Addicted To Who Or What?

引っ越しました~
by lotusruby

冬の夜の気ままなDVD(7) ~「酔画仙」~

2006-02-10 23:19:12 | K-Movie Notes

この数日のスクリーンクォータ制縮小抗議騒動の影響を受けてか、なんとなくアン・ソンギかチェ・ミンシクの映画でも見るか、と思ったら2人が競演している映画「酔画仙」があるじゃない
しかし、タイトルからしてなんだかとっても地味そうだ
ま、今日からTSUTAYAは半額キャンペーンだからいいか・・・

[あらすじ]
朝鮮王朝末期、身分の低い家系に生まれながら、宮廷画家にのぼりつめたチャン・スンオプの生涯を描いたもの。チャン・スンオプは実在の人物であるが、その生涯は記録が少なく謎に包まれている。
ある日、街でいじめられている物乞いの少年スンオプ(チェ・ミンシク)は、開化派の学者キム・ビョンムン(アン・ソンギ)に助けられる。スンオプの絵の才能を見出したキムは、スンオプをエリート官僚の家に預け、スンオプは奉公人として働きながら、やがて絵画の実力を発揮していくが、酒と女がなくては絵が描くことができない放蕩者でもある。その神業的な作品で彼は人気を博し、その名声は宮中にも届くほどに・・・そして、やがて時代の波に飲み込まれていく。


思ったとおり、地味だった 
でも、当時の生活ぶりがとてもリアルに描かれ、風景も美しく、余計なもの、無駄なものがない。劇中、学者キムがスンオプに、「韓国美術の基本は写実性」と諭すところがあるのだが、その言葉通り、この作品の背景には、どれもありのまま自然の姿(海、山、川、木、鳥、花)が映し出されている

思慮深いインテリ学者キム役のアン・ソンギ、「放蕩者」と「天才」が共存するスンオプ役のチェ・ミンシク、この2人がハマリ役であったことは改めて言うまでもない

ちなみにこの作品、趣味人向けであるためか、2002年5月公開当時、観客動員数が伸び悩んでいたが、そこにカンヌ映画祭監督賞受賞(監督:イム・グォンテク)のニュース。結果、ロングランとなり、観客動員数は全国で100万人を記録 。 国内では注目度がいまひとつだったにもかかわらず、海外で高い評価を得て見直された典型的な作品である。こういう作品は、映画人たちに自信を与えるものとなったようだ。

それにしても、なんとタイムリーに抗議活動を後押しするような作品にめぐりあってしまったのだろうか・・・