まきた@VetEpi

酪農学園大学をベースに、発展途上国と日本の獣医疫学に取り組む獣医師のブログです。

ラインとグループ

2005-09-01 03:39:15 | 学業
8月31日(水)。

ウガンダ直前ということで、最終的な採材方法(サンプリング方法)を決めるため、指導教官のマーク(8月24日:プロの仕事。のマークとは別人)とミーティングをしました。

概ね考えた方法で納得してもらいましたが、細かい村名の情報が、大学が持っている政府の刊行物には記載されていないため、結局現地の統計事務所で情報収集をしてからでないと最終的な予定が出来上がらないので、ウガンダでメールでやりとりして決定することになりました。

それは良かったのだけれど、指導教官全員の断りもなく、エリックと先週、他の疫学者に相談した、というのがマークの逆鱗に触れてしまい、叱られてしまいました。日本でよく言われる、組織の「ラインとグループ」の原則を乱してしまったのです。

「お前はPhDの学生なんだから、自分で調べもせずにすぐ人に聞いてはダメだ!」
というのが彼の主張。本を2冊よく読んだ上で、いまいち答えが出なかったというのが僕の本音。実は、その本には必要な記載がなかったのです。
自分でも本を読んだということを伝え、謝ったらすぐ怒りは収まりました。

ま、事件があると、その時文化の本質が見えるものです。イギリスは、日本より流動的で融通がきくけれども、意外と守らねばならないルールもしっかりしている、というところかな。

しかし、疫学も奥が深い。分厚い本一、二冊読めば全部分かる、というものでは全くないですね。博士課程が終わったくらいでは、全てを網羅した人材になることは難しいかも知れません。