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9月1日 妄想モンスター,映画『セックス・アンド・ザ・シティ』

2008-09-19 05:43:02 | 抱茎亭日乗メモ
 モンスターBの友人で、Aと死の前日に会ったと言う男性から電話がかかって来る。
Bが、私がAの死をネタに週刊誌に売り込みをしてると騒いでいるらしい。

なんじゃそりゃ。呆れ返って絶句。全くどこまでも歪んだ醜い心の持ち主だ。

B友人さんは「それは止めてね」と言う。
私がそういう事をする人間だとこの人も思っているのだ。
それは別に良い。私だってこの人が実はどういう人なのか、よく知らない。
Aのことを心配してくれていたのは知っているが、所詮Bのお客さんで友人である。

Bの妄想話を真に受けてなのか、Bに命令されたのか「私とAが男女の関係にあったとか、Aはヤクザと付き合いがあったとか、真理さんが書こうとしてる、とBが言ってたけど、嘘を書かないで下さい」等と言う。

バカバカしいので「記事をお楽しみに、と伝えて下さい」と言ってやる。
「いやいや、そんな事言ったら大変な事になる」
「でも、私を訴えるとか警察に行くとか騒いでいたのはBですよ。むしろBが売り込んでんじゃないですか? 私はそんな事しませんから」
と言って、Aの事など雑談をして電話を切る。

またかかってくる。
「Bが何回も電話をかけてきて、ずーっと真理さんの悪口をすごい勢いで言うんですよ。『あの女が週刊新潮にあなたとAの事を滅茶苦茶に書くのよ!』って……」
この方も夜勤明けにBにぎゃあぎゃあ言われて相当参っているらしく、気の毒になってくる。
「ああ、想像できます。Aにもそうやって私の事を言っていたんでしょう。そんなのを365日朝から深夜まで聞かされて! 死にたくもなりますよ!」
涙が出る。

「変な事言って嫌な思いさせてごめんなさい」とB友人さんは謝った。
「いいえ、知らないでいるより良かったです」

「AとBは割れ鍋と綴じ蓋ですね」とこの人は言った。
「BはAのために積立貯金もしてくれていたのに。AはBに恩を仇で返した」とも。

やはりこの人は絶対Bを悪くは言わない。私とは全く考え方が違う。
「積立貯金なんかより、その分給料をくれって話ですよ。積立貯金はAが自分ですればいい事です。Bは、迷惑ならAが離れて生きて行けるようにすればよかったのに、Aを罵倒しながらBに縛り付けていた。自立できないようにして利用した。AもBに頼り切って自立しようとしなかったけど、できないとBに思い込まされていた」
AはBの恩返しの強要から逃げたのだと、私は思う。

Aの遺書めいたものが最近見つかったという。
最後のメールで私に住所を知らせてきたのは、やはり私に発見して欲しかったのだろうか。

Bは、Aが死んだのは自分のせいじゃないと思いたいから私を責めたい。
私はBを相手にしない。
だからBはこの男性を、怒りや悲しみや不安をぶつける相手として、私に伝える役として利用してるのだろうか。
「これはBの友人的立場で解釈をすれば、ってことで、私は今後もBと一切関わるつもりはありません。今後もぎゃあぎゃあ言ってくると思いますよ。電話がかかってきても出なければいいんじゃないですか? 本当にお疲れ様です」
と言って電話を切る。

 仕事中だが、すっかりやる気を失い、映画を見て帰る。

『セックス・アンド・ザ・シティ』を見た。なかなか愉快だった。
女体盛りのサマンサが履いているサンダルが、私とお揃いで笑った。

お洒落でゴージャスな場面ではなく、女体盛りのシーンで登場するのがまた良い。



劇場はカップルもいたが女同士が多かった。

Aとの話題は、いつもファッションと恋話だった。政治経済社会を語るなど一切無し。
私たちだって、キャリーたちのように「いろいろ大変なこともあるけど、恋してお洒落して美味しいもの食べて、楽しくやろう!」と思っていたのに、と切なくなる。

「結婚結婚」と言い続けたA。一度も結婚せず逝ってしまうなんて!
こんな事になるなら、誰でもなんでもいいから結婚しちゃえば良かったのに。

私は自分が結婚するつもりが無いから人の披露宴も行かない主義なのだが、Aの結婚披露宴は見てみたい、と思っていた。
本当に残念だよ、A!

 恋人と電話。
Aのくれた住所を訪ねてみたい、と言ったら「Bと全面対決するつもりが無いなら行かない方がいい」と言われる。
いや、そんなつもりは全く無し!
でもAの最後のメッセージだ。行くべきじゃないだろうか。
コメント
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