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月のmailbox

詩或いは雑記等/小林貞秋発信。

詩-Space モーニング トレイン

2008-02-12 23:13:38 | 

      モーニング トレイン


  室内。カーテンに閉ざされたそのすぐ向こう側には窓。つめたく
  固い身に陽射しをじかに受けている。カーテンに軽く手を触れ
  窓の向こうに見える風景模様を思う。奇跡が起きるならそこは
  砂漠であるかもしれない。そして彼方にオアシスが見えるので
  ある。

  たのしいことが待ち受けている顔はあたりに見えない。満員の
  車内立ちつづけのまま見えない風景を思い描いている。
  線路向こうのプラットフォーム上の揺らめき動く針と砂粒。


                               1994  
      

詩-Space 藍(4)

2008-02-06 22:40:51 | 





               4


密かに密かに申し上げたいことがここにここにひとつまだありましてそれはあちらには出掛けられずに終わるだろうということなのでありますなんということはないどうということはない誰しもが渡れる橋を通るだけのようなものではあるのですがどういうわけでか同じ空を別の角度から眺め眺めつづけるうちに歩く方向がずれにずれずれにずれてアワワワワもうあそこの橋を渡ろうにも渡れない位置を辿りつづけていてまるで一に一をプラスする答に窮してしまい白旗を掲げてなびかせることも定めと心得るようになるものらしいのです    



                        from Six Poems No.8 2004