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引っ越しました~
by lotusruby

「ブレス」 (韓国版DVD)

2008-11-27 23:56:20 | K-Movie Notes


「ブレス」

原題: 숨 (2007 年 4 月)
監督: キム・ギドク
出演: チャン・チェン、パク・チア、ハ・ジョンウ、カン・イニョン



キム・ギドク監督作品は嫌いじゃない。でも、なんというか、体調のいい時に見たいと思う。ギドク作品でまだ見ていない作品は、「受取人不明」 と 「鰐」。HDD に録画したままだけど、体調を整えてからね(笑)。

さて 「ブレス」。昨年のプサン国際映画祭で、自分の目の前でチケットが売り切れ見逃して以来、日本公開時も見逃した。今年 6 月にヘイリ芸術村に行き、俄然見たくなったのに、やっぱり DVD 放置。ここへ来てようやく開封できたのは、単なるチャン・チェン狙い。

ヘイリ芸術村にご自宅があるという監督。自宅の近所なんて、お手軽な撮影地だけど、劇中でハ・ジョンウとパク・チニが演じる夫婦の家として使われた Ponetive Space (写真参照↓)を初め、ここもあそこも見た、行ったという場面にいちいち頷きながらの鑑賞も悪くない。


          

                   

          


そして、チャン・チェン。こんなに美しい囚人がいていいのかというぐらい、その容貌もさることながら、一言も発することを許されないというストイックな演技がこの作品の美しさの要かもしれない(すみません、単なるにわかファンなもので・・・)。セリフの少ないギドク作品ならではの怪演でもある。

別にここで語らずとも、あちこちですでに語られていることだけど、四季、刑務所、彫刻など、これまでのギドク作品で描かれたエレメントをいいとこ取りしたような作品。

面会にやってくる見知らぬ女の 「春夏秋冬」 ショー。最初は女の変人ぶりに唖然とするけれど、次は何が出てくるかと楽しみになるのは、この囚人と同じ気持ちなのかも。その面会の模様をモニターでチェックしているのは監督自身らしいが、この覗き見の趣味も 「悪い男」 みたいだわ(笑)。

そして、最後はそこまでいっちゃうのか・・・と。
そこまで行ったら、この囚人はまた独りぼっちになってしまうのに・・・
じゃ、次はワタシが面会に行こうかと・・・(笑)


死刑囚チャン・ジン(チャン・チェン)に擦り寄る同房の囚人は、ドラマ 「王と私」 に出演していたムン内官こと、カン・イニョンだった。あの中性的な魅力をこんなところでも披露していたのね(笑)。

ここに出てくるハ・ジョンウは、珍しくミスキャスティングじゃないかと思うほど浮いて見えたのは、この人がごく普通の人間の役だからかな。


見終わって、なぜタイトルが 「息」 なのかと、肝心なところがよく分かっていないことに気づきあわてて検索・・・

監督いわく、“憎しみが吸い込む息ならば、赦しは吐き出す息” なんだとか。 



 Cine 21 の長~~い 映画評 ( link to


 Cine 21 チャン・チェン(以下、CC)のインタビュー記事より抜粋 ( link to

Q: 今年は韓国映画でカンヌを訪ね、以前と少し気分が違うのか。

CC: ベニス映画祭で <空き家> を見て深い印象を受けた。 キム・ギドク監督が同じホテルで昼食を食べておられたので、知り合いを通じて挨拶をしたいと頼んだ。 その時は、こういう形でまたお会いするとは思っていなかった。


Q: キム・ギドク監督のどんな作品を一番好むか。

CC: <空き家> と <悪い男>


Q: ご存知のとおり、とても力強い映画だ。キャスティングされる瞬間、恐れや抵抗感はなかったか。

CC: 何の抵抗感もなかった。 韓国語もできないのに、いったいどんなキャラクターを演技するように作られるのかととても楽しみにしていた。 そしてシナリオを受けとったら、本当に挑戦してみたいキャラクターだった。


Q: キム・ギドク監督の撮影は途方もなく速い。 テンポに合わせるのに難しいことはなかったか。

CC: 率直に言うと、とても荷が重かった(笑)。撮影が速いとは聞いていたが、これほどまで速いとは想像もできなかったから。 率直に話をして、ストレスをちょっと受けたのも事実だ(笑)。だがキム・ギドク監督の立派な点は、俳優が自ら実力を発揮できる空間を十分に配慮することができるということだ。


Q: 韓国俳優との演技はどうだったか。 準備期間も短くて、言語も通じなくて呼吸合わせるのが難しかっただろう。

CC: 撮影前にあらかじめ対面を済ませていたので拒否感もなかったし、皆さん、とても良い演技者ばかりで大きな困難はなかった。 ただ、パク・チアさんと演技する時はセリフにすぐ反応しなければならないのに、いつどのような表情にするべきか把握するのが少し難しかった。

 



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