奈落には上も下もなく
ましてや蓋も底もないのである
つまり「奈落」に落ちると言うことは
「奈落の底」に落ちるのと何ら変わりは無い
奈落と言うところは場所なんであるが
奈落の中でも上の方は気持ちいいところで
底に近づくほど嫌~なところなんだ
ってこともないのである
底がついた方がイイと思う人はそれで良いし
つかない方がそれっぽいと思う人はそれで良い
それはほんの始まりに過ぎなかった…
とか
序章の幕開けを告げていた…
なぁんてよく三文小説に出てくるが
次への展開を予測させて
わくわく感を盛り上げようとする安易な表現だと思う
だって正にそんな感じでマイムは奈落に落ちてしまったのだ
落ちてしまってから
あぁそれそれ、と妙に納得する表現だと気がついた
どんな表現でもいいが
とにかく痛いのである
歯を食いしばる
喰い、かつ 縛るのか?
その辺にあるものにしがみつく
うめく
のけぞる
のたうち回る(以前ユーチューブでヘビがのたうち回るのを見たような気がする)
どんな体位になってみても
痛い、圧倒的に痛い
暑いのかどうか分からないが汗が噴き出てくる
サウナの時よりも岩盤浴の時よりも
素早く体中をぐっしょりにする
汗すげー出るじゃん、、
幽体離脱した冷静な精神が
客観的に自分を見下ろしているような気がした
気がつくと30分ほど時間が過ぎている
あれ?さっき確か○時だったのに…
昨夜から寝ていないので
いつの間にか寝ていたのか
こんな状況で寝られるはずがないので
意識が飛んでしまったのか
飛ぶなら飛ぶでもっと、
少なくとも3時間ぐらい飛ばしてくれれば
ちっとは納得するのだが
気がつけば元の奈落にいる
さっきまで全く出なかった尿なんであるが
うぅ、とうめいた拍子にパンツを濡らす
恥ずかしいとか悔しいとかそんな感情はない
奈落とはそうゆうところなんだってば
冷静な自分がきちんと状況を分析しているのだ。。。
つづく