治町~上之郷間は大多喜~上総一ノ宮間を走る便と同じルートを走りますので、こちらも決して本数が多い路線とは言い難いものの、平日であれば超希少路線という程ではありません。

しかしながら大多喜~上総一ノ宮線は休日全便運休となっており、MAKIKYUが端沢経由の便に乗車したのは日曜日でしたので、この日は端沢経由のバスが鍛治町~上之郷間で唯一のバスという有様です。

それにも関わらずこの区間での乗降0というのは寂しい限りですが、大多喜~茂原間のバス時刻は平日・土曜と日祝日で異なるものの、端沢経由の便が走る時刻は同一となっており、1日1往復だけの希少路線ながらも毎日運行しているのは大したものです。

 
ただ1往復だけの便は、乗客の利便性を考慮して利用が見込まれる時間に設定しているとは言い難く、上之郷~給田間の一般路線バスは端沢経由のバス1往復のみしかないのですが、この区間で端沢経由の便同士がすれ違うダイヤとなっています。

このため沿線からは茂原・大多喜のどちらへも、路線バスを利用して日帰りで用務を済ませる事は叶わない状況となっており、如何にも免許維持目的で利用の少ない昼間時間帯の1便だけを、端沢経由で走らせているという雰囲気が漂っていますが、この区間から茂原に向けて乗車する乗客の姿が見受けられたのは驚きでした。

ちなみに大多喜周辺の小湊鐵道バスでは、幹線と言える大多喜~市野々経由~茂原間や大多喜~上総牛久間と言えども、中型車による運行が主体となっています。

MAKIKYUがこの路線に乗車する際には、そのため恐らく中型車が充当されると予想していたのですが、車両充当上の都合もあってか、マイクロバスどころかワゴン車でも運びきれる程度の乗客数しかいなかったにも関わらず、大型路線車が充当されたのは少々意外に感じたものでした。


この大型路線車も富士重工7Eボディの2段ステップ車で、徐々に数を減らしているとはいえ、今でも首都圏各地など大都市圏でもありふれたスタイルのバスですので、特に珍しさを感じない方も多いかと思います。
(それでも小湊鐵道ではこのボディで国産4メーカーを取り揃えており、車種によっては結構希少な部類に入るのですが…)

その中でも乗車したのは平成8年式のいすゞ車で、特徴的なサウンドを放つV8エンジンを搭載したこのバスは、一部のノンステップバスでも聞けるサウンドですので、全国的に見れば古いバスの部類には入らず、このサウンドを聞くとむしろ比較的新しいバスと感じる方も居るかと思います。

とはいえ大都市圏の排ガス規制区域では既に使用できない年式で、規制区域(千葉市内の塩田営業所など)での登録期限満了→大多喜へ移動して来たのか、年式の割に登録番号は新しく、この事も尚更古さを感じさせない要因と言えます。


たださほど古い年式の車両ではないにも関わらず、床が昔ながらの板張りとなっているのは小湊鐵道バスならではで、いすゞV8エンジン搭載車で床が板張りのバス自体、MAKIKYUが各地で路線バスを乗り歩いても、幾つか思い当たる程度ですので、古参車とは別の意味で興味深いものです。

また首都圏では一部を除くと、床が板張りのバスに乗車できる機会そのものが限られてしまいますので、この車両に限らず床が板張りの車両が多数稼動している長南管内の小湊鐵道バスは注目で、先日端沢経由のバスに乗車した際には、路線・車両共に趣味的には非常に面白いと感じたものでした。

大多喜周辺の公共交通機関は、注目を集めるいすみ鉄道に比べると、小湊鐵道や都自動車の路線バスは域外での知名度が低く、まして端沢経由の路線の様な希少路線ともなれば、乗ろうと思ってすぐ乗れるものではありません。

とはいえ大多喜~茂原間や大多喜~上総牛久間の路線バスなどは利用価値も高く、他にも大多喜~勝浦間や大多喜~上総一ノ宮間(休日運休)といった路線も存在しますので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も大多喜を訪問する機会がありましたら、小湊鐵道などの路線バス利用も検討してみては如何でしょうか?



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