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引っ越しました~
by lotusruby

DVD鑑賞記 ~『もし、あなたなら-6つの視点』~

2006-04-01 23:57:52 | K-Movie Notes

『もし、あなたなら-6つの視点』は、短編6作品のオムニバス映画
観終わってから知ったのだけど、韓国人権委員会が制作依頼した作品なんだとか。
そういう背景だから、もちろん人権がテーマなので、それなりの重さはあるのだけど、ガチガチのお堅い内容というわけではなく、そのテーマの見せ方がとても上手い6作品。なんといっても、注目をあびている監督たちがずらりと並んでいる。

 Episode 1:『彼女の重さ』(監督:イム・スルレ)
就職するためには容姿が重要と学校で指導される女子高校生の話で、整形大国韓国の社会事情を皮肉る。
二重まぶたの手術や断食道場に憧れ、外見にこだわりすぎる彼女の価値判断が切なくも哀しい。

 Episode 2:『その男、事情あり』(監督:チョン・ジェウン)
ある近未来のアパートは、住人同士で行動を監視できるようなつくりになっている。そこに住むA氏は、性犯罪者として公開された男。誰からも無視されるが、おねしょをして怒られた男の子だけが彼に関心を持つ。
この作品は、ちょっと理解しずらいなぁ。
おねしょの子供と塩の関係がわからない・・・

 Episode 3:『大陸横断』(監督:ヨ・ギュンドン)
脳性まひの身体障害者の男は、自力で外出しようとすると連れ戻されたり、愛の告白ができなくて悩んだりする日々。ある日、松葉杖をついて光化門(政治・社会の中心地としての象徴)の交差点を突っ切ろうと決意する。

脳性まひの障害者だからと、自分も含め周囲がくだす拙速な判断が愚かであることを考えさせられる。

 Episode 4:『神秘的な英語の国』(監督:パク・チンピョ)
子供の英語教育に熱心な親は、ネイティブ並の発音を期待し、発音矯正のために、子供に痛みの伴う舌を手術を強要するが、子供には輝かしい未来があるのか。
韓国は、英語教育に熱心な国で有名だけど、親の過剰期待で子供が哀れ。

 Episode 5:『顔の価値』(監督:パク・クァンス)
葬儀場の駐車場の料金係の女と、その女の接客態度が気に入らない男性ドライバー。ドライバーが女の顔について話を持ち出したことから、駐車場を何度もぐるぐる回り執拗にその女と口論をする。
この作品もちょっと理解しずらいのだけど、ドライバーの男の執拗な行動は単なる「思い込み」で、自分の思い込みって自分がもっともわかってないことが多いなぁ。

 Episode 6:『NEPAL 平和と愛は終わらない』(監督:パク・チャヌク)
この作品は1990年代に本当に起こった事実をベースにしている。ネパール人女性チャンドラ・クマリ・グルンは、財布を持たずに食堂でラーメンを食べてしまい、食堂の主人から無銭飲食で警察へ引き渡された。警察は、韓国人そっくりの顔つきで、つたない韓国語を操る彼女のことを、精神障害者だと思いこみ、その後、チャンドラは6年4ヶ月もの間、精神病院などをたらい回しにされた。
ネパール語を理解する人が本当に見つからなかったのか、警察の無知で浅はかな人間の扱いには驚かされた。現在チャンドラさんは故郷のネパールで暮らしているそうだ。


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