Addicted To Who Or What?

引っ越しました~
by lotusruby

ちょっと B 系

2007-11-08 22:55:34 | K-Movie Notes


最近見たもので B 級系だと思った映画 3 本。あくまでも個人的所感です。
でも、 本当の B 級の定義って、よくわかっていません。「安っぽさ」とか「薄っぺらさ」が鼻についたものと、大雑把にくくってみただけす。

ただ、3 本に共通していることは、演者が B 級に貢献しているわけではないということです。それどころか、イイ役者さん揃いで、なんとも惜しいというか・・・


『顔のない女 <얼굴 없는 미녀>』 (2004年)
監督:キム・インシク
出演:キム・テウ、キム・ヘス

                   

サスペンスなんだか、サイコスリラーなんだか・・・結局ホラーだったのか・・・

人格障害で自殺未遂をはかったジス(キム・ヘス)が、催眠療法を得意とする精神科医ソグォン(キム・テウ)の前に患者として現れる。ソグォンは、妻を亡くした喪失感から精神が不安定になり、魅力的なジスを催眠療法の中で抱いてしまう。しかし、催眠療法で彼女の体を得られても心は得られず、ソグォンの精神状態はだんだんと壊れていく。

精神を病んだ精神科医の役という難しい設定で、キム・テウらしい熱演が光りました。でも、キム・テウが精神的錯綜の世界を彷徨い、あれほど苦しんでいるのに、最後のあのホラーな「顔のない女」にはドン引きでした。あんなに露骨な「顔のない女」が出てくると、それまで繰り広げられていた観念的、幻想的な世界が台無しになってしまうような気がします。まったくもって製作者の意図がよくわかりませんでした。あそこまでは、追い詰められていく緊迫感とか、冷んやりした感じや、ゾクゾクする感じが伝わってきてよかったのに・・・。



『礼儀なき者たち <예의없는 것들>』 (2006年)
監督:パク・チョルヒ
出演:シン・ハギュン、キム・ミンジュン、ユン・ジヘ

                  

某所ですでにプチ暴言を吐いておりますが・・・

舌が短いために話すことがままならない「キラー」(シン・ハギュン)。ナイフの使い手である彼はマタドールになることが夢。ただ人を殺すのではやりきれず、礼儀なき者だけを殺すというルールを作る。そんなある日、バーで何も話せない彼が好きという「彼女」(ユン・ジヘ)に口説かれる。「キラー」は「バレエキラー」(キム・ミンジュン)とともに依頼された殺人で別人を処理してしまい、ヤクザから追われることに・・・

この作品、100万人近くの観客を動員しているのですね。私の理解力不足かもしれませんが、ツッコミどころというより、何だか不可解なところが多くて、笑うところも素直に笑えずじまいでした。途中で、もしかしてこれはコメディなの?とも思ったけれど、とにかくチグハグな感が否めず、最後には1本につながるのだろうかと危ぶんでいたら、的中・・・

あのオチは一体   ハギュの涙のサランへ熱演にもかかわらず、笑ってしまいました(そこは笑うところじゃないのに)。記憶を巻き戻して、「短い舌」と「礼儀なき者」と「純愛」と「マタドール」の整理をつけようとしてみましたが、ナイフの先からこぼれる血の色だけが目に焼きついていました。

いろいろなストーリーをつぎはぎしてみたけれど、つぎはぎ部分の綻びが多すぎちゃったという印象です。冒頭でも述べましたが、この作品が B 級だとしても、決してハギュのせいでないことは確かです。ある意味、印象深い(?)作品になっていたりして(笑)。

 

『韓半島 <한반도>』 (2006年)
監督:カン・ウソク
出演:チョ・ジェヒョン、チャ・インピョ、アン・ソンギ、カン・シニル、ムン・ソングン

ブロックバスター作品なのに B 級と言ったら、KWS のお叱りを受けそうですが・・・。見ていないと何も言えませんが、見てしまったからには、今後 KWS には思い切り悪態がつけるような気がします(笑)。

                 

シルミドかと思わせる音楽、シルミドな人もそうでない人も顔を出し、ハリウッド風の戦のお膳立て、お決まりのコミカルな人々、お宝探し、政治抗争、抗日感情・・・何でも取り揃えて見せてくれます。(*あらすじ省略)

「アホちゃう」(実は関西育ちというのがバレる) と思わずつぶやいてしまうような始まり方なので、最後まで荒唐無稽さを貫いた娯楽映画だと言い切ってくれるなら、OK ではないでしょうか。ところがそんな潔さは持ち合わせていなかったようです。

民族主義を弄んでいるのではと問われると「商業映画の顔」を強調し、商業娯楽映画 (フィクション) に徹したのかと問われると「史実と思われる部分を取り入れ」、まるで国民の総意を反映したかのように「個人的な感情(抗日)もこめた」とは・・・この一貫性のなさに呆れてしまいました。多方面に
「甘え」を見せた製作姿勢に対する B ですかね (エラソーですが・・・)。映画人のお遊びにしては、少々遊びが過ぎた作品と思われても仕方ないかもしれません。

あれこれとツッコミどころもありますが、いちいちムキになるのも大人気ないのでやめておきます。KWS お気に入り組のソル様とジェヨンが出演していなかったことが、私にとっては救い・・・かな