Addicted To Who Or What?

引っ越しました~
by lotusruby

『春の日は過ぎゆく』(DVD)

2006-12-18 01:33:11 | K-Movie Notes

(Image source:nkino)
先日借りたユ・ジテssi 出演作品をもう1点『春の日は過ぎゆく』(2001年 監督:ホ・ジノ)。ユ・ジテssi がやっぱり若い。『リメンバー・ミー』の翌年で、撮影時、まだ学生だったそうだけど。

私的には、この監督の作品は苦手かもしれない。『八月のクリスマス』は好きだし、「抑制の美学」と言われるこの監督のコードは頭では理解できるのだけど、この作品と『四月の雪』はあまり心に響いてこない。なんだろう、私の感じ方の何かがたぶんずれているだろう

音響技術師のサンウ(ユ・ジテ)は、痴呆症の祖母、父、叔母と一緒に暮らしている。ある日、ラジオ放送局で自然の音をテーマに番組を持つプロデューサー、ウンス(イ・ヨンエ)とともに録音旅行に出かけることになる。「音」を通じて2人の間に感情が芽生える・・・

この2人の間にはたしてどんな感情が流れていたのか、この2人はお互いを理解しているようで、理解していないような、そして、私もこの2人を理解できるようで、理解できないそんな感じ。『四月の雪』でも同じことを思った。

サンウのセリフ「どうして愛が変わるのだろうか」って、そりゃ変わるだろうよ・・・って思う私は世間擦れしているのか 、この「男のロマン」なるもの? あるいは、「女への幻想」とやら? をやっぱり負担に感じる。そんなサンウの気持ちをちょっと疎ましく思うウンスの気持ちがよくわかったりする。愛は永遠とでも思っているのか、そんなサンウの女に対する許容度ってどれほどのものなのよ? と疑問が湧いたりする。男女の関係って難しい

この作品で流れる「音」は、2人を結びつけるものであると同時に、2人の関係を微妙に動かすものでもあり、重要な要素。風の音、水の音、そんな自然の音を聴かせながら、どこか見る者に解釈を丸投げしているような気がしないでもない。確かにいろんな解釈が出てきそうで、それはそれで面白いのかもしれない。

私の貧しい韓国映画知識から言うのもおこがましいけど、この監督の作品は、「抑制」という観点では、セリフの少ないキム・ギドク作品と、気の利いたセリフを効果的に挿し込むホン・サンス作品の中間に位置するような気がする。

ユ・ジテssi もイ・ヨンエssi も、自然の中にたたずむ姿がとても美しい・・・