Addicted To Who Or What?

引っ越しました~
by lotusruby

『クワイエット・ファミリー』(DVD)

2006-12-14 22:59:46 | J.J.Y. Filmography

(Image source: nkino)
釜山パラダイスホテルでの運命的な出会いから2ヶ月あまり。某ブログ主さんの創作ストーリーで、他の女に横取りされて、私の心は傷だらけ??( 爆) その運命の監督、キム・ジウン監督のデビュー作品『クワイエット・ファミリー』(1998年)。このDVD、どうやらおタカラDVDらしい 。中古で見つけた。レンタルショップでビデオが置いてあるのは見たことあるけど。

シネ21のシナリオ応募で認められて、本格的に監督デビューしたその作品がこれ。ブラックホラーコメディって、いかにもジウン監督らしいジャンル。 アダムスファミリーかい?と思ったけど、登場するのは幽霊じゃなくて人間だから、もっと人間くさい。監督自身は『ファーゴ』を強く意識していると言っているけど。

ああ、そう言われると『ファーゴ』に似ているけど。『クワイエット・ファミリー』の方が生々しいというか、アジア的な陰鬱な部分と、独特の死生観が浮き彫りにされているような。

1999年の世界三大ファンタスティック映画祭すべてにおいて、招待作品として上映され、その他数々の国際映画祭からも招待上映されたというのだから、当時いかに切り口が斬新だったことがうかがわれる。

舞台となっている山荘が、これまた、ジウン監督らしい仕掛け。奥行きのある廊下とか、『甘い人生』でもよく見られた背景だし、照明とか陽光の使い方によって、ホラーでありそうでホラーでなさそう、重苦しそうであっけらかんとした演出が面白い

で、配役が驚く。この先こんな俳優陣が出揃う映画はお目にかかれない。ソン・ガンホssi、チェ・ミンシクssi、パク・イナンssi、ナ・ムニssi(ドラマ『私の名前はキム・サムソン』でヒョンビンの母親役)、当時アイドルだったというコ・ホギョンssi、それにチョン・ジェヨンssi もね。

リストラされた父親とともに、一家は山の中に建つ山荘を開業。ところが、客は一向に来ない。ようやく現われた最初の客をもてなす一家。ところが、その客が翌朝死体となって発見される。悪い噂がたてば商売あがったりになることを恐れ、死体を山の中に埋めてしまう。そして、何の因果か二組目の客が心中してしまう。また山の中へ・・・。強欲な村長の陰謀加わって、この山荘には、また思いもよらぬ死体が・・・

いやー、このストーリー、一体最後はどうなるのかなぁーと心配になるほど、後半収集がつかなくなりそうな展開だったけど、最後は「そうくるか」・・・ヘナヘナ・・・。「ドミノ的」な展開とどこかの記事で読んだけど、まさしくその通り。ちょっとしたことが、どんどん、思わぬ方向へ進み、「どうしてこんなことに  ・・・」と呟きたくなる展開。ある意味、『甘い人生』と同じコード。生と死の境目がないような日常にギョッとする。

そして、『甘い人生』がちっとも甘くなかったように、『クワイエット・ファミリー』もちっとも静かじゃない、騒がしい。そんな反語的ストーリーもジウン流なのかな。前半テンポが遅いので、もうちょっとテンポが速くてもよかったかな・・・

ジウン監督作品だからということだけでなく、これを見た理由は、もちろん、チョン・ジェヨンssi が出演しているから。また脇役で出演しているというので、わからなかったらどうしようかと思ったけど、冒頭5分で出てきて、去ってしまった。ええーっ あと95分もあるのに・・・。と思ったら、途中で再度登場。

そして、その先がタイヘン この人のフィルモグラフィーにはベッドシーン  なんてないと勝手に思い込んでいたら、あった。通常は、ロマンチックで甘~い場面になるはずが、ブラックコメディでコトに及んでいるカレを見て、ワタクシ、画面に向かって倒れました。昨晩眠れなかったよ、もう 。ジェヨンssi ファン必見。ジウン監督ったら、ここでカレを使うなんて・・・うふふ。

ともあれ、この山荘には泊まりたくないなぁ(爆)
日本でのリメイク版は、三池崇史監督の『カタクリ家の幸福』。こちらはペンション編で、ミュージカル仕立てになっているそうで、ジュリーやら、清志郎が歌っているとか。ちょっと見てみたいな。