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ワビスケが咲いた!

2008-01-10 11:07:33 | Greenベランダジャングル記
ベランダのワビスケ(侘助)が今朝開花した。ワビスケ特有の奥ゆかしいひと重半開きの佇まい。
今週、仕事が始まったとたん 打ち合わせ&取材ラッシュで、
蕾が膨らんでいたのに全然気付かなかった。

ここへ越してきた年に植えたときは、掌に載るほど小ぶりの鉢から伸びたか細い一枝だった。
最初の数年は、窓辺で育てていた。初めて花が咲いたのは、たしか3年目のこと。
ほんの2、3輪だったけれど、日の短い冬の窓辺を彩る小さな紅に胸が躍った。

大輪のカメリアなどと違って、茶花らしい楚々とした風情がとても愛しい。
千宗易の下僕 侘助にちなむなど、語源には諸説あるらしいが、言い得て妙なネーミング。
寺山修二の『さらば箱舟』の主人公の名もたしか侘助じゃなかったけ?

冬の紅といえば、もうひとつ。年末年始にかけ、窓辺で次々に開花しているシャコバサボテン。

蝋燭がぽっと灯るように蕾が色づき 膨らみ、やがて炎がぼっと燃え盛るように開く花弁。
サボテンとはいえ、ブラジル高地原産の森林性なので 水分補給のさじ加減が育て方の秘訣。

シャコバサボテンは、クリスマスカクタスの名で晩秋頃に出回ることが多く、
私が手に入れたのも、やはり底冷えのする11月だった。もう6年も前、父が亡くなる前日のこと。
駒場で取材した帰り路、小さな花屋の軒先で赤々と咲き誇っていたこの花が不意にほしくなったのだ。
父の葬儀を終えた後も、蝋燭のような花は毎日咲き続けた。不思議なことに49日の頃、
いったん終わったはずの花が再び開花し始めた。年に2度も咲いたのは、後にも先にもそのときだけ。

☆☆☆
それにしても、朝顔といい、冬珊瑚といい、オリーブといい、
季節の移ろいとともにさまざまな表情を見せてくれるベランダの植物群には
いつも驚かされ 励まされる。(詳細はベランダジャングル記をご参照)
今年は成長著しいミモザが 3年目にして開花するのではないかと期待しているところ。

えてして、こぎれいなお花屋さんなどで購入した鉢は、温室で手塩にかけて育てられ、
一番盛りの時に店頭に並べられるので、買ってきたあと うっかりすると、
温度や湿度など環境のギャップに耐えられず、あっさり枯れてしまうこともある。が、
環境に徐々に慣らしていくことで、温室育ちの子もベランダジャングルで
ワイルドにサバイバルできる野生児へと進化していく、というのが自論(笑)。

チェコの作家カレル・チャペックは 『園芸家12カ月』で
「素人園芸家になるためには、ある程度、人間が成熟していないとだめだ。」とのたまっている。
園芸家12カ月 (中公文庫)
カレル チャペック,Karel Capek,小松 太郎
中央公論社

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(↑兄ヨゼフ・チャペックの挿画がまたよい)
私も “ベランダジャングルラー”としては、まだまだ未熟者だなあ、、と
日々、植物たちに教えられている。
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