マドリーの恋人

ヤマダトミオ。 画家。 在スペイン52年。

ワールドプライド・マドリード2017

2017-07-05 12:00:00 | スペイン日記

はしゃぐゲイたち

レインボーカラーの垂れ幕を飾る市役所

 「ワールドプライド/WarldoPride」のお祭りがマドリードで開催されました。一週間以上も続いて昨日の日曜日(72日)にやっと終わりました。土曜日は明け方まで祭りは続きました。目抜き通りの派手なパレードだけではなく、ソル広場やアルカラ門やコロン広場の他にも数か所にステージが建ち、歌って踊ってのライブでした。地元のテレビ局・マドリードTVは10時間もパレードやライブの放映を続けました。午後4時から夜中の2時まで同じようなことを話す人々のインタビューや雑踏の映像の繰り返しにはうんざりしました。その合間にライブが入るけど、そこまで放映時間をさいて流すほどの祭りか?でした。

ワールドプライドの山車はオープンバスです

 LGBTの世界運動がワールドプライドと呼ばれる祭りです。Lはレズ、Gはゲイ、Bは両性者、Tは性変換者のそれぞれの英語名の頭文字です。スペインは同性者同志の婚姻は法的に認められています。EU(欧州連合)のほとんどの国でも認められています。性変換も自由です。女の子に生まれたのに、う~ん、男になりたい!と本人が望んだら男になれます。その反対もOKです。なので「性別からの解放」がワールドプライドのようです。「性からの解放」と言うとフリーセックスみたいなので、性別からの解放なのでしょうか?

オープンバスは52台も出ました

 「~からの解放」と聞くと思い出すのが、ひと昔の「女性解放」です。イタリア男の「女は家でパスタでも茹でてろ」からの女性の社会進出でした。僕の住んでいるマドリードは、アラブ人、アフリカ人、中南米人、アジア人、もちろんヨーロッパ人も、色々な人種が同居をしている街です。なので、その中にホモでもゲイでもBでもTでも隣人として入っていても差別はありません。大都市の住民には他の町や国からの「よそ者」が多いのです。でも地方都市や田舎町ではまだ白い目で見られるのがLGBTの人々のようです。

パレード

 この一週間余りはTVも新聞もメディアはワールドプライドのレインボーカラーで埋まりました。シベレス広場のマドリード市役所もレインボーカラーの垂れ幕が下がりました。週末の夜はお祭りの参加者やそれを見に来た人たちでごった返していました。レアルマドリードの優勝祝い以上に盛り上がったシベレス広場でした。テレビニュースのキャスターもレインボーカラーのバッジを付け、画面のバックもレインボーカラーでした。チャンネルを変えてもフィラデルフィアなどのホモやゲイがテーマの映画ばかりでした。ともかく、自分が「普通の人」なのが恥ずかしくなるほどのLGBTパワーを見せつけられた一週間でした。

昼間から人人人のシベレス広場

 この祭りに訪れた観光客は200万人とも300万人とも言われ、マドリードのホテルは市内も郊外も満員でした。特に市内のチュエカ地区は「新宿2丁目」に当たるので祭りの間はペンションまでもが満員御礼で、そこのバルも一日中満席でした。アルバイトを数多く雇ったようなので、彼らにはヴァカンス前の小遣い稼ぎになりました。連日の騒音に根を上げたのは爺さん婆さんたちで、住民の多くは他のところに逃げたようです。でもマドリードに落ちた金は3億ユーロ(約360億円!)を超えたとかで、バルやレストランだけではなくて土産屋もブティックもホクホク顔でした。

それの夜

 サッカーのフーリガンのようには暴れないのがホモやゲイなので、ホテルやレストランには良い客だったようです。次回、2019年のワールドプライドはニューヨークで開催です。このブログのアップ回数が減って来ているように、僕は、今、制作に追われています(正直、焦っています)。今秋の個展の作品です。なので、祭りは見には行けなかったので、写真はテレビ映像を写しました。

LGBTの人びと

ソル広場のライブ

チュエカの人混み

チュエカのバルは満席

コメント
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