空飛ぶ自由人・2

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映画『コヴェナント』

2024年03月01日 23時00分00秒 | 映画関係

[映画紹介]

2018年、アフガニスタン
米軍曹長ジョン・キンリーは、
タリバンの武器や爆弾の隠し場所を探す部隊を率いていた。
雇った通訳は、アーメッドというアフガニスタン人。


通訳たちは、アメリカ入国のビザを目当てに米軍に協力していた。
隠し場所の情報を得たキンリーの部隊は、
行く手に待ち伏せるタリバンからの攻撃を
アーメッドの機転で回避し、
続いて、キンリーの部隊は
タリバンの爆発物製造工場を突き止めるが、
大量の兵を送り込まれ全滅してしまう。
キンリーも瀕死の重傷を負ったが、
アーメッドに助けられる。
アーメッドは、タリバンの追撃をかわしながら、
100キロの山道を手押し車を押して、
キンリーを米軍基地に届け、生還させる。

無事帰国して家族のもとに帰ったキンリーは、
アーメッドとその家族が
米軍に保護されず、
タリバンに追われて
逃走していることを知って愕然とする。
ビザ発給の約束が守られていなかったのだ。
アメリカ兵を助けた「裏切り者」として、
タリバンに狙われてるアーメッドの環境は、
苛酷をきわめているはず。
キンリーは、ビザの発給を激しく求め、
軍にアーメッドの救出を要請するが
らちが明かず、
ついに、自分でアフガニスタンに乗り込んで、
アーメッドの救出に向かう・・・

戦場でのアメリカ人と現地人との友情というと、
「キリング・フィール」(1984)を想起するが、
それよりはるかに戦闘シーンが多い。
軍人が主人公なのだから、当たり前だ。
アフガニスタンの荒漠地帯を再現した野外シーンは
臨場感に満ち、緊迫感があり、目を離せない、
ダイナミックな映像が続く。
音楽もなかなかいい。

タリバンの追跡を逃れて、
キンリーを軍に届けるまでの描写が
スリリングで、白眉の出来。


ここでのアーメッドの苦労が
十分に描かれているので、
その後、その恩に報いようとするキンリーの心情がよく理解できる。
恩義を返さないのは、人間じゃない。
アーメッドの捜索が意外とあっさり果たされてしまうのだが、
もう少し困難があってもよかったのではないか。
しかし、全体的に戦場での人間ドラマとして、
よくまとまっていた。

主人公キンリーをジェイク・ギレンホール


通訳アーメッドをダール・サリムが演ずる。


ギレンホールもいいが、
ダール・サリムが奥行きのある渋い演技を見せる。
オスカーにノミネートされなかったのが不思議だ。
監督はガイ・リッチー
戦争映画は新たな挑戦で、新境地を開き、
見ごたえのある作品を生み出した。

題名のCovenantは、
誓約、契約、約束等の意味。
拡大して友情の意味も。

米軍撤退後のアフガニスタンでは、
従軍通訳とその家族数百人が
タリバンに命を奪われたという。
現実は苛酷だ。

5段階評価の「4」

拡大上映中。

 



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