フルート吹きの物思い

趣味のフルートと、それに関わるもろもろのこと。

頭部管を買ったら2~工房見学

2004-04-23 | フルート本体
というわけで、頭部管の話の続き。

頭部管はフルート専門店で購入した。購入時に頭部管と本体との擦り合わせ調整をしてもらっているわけだが、どうも今ひとつ気に入らない。どうやら私は少し固めが好きらしい。

お店では、このぐらいが標準だからしばらく様子を見てということだっったが、やっぱり気に入らない。
再調整をお願いしようということになり、また購入した店に行こうと思ったのだが、この頭部管を製造した工房もそんなには遠くない。何故か日本のフルートメーカは埼玉の奥の方にあることが多いのだが、その工房は都内である。私鉄の駅からバスを乗るのはやっかいそうだが。どうせだったら見学を兼ねて工房へ行ってしまおうか。以前に小さなフルートメーカの見学に行ったら面白かったことだし、アポをとってみた。

そこは、ガレージのようなところだった。いくつか工作機械がおかれているのが外から見える。看板も見当たらないので、知らなければ何を作っているのかわからない。セールスマンとも客ともつかない人が一人と、町工場の職人さんらしき人が一人。

そのセールスマン風の人は、果たしてお客であった。14kと18kのアメリカ製フルートが一緒にはいった楽器ケース(いろいろな意味で初めて見た!)を持っていた。私の楽器を調整している間に、もう一人客が来た。この人はどうやら最近ここで楽器を買ったようだ。しかし調整してもらう風でもないので単に遊びに来たらしい。
その新しい楽器、金製で巻き管という製法で作られたものだという。吹かせてくれるというので、ありがたく吹かせていただいた。まだ新しいということが吹くとすぐにわかる。これからよく鳴るように吹き込んでいくのが楽しそうだ。14kと18kのダブルケースも何故か吹かせていただいた。持ち主は、関西から出張のついでに来たのだと言う。せっかくこんなところまできたのだから、のんびりしていくのだという。この工房に来る人たちはみんなこうなのか。けっこうdeepな世界。

調整が終わりかえろうかと思ったら、せっかく来たのだし、楽譜も譜面台もあるから少し吹いていけば、と遊びに来た客や職人さんが言う。それでは、と見ず知らずの人とクーラウのデュエットをあわせた。さすがにみんな上手いね。一発でちゃんと曲がとおる。

もう少し私も長居できれば面白いだろうとは思ったのだが、この後約束があったので一曲で(3楽章まで)おいとますることになった。

普通に楽器屋に行くだけではこんなことってない。不思議な半日ではあった。そのうちまた行ってみるか。