マドリーの恋人

ヤマダトミオ。 画家。 在スペイン52年。

ナンバーワンになったら・・・

2018-08-24 11:30:00 | スペイン日記

マドリードで育てた枝豆

 昼間の40度から“30度ちょっと”まで気温が下がったマドリードです。ほっと、一息つきました。夜が20度以下になったので眠れます。明け方は“涼しい”と丸出しの腹にシーツをかけるほどです。8月の中旬過ぎはさわやかな毎日の始まりですが、ヴァカンスを終えた隣人たちも続々と帰って来ました。まわりがにぎやかになりました。彼らを迎えてイワシのバーベキュウをしました。僕は“マドリードの居残り組”なのでヴァカンス話しを聞いてあげるホスト役で夫婦二組を招きました。一組はアイスランドで過ごし、もう一組はマジョルカ島で過ごしました。40度を超えたマドリードに居たのは僕一人でした。クソ!


 さて、その時の話はあとでしますが、冒頭の写真は枝豆です。日本では当たり前の枝豆ですが、これはマドリードの枝豆です。日本へよく遊びに行くスペイン人の友達は夏の東京ではビールです。そのタパスの枝豆が気に入って、種を持ち帰って栽培をしました。彼は種を苗にするための“定温維持発芽カプセル”を持っています。まぁ、ヨーグルト・メーカーみたいなものですね。で、ヴァカンスから戻ったら写真のように葉は黄色く、パサパサの枝豆になってしまいました。ガッカリの彼を励ますために、枝から切り取った豆を一晩水に漬け、ゆでました。ちゃんとビールの友の枝豆になりました。


 その枝豆にハモン・デ・イベリコやチーズなどもつまみに加えて、バーベキュウディナーをしました。イワシはパエジャ鍋に塩を厚く敷いて焼きました。匂いもでず塩梅よく塩味がつきます。残り火でブラジルの“シュラスコ”を焼きました。骨付き牛肉です。それに“クスクスサラダ”も添えたので満腹になりました。ワインはガリシア産の白ワイン・アルバリーニョを6本も空けました。二組の夫婦+僕の5人だったので一人が一本以上あけた勘定です。

涼しくなった夜のマドリード

 マジョルカへ行った夫婦の話です。「透き通る海はいつ行ってもキレイ。だけど、あまりにもドイツ人だらけだった。自分の国にいた気がしなかった」。笑い話ではありませんが、この夏、スペインの地中海の大リゾート・ベニドゥム(Benidorm)でヴァカンスを過ごしたイギリス人夫婦の話です。夫婦は帰国後に「あまりにもスペイン人が多かった」と旅行会社にクレームをつけました。剣幕に負けた旅行会社は半額を返してことを収めました。だから、イギリス人は嫌われます。彼らが“スペインの地中海でのんびりと年金生活”を夢見るのはわかりますが、ロンドンへ旅行に行った日本人が「イギリス人が多い」とクレームをつけるでしょうか?


 我々はまだ常識をわきまえています。とは言え、“地中海の宝石”と言われるマジョルカ島やイビサ島はドイツ人に、温暖な地中海リゾートはイギリス人に乗っ取られた!とメディアが囃し立ててすでに10年以上はたちます。今、深刻な問題はマジョルカやイビサの“賃貸マンション不足”です。治安上に必要な警察官、病院に必要な医者や看護婦を本土(イベリア半島)から派遣しますが、彼ら彼女らの住む場所が確保できないのです。見つかっても天井知らずの家賃なので、給料では払えません。外国人観光客がここまで増えてしまうと島では市民の生活にも問題が出てきます。

ゆでた枝豆もつまみに

 イタリアのヴェネチア市民が自分たちの日常生活に支障が出てきたので観光客の締め出しを始めました。“ヴァカンス大国スペイン”もいずれはそうなるので、解決策は“量から質”への方向転換です。まだヴァカンスは終わってないので観光局のデータは出ていませんが、現場のホテルやレストランの報告では、ドイツ人やイギリス人観光客が僅かながら減ったようです。その穴埋めに北欧人が増えましたが、2017年の観光客数を下回るようです。


 昨年はテロ事件や政情不安定で、地中海のチュニジア、トルコ、エジプトを予定していた観光客がスペインへ流れ込みました。ホテルはパンク寸前でした。しかし観光客数のコントロールを始めても、EU国民はフリーパス、スペイン語圏の中南米人もほぼフリーパスなので、しわ寄せはアジア人観光客にくるのではないでしょうか? “トマト祭り”で真っ赤に染まるのは無理になるかもしれませんよ、我々日本人には。観光客ではありませんが、毎日何百人ものアフリカ人がスペインに不正入国します。もう、難民ではありません。出産や治療目当てで来るんじゃないのか?と疑ってしまうほど、旅行会社“マフィア”が送り込んできます。

イワシをパエジャ鍋で焼きました

 アイスランドでヴァカンスを過ごした夫婦の「白夜で眠れなかったうえ、寒かった」にスペインに居た僕らは「当たり前だよ、目の前は北極だよ」と嫉妬交じりの非難を浴びせました。でも景観は写真以上に素晴らしく、その自然に乗っ取った生活を全うしているアイスランド人とその政府の方針に感心をしていました。ひとつ観光を取り上げただけでもその国がポリシーをもっているのは勉強になります。


 ヴァカンスの話で盛り上がったあと、デザートのメロンを食べながら、会話は自然に世界にはいろんな国と政府があるよね~、となりました。ギリシャの借金地獄、ヴェネズエラの無能・マドゥロ大統領、北朝鮮のロケットマン、アメリカのトランプ大統領もひどいよな、でした。ワインでほろ酔い気分の我々の結論は、アメリカは全てにおいてナンバーワン。そのような国が与える世界的影響は計り知れないので、アメリカ大統領は世界中の人の選挙で決めるべし、となりました。ウァハハハァ~。世界ナンバーワンになった国の大統領(首相)はその国の人が立候補するが、投票は世界中の国民がする! こうなると、ロシアや中国はナンバーワンになるのをやめるでしょう。うひぃいい~。酔いました。

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