あまりの暑さで誰もいない公園
まだ6月だというのにマドリードは日陰で39度の真夏の暑さになりました。南のセビージャは43度です。毎日ウォーキングをしている公園は日差しが強いので昼は誰も居ません。これから迎える7月8月が怖くなりました。気温だけではなく水も心配です。南のムルシア州は春に雨が降らなかったので土地の90%が干ばつです。こんなに暑い6月は初めてで、スペインは砂漠化が進んでいる話です。先月5月より急に気温が上がり始めましたが、太陽が高くなり日照時間が長くなったせいだと思っていました。4月が曇り日の毎日だったので太陽が顔を出したので喜んでいましたが、この暑さはどうやら異常気象のようです。
僕はビールの消費量がうなぎ上りに増えました。それでなくても乾燥しているマドリードでは常に水分の補給は欠かせません。暑くなったらビールが一番です。そのビールはこのウクライナ戦争で麦不足になり、値段があっという間に5割増しになりました。ウクライナ産のひまわり油は2倍に跳ね上がりました。ヨーロッパの他の国も物価が値上がりしていますが、スペインの値上がりは凄いです。今の物価上昇率は30年ぶりの勢いだそうです。エネルギー代―電気代やガス代―は5割増しから倍になりました。これからクーラーの消費量が増えるので心配です。
食料品は野菜も果物も肉も魚もすべてが値上がりしました。僕はジョギングの後に小さいスーパーによります。パン、数個のリンゴやトマトと卵、ワインなどと小さいショッピング・バックに収まる程度の量を週に数回買います。昨年までは一回2000円程度ですみましたが今は3000円です。5年、6年かけて徐々に上がるならわかりますが、半年間でいきなり5割増しです。この値上がり分が生産者の農家のおじさんおばさんのフトコロに入るなら、僕は2倍になっても払います。残念ながら中間業者、特に物流に流れます。ガソリン代が上がったのでトラック運転手は仕事をこなしても赤字だそうです。今スペインのガソリン代はレギュラー2,1ユーロですから日本円では270円です(1€=130円で)。ロシアからの石油が途絶えたのが高値の原因と言いますが、電気自動車を買わせる欧州連合議会の悪巧みじゃないでしょうか?
この6月19日にアンダルシア州議会の選挙があります。今はスペイン政府の与党も野党もその選挙運動に忙しく、国民の感心もそっちに向いています。それが一段落したら、国民は内閣にこの値上がりをどうにかしろ!と大規模なデモを始めるのではないでしょうか?やったら僕も参加します。贅沢は求めないけど、好きなビールとワインを今までどおりに飲ませて欲しいです。このままでは生活費の半分はエネルギー代で消え、四分の一は最低必要限の食料品で消えます。スペイン人一人当たり年間200ユーロ(2万6千円)の生活費アップだそうです。四人家族だと10万円の生活費の値上がりです。給料や年金がそれに合わせて上がるとは誰も信じていません。酷暑と生活苦の夏になりそうです。