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たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

代休山行・晴れて正解の白毛門

2007年02月22日 | 谷川岳周辺
◎2007年2月22日(木)―1人

 木から、週末の白毛門を誘われていたが、直前になっても何ら連絡が無い。いつものパターン。こっちから問いかけたら、仕事でキャンセル。一種のマニュアル通りのことだし、オレもハナから当てにはしていなかったが、白毛門はちょっと残念。週末の天気は分からない。まして家庭事情の都合が発生すれば山には行けない。代休とって白毛門に出かけることにする。まだ代休も3日ある。早くとらないと期限切れ。

 6時半に家を出た。8時過ぎに歩き出す予定。こんなに遅くしたのには訳がある。簡単に言えばトレース泥棒をするつもりでいた。関越を使って水上に入った。街には雪がまったく無い。大穴スキー場も営業をしていない。地面と草がむき出し。車をどこに駐めるかはまったく思慮せず、とりあえず土合橋に向かう。駐車スペース無し。駐車場は雪で使用不可。戻って、土合駅前に駐めた。こういうのはあまりよろしくないことだろうな。土合駅から電車を使うわけでもないのに。トンネルの先に駐めると帰りがかったるいので少々ズルをした。

 土合橋手前を右に入り、登山口に着いたのは8時40分。登山者カードに記入。雪は日陰のためかかなり凍っているが、先に見える登山ルートには土が見えている。今日の装備はアイゼン、ピッケル、ワカン。しばらくはつぼ足で行く。つぼ足という言葉は最近覚えた。何も着装していない状態を言うらしい。雪道はかなり踏まれている。トレースの心配は無かった。これがそのまま白毛門まで続いていることを願う。おそらく、雪があまり降らないから、踏み跡もそのままになっているのではないだろうか。

 白毛門は2回目。前の時はかなり古い話で、「三菱銀行の山荘の脇を登っていく」と何かの本に書いてあって、その山荘を探すのが大変だった。真夏の時期のカンカン照り。朝日岳から清水峠を経由して戻った。今日は迷うことなく、すんなりと尾根に出た。これもトレースのあるおかげ。この尾根がきつい。白毛門まで、数か所の下りはあるものの、ほんの数秒。登り一辺倒。かなり汗をかく。まず帽子を脱ぎ、手袋も外す。やがて中のフリースも脱いでしまった。天気は快晴で、汗が頭から顔に落ちてくる。脇の下も気持ち悪い。土合駅で合わせた高度がずれ始めたようなので、天気は下り坂のようだ。次第に土が見えなくなり、1,000mあたりでアイゼンを装着する。ここから展望もかなり良くなった。左手に真っ白な一ノ倉岳と茂倉岳が正面に見え出した。右手に武尊がちらちらするが、ここは雪が少ないようで、岩肌はそのままになっている。

 いままであったストックの輪の跡が無くなった。撤退か、もしくはピッケルに交代したのだろうか。トレースはやや細くなった感じ。雪はしまっている。たまに踏み抜いた跡を散見するが、覗くと、穴の深さは1mはある。松ノ木沢の頭に到着。休憩、着替え、パンをかじった時間を含めて2時間10分。雪の踏み跡は下り方面だけだったから、だれも登っていないのだろうかと思っていたが、沢ノ頭でしばらく休み、白毛門直下を眺めていたら、1人登って行く姿が見える。やはりいるもんだね。

 右手は雪庇状態になっている。ここは風も強く、安易に登っていると危険。松ノ木沢ノ頭から少し下って、直下の鞍部に着く。ここからの上りがすごい。見上げると45度はありそう。そして長い。うんざりしながら登るが、やはり40歩で一休みの繰り返しになってしまった。左手に武能岳が見えてきた。茂倉よりも200mは低いが、山の形が良い。上から人が下りてきた。さっきの先行者だろうか。トレースからちょっと外れて待避していたが、彼はわざとトレースから外れて脇を後ろ向きの四つんばいで下りてきた。オレを気遣ってくれたようだ。コンチワの後に、「スミマセンね」を付け足した。

 急登を登り詰め、山頂はもう少し。鎖場のあるところ。また1人下りてきた。彼がさっきの先行者だったのか。サングラスをかけた若者。オレに譲る気配があったが、先に下りてもらう。そしてようやく山頂。もうだれもいない。登山口から2時間35分。11時15分。疲れた分を十分に補ってくれるだけの天気と眺望。風は無くなっている。眼前に笠ケ岳と朝日岳。ここから続くトレースはもう無い。右手奥には至仏山と燧。しばらく景色を楽しんだ。久方ぶりの満足感。

 山頂には20分もいたろうか。物を口にはしなかった。途中で食べたカレーパンがまだ胃にもたれている。下りにかかる。さっきの直下の下りが不安。かかとに体重をかけて慎重に下りる。登る時はかなりの急斜面の感じを受けていたが、いざ下るとそれ程のきつさは感じない。だからといってシリセードできる状況にはない。左に間違って下ったら谷底。しかし、雪の下りはかなりキツイね。

 松ノ木沢ノ頭を過ぎるあたりから、雪はかなりゆるくなっていた。今日の晴天がわざわいしたのだろう。場所によっては雪が抜けてしまう。木の根付近は雪が消え、地面がむきだしになっているので、アイゼンのままではすこぶる歩きづらい。上りでアイゼンを装着したところでアイゼンを外してしまうが、今度は滑る。ゆっくりゆっくり下山。ピッケルが邪魔になってくる。登山口が近づくに連れ、雪解けの春の情景になっていく。本当に暖冬なんだなぁ。

 登山口に着いたのは13時。しめて4時間半の山行だった。先行者がカメラに三脚をつけて写真を撮っていた。何やら「シリセードで下ろうと思っていましたけど、あんなにベトベトになってしまっていたんじゃ出来ませんでしたよ。残念です」と言っていた。器用にも、オレはシリセードを2回やった。

 今回の山行で気になっていたのが登山靴。この靴を履くのは一昨年の暮れに行った赤城・黒檜以来の2回目。すごい雪で、10人近く入っていたが、前がつかえてしまい、ワカンで歩いていたオレが、自然、トップでラッセルするようになってしまった。その時、失礼にも、後ろにぴったりと付かれてしまい、気持ちの余裕もなく、足だけ酷使して痛めてしまった。おろし立ての靴だったため、以来、この靴を見ると足の痛みを感じ、ほったらかしになっていた。今回久しぶりに履いてみたが痛みは無くほっとした次第。

 谷川温泉の湯テルメに寄って帰るが、この温泉、今日はどこかの幼稚園の園児がいっぱいいて、湯の中でさわぎ回ってちっとも落ち着けなかった。隣の女湯も園児の声で騒々しかった。

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