Addicted To Who Or What?

引っ越しました~
by lotusruby

『キリマンジャロ』

2006-12-11 00:30:07 | K-Movie Notes

(Image source: nkino
午後に入っていた予定がキャンセルになったので、『ウェディング・キャンペーン』後、シネマートに居座って見た作品『キリマンジャロ』(2000年 監督:オ・スンウク)。

パク・シニャンファンとおぼしきお客が多かったけど、男性客も目についた。見終わってみると、男性客がわざわざ見に来る理由がわかるような気がした。シニャンssi が双子の2役ということと、アン・ソンギssi が出演ということしか知らずに見ていたため、最初は何のことやら・・やや混乱

刑事のヘシクとチンピラのへチョル(パク・シニャン2役)という、まったく異なる人生を歩んだ双子の兄弟。へチョルがヘシクの銃で自殺したため、ヘシクは警察を追われる。へチョルの遺骨を抱えて故郷に戻ったヘシクは、へチョルの昔の仲間のポンゲ(アン・ソンギ)達からへチョルと勘違いされ、地元のチンピラとの諍いに巻き込まれる。

ドラマ『パリの恋人』のギジュ役で「エギヤ、カジャ(ハニーちゃん、行こう)」と叫んで、大反響を呼んだクールさと甘さを兼ね備えたパク・シニャンssi とは全く違うようでいて、やっぱりカレの持ち味なクールな部分が最大限に引き出されているような役どころ。

顔がそっくりな双子でも、ひとりは社会の底辺をはいつくばり反社会的な人生を、ひとりは国家組織に属し社会と調和する人生を選び、対照的。そんな2人が、生きている間には互いを理解するということなんてなかったに違いないと容易に想像がつく。へチョルが死んで初めて、ヘシクは双子の片割れが生きてきた人生を知ることになる。

ヘシクはヘチョルと間違えられ、地元で力を持つチンピラのジョンドゥから襲われても、自分の正体を仲間のポンゲ達に明かそうとせず、へチョルとして振舞う。へチョルになりきって、もうひとりの自分を鏡に映してみたかったのだろうか。ポンゲはもしかしてヘシクの正体を知ってたのだろうか? そして、なぜ自滅する道へ進むことになってしまうのか・・・ 頭で考えただけでは答えが出てきそうにもない。ノワールだから??

この作品のキャッチフレーズは「暴力のセンチメンタル」というキャッチフレーズだったそうだけど、「故郷」の港町の風景と、昔の仲間との「情」で、むやみに感傷に振り回されて、浸りきることもできず、どこか淡々として寒々しくて物悲しい