この秋に採れたキノコ・カルディージョ
11月になりました。久しぶりにキノコ狩りに行きました。探すキノコ(スペイン語ではセタス・setas)はこのブログで何回も書きましたが「シメジに似たカルディージョ(cardillo)」です。キバナアザミの根から生まれるキノコでスペイン人は「セタス・デ・カルディージョ」と呼びます(以後はカルディージョです)。日本のシメジとは地球人と火星人ほど生い立ちが違いますが、日本の味に飢えている僕にはその姿と炊き込みご飯にした時の香りがシメジなのです。これらは学術的な根拠はなくあくまでもヤマダの思い込みで、菌類の臭いはシイタケもマツタケも似たような物かもしれません。ただこのカルディージョの菌の臭いは採った手に一日中残ります。
昔はこんなに採れました
おっと、話がそれました。2019年11月は東京・銀座のギャラリーQで個展だったのでキノコ狩りは無理でした。2020年秋はスペインもコロナウイルス禍で移動禁止の州ロックダウンでした。キノコ狩りどころの話ではありませんでした。それどころかキノコにもコロナウイルスが付いていると言われたら誰でもそれを信じてしまうような状況でした。僕も大人しく家でワインを飲んでいました。やっとコロナワクチン接種も済み、マスクフリーで公園でもウォーキングができるようになりました。バルでも屋内でワインを飲めるようになりました。
カルディージョがある野原
来年2022年の11月は東京で個展なので、この秋を逃すと再来年までキノコ・カルディージョ狩りはできません。3年ぶりにカルディージョを探しに行きました。塩梅良く10月末の数日間、マドリード州は雨が降りました。ひと月ぶりの雨は冬前の優しい秋雨でした。雨上がりのマドリード郊外の野原にキノコ狩りに行きました。11月はサマータイムが終わり冬時間になったので朝の9時はもう太陽が輝いています。カルディージョと呼ばれるキノコは山の中ではなく野原に生えています。その野原を午前中4時間ほど歩き回りましたが採れたキノコは昔の半分にもならない量でした。
アザミだらけの野原
これから生えてくるのか? 今年は少ないのか? は分かりませんが炒め料理と炊き込みご飯をつくるには十分でした。料理プロはキノコの傘の汚れは頭を叩いて落とし、フキンで丁寧に拭きます。僕が採ったキノコは野ウサギが走り回る野原にありました。キノコには泥だけではなくアザミの葉の小さいトゲもへばりついています。面倒くさがり屋の僕はぬるま湯で洗いました。すぐに新聞紙の上に並べて乾かしました。
野原のアザミとカルディージョ
一晩たつと水気が無くなったので、大きいカルディージョは炒めました。フライパンにオリーブオイルをひいてニンニクと玉ねぎのみじん切りと細かく刻んだ生ハムを炒めます。それにカルディージョを加えます。カルディージョから汁が出始めたら火を止めます。キノコのぬるっとした舌ざわりと味はシメジです。汁もパンを浸して食べます。赤ワインが合います。小さいキノコは炊き込みご飯にしました。
この色のキノコ・カルディージョが美味しい
話は変わりますが、このブログ「マドリーの恋人」を載せて頂いている「ロハス気分」の伊羅子慎二さんが亡くなられました。東京・銀座のギャラリーQの個展飾り付けでも、毎回お世話になりました。それと、僕が東京・新宿の紀伊国屋画廊で個展を開いていた頃です。その30年間近くの間、毎回個展案内状をデザイン下さいました仲條正義先生が亡くなられました。お二人とも大変にお世話になった方々です。心からご冥福をお祈り申し上げます。
炒めました。キノコ汁がたっぷりと出ました