マドリーの恋人

ヤマダトミオ。 画家。 在スペイン52年。

トランプ爺さんは闘牛だ

2016-11-14 11:30:00 | スペイン日記

ざまぁみたか!をダブルサインするヤンキーを一面に載せたエル・ムンド紙

 スペイン人もトランプアメリカ大統領誕生にはビックリでした。ヒラリーの初女性大統領誕生を目論んで貿易関税の完全撤廃化を進めていたヨーロッパ連合(EU)の国々には“寝耳に水”でした。ヒスパニック系移民者を通してスペイン語をアメリカに広めているスペインにも悪影響はジワジワと出るでしょう。誰が見ていたのかは知りませんが大統領選の日、スペイン時間の夜中の1時から朝の9時まで、一晩中開票の進行ライブをスペインのテレビ局は放映をしていました。ご苦労様ですが、スペイン庶民がそんなものを一晩中見ていたとは思えません。マドリードのアメリカ大使館ではパーティーも兼ねての開票ライブをやっていました。マドリード市内だけが翌日は祝日だったとは言え、見たマドリっ子がいたらよっぽどの物好きです。


 それにしても元気一杯のヤンキー爺さん・トランプが出てきたものです。好き勝手なことをやってもその歳なら失うものはないでしょう。我々同世代としてはそこまでやるか!?ですが、老後の生き方としては満点です。財力も核ミサイルも美女も手中にしてしまったのですから羨ましい限りです。それに議会の上下院も牛耳れるので“合法的”かつ最強の独裁者になったのも同然です。あのヒトラーも墓場から世界の独裁者になったトランプ大統領を羨ましがっているでしょう。生きていて似ているのが北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)ですが、彼にはレベルの違いが悔しいはずです。これからどんなとんでもないことをやらかすのか、と楽しみです。


 共和党員も合衆国議会も大統領就任後しばらくはトランプに暴走をさせておいたほうが賢明です。スペインの闘牛も暴れさせておけば疲れますし、トランプはもう年寄りなので息切れを始めます。ちょうど“いい子お利口さん”大統領にはうんざりしていたので面白くなりました。暴れ過ぎれば、あのレーガン元大統領の時のように誰かがピストルで必ず撃ちます。ケネディの時のように自国の大統領も殺してしまうような国ですから、自然にブレーキがかかるでしょう。イギリスが欧州連合から“ブレグジット”したようにアメリカが世界から“アメグジット”したと思えばいいのです。


 アメリカが居なくなった暫くの間、我々は我々だけでやって行けばいいのです。アメリカ人は寂しがり屋なので、世界から仲間はずれにされたら彼らから寄り添ってきます。そこがイギリス人との違いです。時々ネットで“トランプショー”が観られれば、こんな楽しい老後の暇つぶしはありません。ドンドンやって下さい、トランプ爺さん!


 さて、スペインは111日の「トドス・ロス・サントス(Todos los Santos)」の祝日を挟んで、首相の選任と国王による承認や新内閣誕生がせわしくありました。やっとスペイン新政府ができました。「トドス・ロス・サントス」とはキリスト教の“諸聖人の祝日”ですが“スペイン版お盆”と思えば我々日本人には分かり易いです。

ブニュエロ

 庶民が年に一度墓参りをして、墓を掃除して花を添える日です。で、この日のお茶菓子が写真のブニュエロ(buñuelo)なのです。中には生クリームやチョコレートクリームが入った揚げ菓子です。やっと10か月ぶりにスペイン新政府が誕生しましたが、長い道のりでした。新年のブログ「2016年、よろしくお願いします」で総選挙(一回目)があった話とその選挙結果を書きました。でも組閣に至らなかったので再総選挙(二回目)が行われました。6月の末でした。


 前回と大差ない選挙結果だったので夏のヴァカンス中も組閣に向けて政党の間では折衝が繰り返されました。芳しい進展なく、このクリスマスには三回目総選挙になりそうな雲行きでした。が、前回のブログに書いた「社会労働者党(PSOE)の書記長の引きずり降ろし騒動」で雲行きが大きく変わりました。国会における首相選に立候補した国民党(PP)のラホイ前首相が社会労働者党議員の棄権のお陰で首相に再選されました。そのほぼ一週間後に新内閣が生まれました。ラホイ首相を含めた14人の内閣で、6人が新任大臣です。女性大臣は5人です。

ラホイ新内閣誕生

 やっとこぎつけたスペイン新政府ですが、法案ごとに各党との折衝になるのは避けられないので短命で終わるかも知れません。その新政府がぶつかったのが“トランプ大統領誕生”でした。それにしても、一年近くの間の“暫定内閣”は法案可決権もない“無政府”同様でした。でも、庶民は毎日仕事をし、子供は学校へ行き、スペイン経済は上がりました。戦争さえなければ、“国”って結構“政府なし”でもやっていけるのはないでしょうか・・・?


 そうそう、闘牛って突進しかできないので、闘牛士に殺られるのです。昨夜のTVニュースです。“トランプ大統領誕生”でアメリカ人がしたネット検索数のトップは「シェルター」でした。スペイン人は「メラニアのヌード」でした。(⌒▽⌒)アハハ! 僕はスペイン人です。

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