『ザ・ゲーム』
原題: 더 게임 (2008年1月)
監督: ユン・イノ
出演: シン・ハギュン、ビョン・ヒボン、イ・ヘヨン、ソン・ヒョンジュ
最初から原作が漫画 (新田たつおのコミック「チェン爺」) だとわかっているので、荒唐無稽なストーリーだろうとは思っていたけれど、実写にして、この作品が証明したことは、演じた俳優さんたちは凄いということかな。
貧乏な路上の絵描きミン・ヒド (シン・ハギュン) とリッチな爺さんカン・ノシク(ビョン・ヒボン)が単純な賭けをする。賭けに勝った者が相手から自分の望むものを手に入れるという話。賭けに勝てばノシクから大金を得ることができたはずのヒドは、賭けに負けてしまい、ノシクが望む若い肉体を差し出す羽目になる。つまり、Body Exchange (肉体交換)。「そんなことはありえないでしょ?」 とか 「拒否反応とか無いわけ?」 とか突っ込みを入れても意味がなく、何しろ原作は漫画なので・・・。
妙なところだけはリアル描写にこだわり、肝心なところはリアリティとは隔離していながら、平然とこの両者が共存しているのが、この作品の独創的なところなのかも知れない。この 2 人の肉体交換の手術シーンは妙にリアルに描写されながら、理論的にはまったくリアリティがないんだけどねぇ (苦笑)。
最近の医療ドラマでも、うんざりするほど (個人的に苦手意識があるので) 開腹、開胸場面が出てくるけれど、ここでは、別の意味でとても斬新な、見たこともない手術だったりする(笑)。ともあれ、そこで躓くと先に進めないので・・・と言いながら、すでにやや凹みモード。
そんな凹みの私を引っぱってくれたのは、出演陣だったと思う。これだけの役者が揃って初めて成立したというか、ある意味、役者の演技力に頼りきった作品でしょう。
肉体交換がもたらす 2 人の人間の変化が見所。
平凡な青年ヒド役だったハギュは、ヒドの肉体を被った爺さんノシク役のハギュになり、
リッチな爺さんノシク役だったビョン・ヒボンは、爺さんの肉体を被ったヒド役のビョン・ヒボンになり、さらに複雑な展開が・・・
ヒド、ノシク、シン・ハギュン、ビョン・ヒボンがぐるぐる入れ替わっているような錯覚に陥ったり、1 作品の中で、同じ顔で何役もこなしているハギュとビョン・ヒボンは、なかなか見ごたえがあった。
助演陣もこれまたスパイスの効いたキャラがずらり。
ノシクの妻役イ・ヘヨンはキレがいいし、ヒドのおじさん役ソン・ヒョンジュのあの場面はちょっと背中がゾクゾクするような演技。ヒドの恋人役イ・ウンソンはカワイイし、ノシクの友人役チャン・ハンソンは、最近よくお見かけするような・・・と思ったらヨン様ドラマ。
そして、エンディングには 「ええっ、そこにたどり着くのね。だからそう言ったじゃない」 という感じで、なんとか落ち着くところへ落ち着いた感じ(笑)。
ハギュのスーツ姿がヤケにカッコいい のだけど、身につけているベルトのバックル 「H」 がとても気になってしょうがなかった。エルメスのベルトなのかしらん。「Huido(ヒド)」 の 「H」 なのでしょうか。
ちなみに、我が家に届いた DVD に封入されていたお楽しみサインは、ユン監督のサインだったみたい。
この映画、原作が漫画ということもあってストーリーは結構トンデモに近いですが、俳優陣の演技は素晴らしかったですね。
個人的には滅多に見ることができない黒ハギュが楽しかったです。どこかの映画祭で字幕付で上映されれば良いなぁ。
原作の漫画は知りませんが、この映画に携わった方のブログで公開前にも関わらずネタばれ的な部分を見てしまい、ストーリーの楽しみはちょっと薄れてしまいましたがハギュ他出演者の演技は楽しめました。
日本語字幕付きで観たいです。
肉体交換手術>
これだけ高度な手術をしている割に、背中の縫合跡が酷すぎるのはなぜ? と、ひとつ突っ込み入れときます。
ストーリーは奇抜でツッコミどころ満載だし、ちょっとB系の匂いがしましたが、それよりも俳優陣がよかったと思わせてくれて、私も楽しめました~。
>背中の縫合跡が酷すぎる
ははは、確かに縫合技術が拙いですね(笑)。あの縫合跡を見て、ウルトラマンの背中に付いていたチャックを思い出しました。被り物みたいで笑ってしまいました。
日本で上映される作品は限られている現状。期待せずに待つことにしましょう