僕らはみんな生きている♪

生きているから顔がある。花や葉っぱ、酒の肴と独り呑み、ぼっち飯料理、なんちゃって小説みたいなもの…

蓮池にて…②

2009年07月19日 | その辺の木や花です
やがて体を離した男はふぅとため息をひとつ吐き煙草に手を伸ばしました。

いつもこんな思いができるなら多少金がかかっても仕方ないなと思っています。
とりあえず女が言う200万用意してやればいいのだろう。
こないだ用立ててやった分と合わせて決算までに会社の口座に返しておけば問題は無いはずだとも。

女はけだるいぼぉっとした意識の中で、
そろそろこの男ともお仕舞いにしなければと思っています。
この男は今までの男達とはちょっと違いこのまま関係を続けると本気で好きになってしまいそうだと気付いたからです。


女にとって初めての男は金をふんだんに持っていてそれは魅力的でした。

容姿なんてどうでもイイ。
逢う度に何かしらブランド品が増えていくのが面白いようでした。

ただ、札びらを切りながら薬を強要したり、
数人の仲間を呼んできてむりやり強姦させ嫌がるのをカメラで撮影したりとアブノーマルな世界に知らないうちに引きずり込まれていたのです。

女は知ってしまった強烈な快感から逃れることができず、ずるずるとそんな関係を続けておりました。
運命とはどう転ぶか分からないもので、運良くその男が事故で死んでくれたお陰でそんな世界から戻ることができたのですが、そうでなかったらそのまま壊れてしまっていたでしょう。

普通の生活に戻ったと言っても荒く乱れた金銭感覚は直らず、
必要な生活費を得る為に手っ取り早い方法は男をたらし込むことでした。

持って生まれた男好きのする容姿と豊満な肉体は男を食い物にするのにずいぶんと役立ってきました。
美しい花に蜂が寄ってくるように、男は次から次へと面白いように寄ってきては女に貢ぎました。


そんな女でも、鏡に向かい夜の化粧を落とす時、アンチエイジングな化粧品の界面活性剤で水っぽくふくれた肌をコットンでこすりながらふと考えることもあったのでございます。




つづく



























コメント
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