スペイン広場
セビージャ(Sevilla/ スペイン南部アンダルシア州都)へ行ってきました。久しぶりの「年末のセビージャ」でした。マドリードから車で行っていましたが、今回はアベ(AVE/スぺイン新幹線)で行きました。2時間半でした。車では6~7時間かかっていたと思います。車だと寄り道が自由なのであっちフラフラ(風車のラ・マンチャ/La Manchaで食事をしたり)こっちフラフラ(コルドバ/Cordobaでシェリー酒を一杯とか)を楽しみながらのドライブでしたが、歳なので一直線に新幹線で行きました。
大聖堂の中央礼拝堂
楽は楽ですが、車窓は荒野と畑の繰り返しの退屈極まる風景でした。牛や羊の尻ばかりでした。これだったら飛行機で飛ぶべきでした。マドリードの家からはバラハス空港へ行く方が新幹線のアトーチャ駅よりも近いです。当たり前ですが久しぶりのセビージャは昔のままのセビージャでした。ともかく騒がしい。その騒がしさが大都会マドリードのそれと違うのは、話している言葉がアンダルシア語だからです。スペイン語の語尾をはしょり、早口なのでやかましい。慣れないと半分しか理解できません。
セビージャの街
口はスピーディーですがやることは遅いです。バルでワインを注文しても持ってくるまではマドリードの倍の時間がかかります。早いのは勘定だけです。駅から宿までタクシーで行きましたが旧市街の道の狭いこと!通行人をかき分けるようにしてタクシーは進みます。こんな狭いところを車で入っていいの?とタクシーのおっさんに聞くとノープロブレム。車のドアと家の壁の間が一センチの路地をタクシー用大型版のプリウスで行きました。常識で考えたら車で侵入すべきではないところに、わざわざ侵入するのがセビージャのタクシー運転手の腕の見せ所のようでした(一般車は進入禁止でもタクシーは可)。
ヒラルダの塔
今回の宿は大聖堂の隣なので中心街のど真ん中です。なので、運転手に宿の近くまでで良いよ、と言っても、乗った全てのタクシーが通行人を押しのけて宿の前まで行ってくれました(チップは弾みました)。セビージャ名物の馬車には入って来られない路地です。なので、馬糞臭くなかったのが幸いでした。自分の車で来ていた時は大通りの20世紀のホテルに泊まっていましたが、今回は100年前の建物と思われる宿でした(Airbnbで探しました)。素晴らしい改装で、建物の外装は昔のままですが中もよくぞここまで残したなぁ、でした。
マカレナの聖母
木の支柱を鉄柱で囲って補強して、壁のタイルは昔のまま、中庭も残して、新しく設置したのはエレベーターでした。古い屋敷はトイレや風呂場などの水まわりに支障が多いのですが管を取り換えたのでしょうか、不便はありませんでした。屋上にはバスタブに毛が生えた程度のサイズとは言え、プールまでありました。冬でざんねんでした。目の前は大聖堂のヒラルダの塔です。夜景をシェリー酒片手に楽しみました。愚痴も並べましたが、セビージャは再び訪れたくなる人間臭い街なのです。
サンタ・クルス街の路地
今回の宿はツーリストが溢れる街中だったので、レストランで苦労をしました。どこも満員でした。中心地を離れれば予約なしで座れるレストランが沢山ありますが、タクシーで戻るのが億劫です。セビージャ料理と言えばフリッターです。子魚やイカを揚げたペスカイート(pescaito)です。馬車の御者が教えてくれたレストランのペスカイートは新鮮なカタクチイワシを上質のオリーブオイルで揚げたのでしょうか、おいしかったです。
屋敷の見事な改装
それにしても、溢れる数のツーリストでした。クリスマス休暇を暖かいセビージャで過ごす北欧人は薄着で「ビール片手」ですが、マドリードから来た僕には肌寒いので「赤ワイン片手」でした。夜はオーバーを羽織りました。セビージャは春と夏がグッドタイミングですが、真夏の日中の50度だけは勘弁です。老人はアジの開き干しになります。また近いうちに戻りたいセビージャですが、オーバーツーリズムはどうにかして欲しいです。
ペスカイート