フルート吹きの物思い

趣味のフルートと、それに関わるもろもろのこと。

フルートにとっての吹奏楽

2004-04-19 | 吹奏楽、管弦楽&アンサンブル団体
フルートにとって、吹奏楽は良い演奏環境といえるのか。
昨日の吹奏楽を思い出して、考えた。


おそらく、学校で吹奏楽部でフルートを始めたという人がフルート人口の中で一番多いのではないかと想像する。

音楽大学を目指す人は、学校の吹奏楽部を辞めさせられると聞いたことがある。昔聞いたことなので真偽は定かではない。悲しいことであるが、それも一理あるのかなぁとは思う。

私の周りの社会人アマチュアフルート吹きは、おおむね次の3タイプがある。

1)吹奏楽ばりばり
2)管弦楽の人
3)レッスンで始めた人


1)吹奏楽
吹奏楽部出身者は、大概指が良く回って(細かい楽譜を吹く技術がある)、初見(初めて見る楽譜の演奏)もきく。
ただ、音色に問題がある。音に芯がないので、柔らかい音ともいえるが「遠鳴り」はしない。これは、歌口に吹き込む息の焦点があっていないため。あえて悪い言い方をすると、吹き方が「雑」。

これはしょうがない。金管や打楽器のうるさい中で、音量をだせだせ、といわれればそうなってしまう。どう息をいれればよく楽器が鳴るのかなんて考える余裕はない。

吹奏楽の練習方法も良くない。みんなでやる「ロングトーン」がその最たるもの。「ロングトーン」は、直訳のとおり音を長く吹きのばす「鍛練」である。金管楽器やリードを使う木管楽器は主に唇の周りの筋肉を強化する必要があるので有効な練習法であるが、フルートには害のほうが多いと思う。

もちろん、音を長く伸ばして悪いわけはない。やり方に問題がある。音のアタックを合わせることや大きな音を出すことばかりに気をとられ、息を効率よく使う(フルートにはとても重要)ことが見落とされてしまう。歌口へ吹き込むために息の焦点をあわせて絞り込む感覚が、とにかく息をたくさん入れようとしてしまうことでどこかに忘れられてしまう。こうして、破裂音のような音しかでないフルートティストいっちょあがりとなってしまう。


2)管弦楽
自己主張の強い人が多いのは、関係者の認めるところだろう。管弦楽の木管楽器は、常にソロを吹いているのに近い。それなりに芯のある性格でないと務まらないということもある。

技術的に優れれば性格的にも優れているとは限らない。音楽大学を出たのだがそのわりには下手。それなのに何を勘違いしたが、自分が一番上手いと思っている人がたまーにいる。目立とうと無理して吹き音になってない、単にアマチュア相手にいばっているだけなど症状はいろいろ。身の程を知れ。


3)レッスン
上記のような団体に所属しない人は、やはりいろいろ鍛えられているとはいえないのでテクニック的には劣ることが多い。が、常に耳の確かな専門家に教えられているので、音色などの基本はしっかりと押さえている。
あとは、レッスンではなかなか教えられることのできないアンサンブルの能力をどう鍛えるかが課題。

それともうひとつ。レッスン社会人は「大人買い」できるためか、経験数年の初~中級者でもかなり高価な金のフルートを持っている人がいて驚いたりする。すげー!

ちなみに、使っている楽器は吹奏楽系の人が一番安いみたい。学生時代に使っていたものをそのまま使い続ける人が多いためなのか、コダワリの楽器を使う人は比較的少ない。なんでだろう。


追加)フルートアンサンブル
フルートアンサンブルの団体に所属、という人もいますね。忘れてたわけではありません。どちらかというと、吹奏楽などと掛け持ちしている人が多いかな。それぞれが上にあげたようなバックボーンを持っているので、人種的には最もいろいろだと思う。中年を過ぎて、とか定年退職後に娘の使っていたフルートをつかっって始めたとか、そういう人もいたりして多彩。面白いよ。吹奏楽は比較的年齢層が若いからね。

フルート教室主催のフルートアンサンブルもあるけど、それは良く知らない。初心者にはとっつき易そうでいいかも。


結局のところ、よくわからないけど、自分と相性の良い団体で活動するのが良いという結論。上の文章と脈絡がない結論だからって怒らないように。
要するに、それぞれいろいろと一長一短だから、気をつけましょうということ。それが今日の結論・・・・自分はなかなか進歩しないなあ。