ペドラサの広場
ペドラサ(Pedraza)はセゴビア県にある小さな村です。コウノトリの里だそうでその巣がたくさんあります。マドリードからは車で1時間半足らずです。週末はマドリっ子たちが溢れています。彼らの目的はコウノトリウォッチではありません。ラムの丸焼きを食べに行きます。
ペドラサの広場
セゴビア(Segovia)はマドリードの北にあり、ローマ時代の水道橋とおとぎ話に出てくるような可愛い城があります。そしてこの地方のかまどで焼く子豚やラムの丸焼きは絶品です。昔はかまどでパンを焼いていました。パンを焼いた後その残り火で肉を焼きました。スペイン語では丸焼きをアサド(asado)と言い、子豚をコチニィジョ(cochinillo)、ラムをコルデロ・レチャル(cordero lechal)と言います。
ペドラサ
セゴビアは豚、羊、牛の肉の味が他と違います。小さい村が点在する酪農に適した土地と涼しい気候が良いのでしょう。ペドラサにそれらを食べに行きました。レストランに予約を入れると、注文を聞かれます。丸焼きは時間がかかるのとラムや子豚は焼きたてを食べないとセゴビア産の肉がもったいないです。それにラムの脂肪は融点が高いので冷めると脂が固まります。不味くなります。食事時間は1時半か3時半なので、1時半にしてラムの丸焼き二人分と子豚の丸焼き二人分を注文しました。友達と4人です。「時間に遅れないでください」とスペインらしくない注意を受けました。
ペドラサ
当日村を散策したら沢山のコウノトリの巣がありました。それも大きい立派な巣ばかりです(巣にもコウノトリの大工工事の上手さがみられます)。ペドラサは茶色い壁の背の低い家が並ぶカスティージャ地方(イベリア半島の中央部)にはどこにでもある村ですが、その街並み(村並み?)が昔のままで残っています。村の中心である大広場を囲む家々も昔のままです。
ペドラサの城
ぶらぶらしながら土産物屋をのぞいたりして、指定時間にレストランに入りました。いい匂いが漂っています。リオハの赤ワインとシンプルなサラダも頼んだら、待ち構えていたようにラムと子豚の丸焼きが運ばれてきました。茶色い土鍋のような器ごとかまどで焼いたので熱々です。この器ならしばらくの間は冷めません。下には下駄のようなものが敷いてありました。
コウノトリと巣
子豚はとろけるように柔らかい肉とパリパリの皮の相性が絶妙です。ラムは良い香りに誘われて口に入れるとジューシーで味のある肉にビックリです。まったく羊の臭みはありません。器に残った汁もパンに浸して食べてしまいました。赤ワインにぴったりの料理に大満足をしました。来たかいがありました。そして聖週間(セマナサンタ/Semana Santa)が始まりました。その間は肉を食べるのは慎むのがしきたりですが、聖週間のペドラサはツーリストでごった返します。丸焼きを食べないツーリストはいないでしょう。
コウノトリと大きい巣
手前がラム、後ろが子豚
下駄を敷いています