11月4日 『STUDIO STEPS』，『MILLIBER』，『blen blen blen』

　本日は浅草にてお友達のバンド『ナインアンダー』のライヴがあり、楽しみにしていた。
新しいギタリストのデビューライヴでもあり、5月に『直言』パーティーと重なって見られなかった『Me-Ism』とタイバンというのもあり、絶対行こうと思っていた。

　楽しい企画は重なるもので、今回は津軽三味線の金澤栄さんが「是非見にいらっしゃい」と言ってくれたコンサートが本日夜と判明、かなり悩んだ。

『ナインアンダー』のライヴは11月23日にもあるので、ベースの松本美弥子さんにお詫びを言って、金澤さんのコンサートに行くことにする。
興味があるというので、ジェイソン君を誘う。

　金澤さんの話では、民家でやるホームコンサートで、人数も限られるとのことだった。
私は古い日本家屋を想像していた。

　田園都市線鷺宮駅からバスで15分ほど。郊外の住宅地に『STUDIO STEPS』はあった。
アトリエのような雰囲気だが、幅の広い、椅子ぐらいの高さの階段のある部屋で「ステージのない客席」のようでもある。
近所から来ていたお客さんによると有名な建築家による住宅らしい。
（こちらに写真があります。）

　ジェイソン君が「招待ありがとうございます」と言うので、いや、招待じゃなくて「チケット代は5,000円です」と言ったら、何故か私の分も払ってくれた。
どうもありがとうございます。

粽や稲荷ずし、揚げ物、お菓子などつまみと飲み物を頂く。
その間にもどんどん人が来て、階段にギュウギュウに座る。
70人ぐらい入っていただろうか。

金澤栄さんのライヴは、今はなき居酒屋『地酒屋』で初めて聞いて、ホールで2回、ライヴハウスで1回、今年夏に『おまた』の開店10周年パーティーの船上で見た。

今回も素晴らしかった。
声変わりする前、子供の頃に民謡を歌った、ラジオ番組のテープを聞かせた後に、今の声で歌ってみせるなど、ホームコンサートならではの演出も面白かった。

ゲストはサックス奏者の近藤淳さんで、またがらりと違う雰囲気で楽しめた。

　コンサートが始まったとき、私の前にいたおばさんがケータイを開いていた。
電源を切っているのかと思った。
照明が落ち、演奏が始まってから、金澤さんの写真を撮るおばさん。
隣のおばさんたちも「あら、いいの」と言ってバッグを開いたので「ケータイはいけないんじゃないですか」と肩を叩いた。
「写真はいいんでしょう」「ねえ」とグジャグジャ言い出したので「シッ」と言う。

　金澤さんが近藤さんを呼んだときに、またケータイを取り出すおばさん。
「ケータイはダメなんですよ」と私。
「写真はダメって言ってないわ」
「電源を切れって言ってたでしょう。電源を切れっていうんだから、写真もダメなんです」
また隣のおばさんを味方につけようと話し始めた。
金澤さんが近藤さんを紹介してるっていうのに！
「眩しいんです！」と言ったら黙った。ヴィ。

コンサートが終わって皆が退場している時に、私より後ろに座っていたおばさんが
「ケータイ迷惑だったわね」と話しかけてきた。
「そうですよねえ」
「なんか、抵抗してたわね」
「ねえ、迷惑ですよね」
しかし、当のご本人はもういない。まったくもう！

　金澤さんの演奏にはジェイソン君も感激。喜んでもらえて私も嬉しかった。
金澤さんは数日前に肋骨を骨折したと、コンサートの最後に告白。
とてもそんな風には思えなかった。声も力強かった。

　渋谷『MILLIBAR』。
コンサートの飲み物は発泡酒だったので、エビスの生をジェイソン君と飲む。
音楽の話、仕事の話、他いろいろ。

ジェイソン君の日本語の上達ぶりには驚かされる。さすが外交官。
初めはメールもほとんど英語、日本語もローマ字だったのが、今は漢字交じりのメールが来るようになった。
すごいね。しかし私の英語は酷いね。

帰ろうと思ったらジェイソン君がお会計を済ませていて、「いくら？」と聞いたら「忘れました」。
あらら。今日はすっかりご馳走様でした！

　ジェイソン君は帰って、一人で『blen blen blen』。
前回私は記憶を失っているので、今日は1杯だけ。
盛況。豪君は忙しそうだったけど、前回の様子を少し聞く。
「私トイレに篭ってたんでしょう？」
「ああ、そうそう、そうでしたね」
「大丈夫じゃないじゃん！」
「そんなの全然大丈夫っすよ」
「朝起きてストッキング脱いだらトイレットペーパーがパラパラ落ちて、ビックリしたよ。トイレ汚したりしてない？」
と聞いたところで、お客さんの注文に走る豪君。また不安になる。

しかし、よっぱど大変なことでなければ「困りました」とは言われないだろうから、まあいいや。

　部屋に帰って、コンビニで買った酒をまた飲む。