ギャラリーART ROOMのオーナー（ヤマダの隣り、中央）
作品「ピラミッド」
画廊内
画廊内
画廊内
絵の制作に追われてクリスマスや正月を祝う暇がなかったけれど、ヤマダトミオ展・イン・マドリードをオープンできました。搬入を終えた夜はドッと疲れが出て、珍しく０時前にベッドに入りました。絵かきの習性もあるけれどスペイ人も夜更かし民族なので、僕は寝るのがいつも１時か２時、けれども、このひと月は３時だった。
たかが１時間か２時間寝るのが遅くなっただけだが、悲しいことに歳のせいでそれが体に出る。目が疲れる程度ではなく、脳が目から入った情報を処理する時間が遅くなる。具体的に表現すると、細い線を描く絵筆を握って、さぁ、線を描こうと紙の上に置いても、太筆を握っているのか平面を塗る平筆を握っているのかの判断が一瞬迷う。これって、若い頃は全くなかった。徹夜で作業していても、自分の手が握っている筆の役目を脳が認知していた。
仕方がないので、目から指先から体の全てところから、細筆で線を描きますよ～、ってサインを送り込みながら仕事を始めていました。幸いなことにまだ線がぶれません。老体にムチを打って制作に集中したお陰で作品は仕上がり、個展のオープニング・パーティーができました。当日は沢山の人が来てくれたけれど、画廊を閉めたのが夜の11時近くになったので二次会なしで家に戻りました。疲れが耳の穴からも出てきそうな状態でした。
オープニングのスナップ
オープニングのスナップ
オープニングのスナップ
個展を開いているギャラリーアートルーム（Galeria Art Room）があるのはマドリードのウエルタス地区（Huertas）ですが、その地区内でもバリオ・デ・ラス・レトラス（Barrio de las letras）と呼ばれる「文学区」ブロックです。文豪の名にちなんだセルバンテス通り、ロペ・デ・ベガ通りがあり、プラド通りとアトーチャ通りに囲まれた三角形のブロックです。
ギャラリーArt Roomの入り口
名前はとてもいいのだけれども歩行者天国なので一般車が入れないし、入るとカメラで撮られて罰金が届く。僕と長い付き合いの額縁屋も同じブロックなので、いつも不自由をする。罰金を免れるには前もって画廊なり額縁屋にクルマのナンバーを知らせ、彼らが市役所の交通課にそれをインターネットで送らなければならない。面倒くさいので、僕は近くのパーキングにクルマを入れて、担いで運びます。
この先は一般車進入禁止！カメラにご注意！の表示板
先のブログにも写真を載せたように僕の行く飲み屋街とは同地区で、ブロックが違うだけなのですが、いっちゃ悪いが建物は古すぎる。写真を見てもらえば分かりますが、四階か五階建てアパートが並ぶ「老人地区」です。確かにプラド美術館（Museo del Prado）やレイナ・ソフィア・アートセンター（Centro de Arte Reina Sofia）は目と鼻の先にあり、「骨董が好き」と言う人や「マドリードの中心地ソル広場に歩いて五分が便利」という人にはいいけれど、僕は住もうとは思わない。
ギャラリーのオーナーも他の地区に住んでいる。さて1月16日にオープンした個展は2月4日まで続くので、毎日は行かないが何回かは足を運びます。隣りの飲み屋街へは頻繁に足を運んでいたことを思えば、毎日でもいいのだが「飲む」のと「仕事」は別です。スペインでは個展の会期はひと月が普通なので、毎日行く画家はいないでしょう。それに分業がはっきりしているのか、絵描きは作品をつくり、売るのは画商の仕事と割り切っています。まぁ、友達が行くよ、って連絡があれば画廊へ行きます。その後は昔のように飲み屋のはしごになるので、クルマが入られないのが良いのかもしれません。
画廊のあるサンタ・マリア通り
