(Image source: cine21)
『天軍(천군)』(2005年7月 監督:ミン・ジュンギ)
出演:パク・チュンフン、ファン・ジョンミン、キム・スンウ、コン・ヒョジン
この作品、実は日本公開時に見た・・・ いえ、見たはずだったのだけど。
実は二日酔いのせいで、途中で眠りに落ちてしまい、パク・チュンフン演じるのちの英雄将軍イ・スイシン(李舜臣)が、タイムワープしてきた南の兵士役ファン・ジョンミンにサインをしてあげている場面を最後に・・・
目覚めた時はすでに鳴梁海戦(ほとんどエンディングです)。それこそ映画を一気にワープしてしまった(笑)。
韓国と北朝鮮の宥和政策により、両国は共同で核兵器を開発したが、その事実が露見し、核兵器をアメリカに引き渡さなければならなくなる。それに不満を抱いた北朝鮮の将校カン・ミンギル(キミ・スンウ)は、開発に関与した物理学者のキム・スヨン(コン・ヒョジン)を拉致して、核兵器を奪って逃亡する。それに気付いて追いかける韓国側の将校パク・ジョンウ(ファン・ジョンミン)。両者が鴨緑江で対峙しようとする頃、彗星が朝鮮半島の上空を通過。気付くと1572年の朝鮮時代にタイムスリップ。そこで兵士達は若き日の英雄イ・スイシン(パク・チュンフン)と出逢う。
「韓国版戦国自衛隊」という配給会社のキャッチコピーには、『天軍』の製作者からの反論はなかったのかな。監督は、「歴史書 '朝鮮王朝実録' に記された、神兵が現れ敵を攻撃したという短い記述からインスピレーションを得た」と主張しつつ、『戦国自衛隊』を知らなかったとも言っていないけど(知らないっていうのも、ある意味問題だし・笑)。
この作品、冒頭からして、南北宥和の夢も込められているようでもあり、反日色もやや垣間見えるようでもあり、何やら政治的恣意が見え隠れしているように思えなくもないけれど、そこに日本映画『戦国自衛隊』の手法を臆することなく持ち込んでいるのは、笑えてしまう。
現代の兵士達が16世紀に持ち込んだ手榴弾に対する当時の人々の反応って、トンマッコルの村人の反応そのものだったので、思い切りシラケてしまい、そのシラケ具合が自分で可笑しかった。(『トンマッコル~』と『天軍』は同じ年の公開)
これって、もしかしてコメディだったの? SFスペクタル史劇とか言ってなかった?
映像が特別ステキで凝っているわけでもないし・・・
兵士達が死守しようとしたあの核弾頭も、まるで昔のウルトラマンの特撮セットに出てきそうなオモチャ箱みたいでちょっと呆気にとられた 。 どれをとっても中途半端な感じが否めない・・・
製作期間3年、制作費80億ウォンをつぎ込んでコレ?
とりあえず、眠りに落ちた空白のタイムワープを埋めてみて、一応スッキリしたのだけど・・・
素朴な疑問が・・・
別に南北の兵士たちが16世紀に行かなくても、イ・スイシンはちゃんと将軍になって、秀吉軍を蹴散らしているのに、彼らが16世紀に存在した意味って何?とか考え出すと笑えなくなりそうなので、ツッコミはほどほどに・・・
パク・チュンフン、ファン・ジョンミン、キム・スンウ、コン・ヒョジン・・・
どう?この顔ぶれ・・・ もったいない役者の使い方の典型みたいな作品。