マドリーの恋人

ヤマダトミオ。 画家。 在スペイン52年。

個展開催の再度延期

2022-02-07 13:00:00 | スペイン日記

個展延期のお知らせ

 先のブログでは好天気で正月を迎えたマドリードの話をしました。今思い出しても昨年2021年の一月のマドリードは散々でした。50年ぶりの大雪は我々マドリード市民を閉じ込めました。スーパーに買い物に行くには、まずは雪かきをしなければ歩道に出られませんでした。スーパーにたどり着いても棚は空っぽでした。飢え死にはしませんが日常生活に不便が生じると我々老人は(団塊世代です)はとても不安になりました。その大雪の教訓で僕はこの冬のクリスマス前に長靴を新調しました。ダンロップ社のごつい長靴にしました。それは靴底が厚くスリップ止めカットでした。スノータイヤみたいなものでしょうか、ついでにみぞれ用のカッパも揃えました。

 

 でも今年の一月は正月の好天気が毎日続きました。気温はマイナス5度止まりで雪は降りませんでした。太陽が輝くいつものマドリードの冬でした。災害は予期しないときに来る、と言いますが青空を見上げながらテラスでビールを味わっていると、世界はこのまま幸せな毎日が続くと楽観的になります。我々の残りの人生もそうであるように、とスペイン人の飲み友達と乾杯を繰り返しました。そのブログでは今秋の11月に東京での個展開催のお知らせもしました。しかし、「再度延期のお知らせをさせて頂きます」となりました。

 

 一歩先が分からないのが世の中ですが、そこにコロナウイルス禍が加わると舵取り不能です。オミクロン新種株のように新しいウイルスが生まれるのは伝染病世界では当たり前のようですが、それをどのようにコントロールをするのかが各国政府の能力です。日本の岸田政府がとったのがいつもの水際作戦でした。日本という島国にお住みの皆さんにもそれが一番良いはずです。

 

 ですが、ヨーロッパからの入国者/帰国者(日本人でもスペイン人でも)は強制隔離となりました。ヨーロッパは、EU内ですが、移動は自由です。コロナワクチンの完全接種済者(今は三回目接種済)やPCR検査陰性者はフライト先では隔離フリーです。IATA(世界航空会社連盟)の調査では2021年の全世界のフライトはコロナ前の2019年の54%減でした。ヨーロッパは67%減ですがアジア太平洋は93,2%!

 

 でも、この年末年始はヨーロッパ内のフライトは大幅に増えました。それは誰でもクリスマスは家族と過ごしたいからです。一月に入ってからはスペインの太陽を求めて北の老人夫婦が増えました。コロナパスポート(完全接種済のQR証明)のお陰です。

 

 この強制隔離でヨーロッパから日本へのツーリストは無くなり、フライトも無くなりました。マドリード東京の直行便の運行は夢の話で、ヨーロッパの田舎のスペインからどのように乗り継いで都会の東京へ帰るか?となりました。僕は作品を分解してスーツケースに入れて帰ります。スーツケースの数とサイズは増えるのでオーバーウエイト料金を払ってエアーチケットを買っていました。これができたのは直行便、あるいは乗り換えでも回数が少なくかつ乗り継ぎ時間に余裕があったからです。

 

 お陰でスーツケースの紛失は皆無でした。作品が東京に届かなかったら僕のような画家はただの豚です。一度豚になった経験をしているので、それからは作品を肌身離さず運ぶことにしました。正直、ヤマダが居なくても作品が届けばギャラリーは展覧会を開けます。このような「綱渡り的作品持参帰国者」に強制隔離はきついです。今年もコロナウイルスの新種株は現れるでしょうが、そのたびに国境封鎖や隔離を繰り返していたら国民も経済も社会も疲れ果ててしまいます。日本へ戻ったら泊りがけで温泉へ行くのを夢見てコロナウイルスを避けてこもっていました。またもう一年アトリエに籠っています。

 

個展延期のお知らせ

「年賀状2022」にて今秋11月にヤマダトミオ展の開催を

お伝えしましたが再度延期のお知らせをさせて頂きます。

2023年に皆様との再会を心から楽しみに新作の制作をマドリードで続けます。

これ以上の延期がないことを祈ります。

2023年11月13日(月)~11月25日(土)    

 

コメント (1)
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