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僕らはみんな生きている♪

生きているから顔がある。花や葉っぱ、酒の肴と独り呑み、ぼっち飯料理、なんちゃって小説みたいなもの…

脱出

2006年07月23日 | SF小説ハートマン
コールサインを受け取ったスペースギアは環境色のまま発進し、サイバークラブ屋上で待ち受けるハートマンにフルスピードで近づいた。

使い慣れたハンディウエポンを拾っている余裕はなかった。接近戦を予測して身につけていた旧式のレーザーガンだけがかろうじて敵の攻撃を防いでいる。

熱交換機の影に主人を発見したハイブリッド合金製の忠実なるしもべは、彼の待つ建物の直前で船体の飛行角度を90度傾け敵とハートマンの間に割って入った。
コックピットウインドウを開く。
船底にビームバリアーを集中し、反対側からハートマンを迎え入れた。

コックピットに飛び込んだハートマンはコンソールを素早く操作し、バイオリストコンピュータに同調させる。その間にも船底に受ける攻撃ビームの衝撃が次第に大きくなっていく。

この程度の攻撃ならバリアーはしばらく持ちこたえるだろう、だが敵が破壊力のある大型兵器を持ち出す前に脱出しなければ。

叫びたくなるような苦痛が断続的に襲ってくる。ハートマンは、全てのモニターがAUTOに変わり安全なワープ空間へと飛び込んでいく強烈なGを、薄れゆく意識の中で感じていた。   つづく


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