(DVDジャケコレクション:左から、フランス版、アメリカ版、韓国版、日本版)
イム・ウォニ ファンのお宅で教えていただいた、イム・ウォニ出演作となる『死んでもハッピーエンド(죽어도 해피엔딩)』(監督:カン・ギョンフン)は、フランスのサスペンスコメディ『シリアル・ラヴァー』(1998年 監督:ジェームス・ユット)のリメイクだそうで、原作が面白そうなのでチェックしてみた。
ところがディナーが始まると・・・なぜかクレールに次から次への悪夢が(笑)・・・
ちょっとしたハプニングから1人ずつ死んでしまう。
そして時を同じくして、近所に迷い込んだ強盗2人組を追いかけるセリエ刑事(アルベール・デュポンテル)が、クレールの部屋に何度も足を運んでくる・・・
見終わって、ふと共通点があるような気がして思い浮かんだ韓国映画は、
『甘く、殺伐とした恋人』
冷蔵庫につめこんでるし・・・。
『クワイエットファミリー』
悪意がないのに、死体がゴロゴロ・・・ドミノ状態。
『かわいい』
女性1人を巡る複数の男性という関係。主人公の住むアパート室内はオシャレなんだけど無国籍で妖しげな雰囲気。
それぞれ似て非なるものだけど・・・
この作品をB級映画と見るか、ハイセンスなブラックコメディと見るかは、観客の視点にかかっていると言えそう。スプラッター・コメディとも言われているけれど、決してホラーじゃないのよ(笑)。この作品は公開後現地でもかなり注目を浴びたようで、日本でも1998年フランス映画祭に招待され、その後公開されている。
「どうしてこんなことに・・・」と、ドミノ式に訪れる不運の数々には、一体どんなオチがあるのか、そして、クレールには真剣に愛せる恋人 Serious Lover (→ Serial Lover に引っ掛けてみました) が見つかるのかと期待していたら、オチの前にも捻りがあって、展開が読めない分、面白かった。
ブラック、シュール、バカバカしさ・・・といろんなものが詰め込まれ、笑いとばせず引きつってしまったら悪趣味なホラーになってしまうリスクもはらみつつ(笑)、よくまとまっていると思う。
モントリオール・ミラー紙の映画評( link to)に、この監督のフランスコメディについての話があったのでちょっと紹介。
ユット監督は、自分の最大の持ち味は、フランスコメディの伝統からの劇的な脱却だと語る。ピーター・セラーズ、モンティ・パイソン、マルクス・ブラザーズらの手法を取り入れ、イギリスとアメリカの喜劇スタイルを意外な形で融合させた。「フランス笑劇は、「クローゼットの中に愛人を隠す」ような笑いがもっぱらです。『シリアル・ラヴァー』は、もっと不条理な作品です。 フランス人は不条理を理解するけれども、コメディにおいては、イギリスやアメリカのコメディほどアイロニー(皮肉)を持ち合わせていません。この作品は、フランスの伝統を打ち破るものなのです。
韓国版では人物設定が変わるみたい。悲運に見舞われる(?)主人公の女性は、おお、あの『かわいい』の主人公だったイェ・ジウォン。イエ・ジウォンは女優の役なのだそうで、そのマネジャー役にイム・ウォニ。求婚者たちには、リチャード・キム、チョ・ヒボン(『スーパースター☆カム・サヨン』)、チョン・ギョンホ(『甘く、殺伐とした恋人』)、パク・ノシク(『殺人の追憶』)がキャスティング。
『甘く、殺伐とした恋人』とちょっと路線が似てないかいと思ったら、この作品、HD企画映画として成功した『甘く、殺伐とした恋人』や『無道理』に続く、サイダスFNHの3番目HDプロジェクトらしい。今年の下半期に公開を目指す。
共通点があるという韓国映画3作品はまだ観たことがありませんが、気になります。 観てみたいです。(「クワイエットファミリー」、面白そう~) 本当によく映画をご覧になってるんですね。 勉強になりました。
韓国版の詳しい人物設定、どうなっているんでしょうねぇ。男優4人はそのままだと思うのですが(なぜかパク・ノシクだけはどの役か見当がつく・・・)、ウォニ氏はどうなるのでしょうか。 この映画での刑事役と同じポジションなのかしら? クランクインの情報をまだ聞いてませんが、すでに撮影中であることを祈ってます。
『甘く~』と『かわいい』は比較的最近見たもので、偶然、共通点アリ(?)と思ってしまいました。イェ・ジウォンは『かわいい』を見るまで知らなかったです。『クワイエット~』は、私的にはお奨めです。
>刑事役と同じポジション
私もそう思いましたが、どうなるのでしょうかね。多少はカスタマイズされるのかしら。まだクランクインしていない? 韓国映画界は何が起こるかわからないので、待つ方はちょっとハラハラですね~