A5版244ページの千葉県詩人クラブ創立50周年記念号に本年も参加させていただいたけれども、自身は2000年からなので今回で16回目ということになりますか。表紙にこのような人物の画像が使われるのは、初めてのことですね。 詩誌「黒豹」を長年主宰されてきた館山市の諫川正臣氏には、発行毎にいつも黒豹誌をお送りいただき、その都度お礼の葉書を出してきていたものだけれども、この10月6日に亡くなられたということを先日知ったばかりです。非常に残念に思いました。というよりも、ショックでした。1930年のお生まれなので今年で85歳。愛媛県のご出身で、詩集に「春の仏」「新しい繃帯」、等々。日本詩人クラブ、日本ペンクラブ所属。千葉県詩人クラブの会長をされていたこともありましたね。
今年の県詩集も例年通り締切が8月末でしたから、生前のことで氏も原稿を出されています。その作品、「かたばみ」を転載させていただくことにします。
かたばみ
諫川 正臣
冬至を過ぎても
寒さはこれから
富士が大きく見えてくるころ
かたばみの花の咲いている
陽だまりの草地には
まだ ちらほらと飛びかっている
ヤマトシジミチョウ
今年さいごの生きのこりだろうか
羽根もうすれて弱々しい
雌雄めぐりあって産卵し
幼虫になって春にそなえる
かたばみは根強く
どこにでも生えてくる
そのかたばみに寄りそうように
いつも目にするヤマトシジミチョウ
2014年版