Addicted To Who Or What?

引っ越しました~
by lotusruby

「甘い人生」 in London <Part 2>

2006-02-03 23:56:28 | K-Movie Notes


いいかげん「甘い人生」からは卒業したいのだけど、ワンコの口が堅いものだから・・・ しつこいけど、ロンドンからざっくりレビュー Part 2
(以下、引用抜粋文 translated by lotusruby)

「甘い人生」の各紙 Rating (source: Guardian Unlimited)
★★★★☆☆☆☆☆☆ Daily Mail
★★☆☆☆☆☆☆☆☆ Daily Telegraph
★★★★★★☆☆☆☆ Independent
★★★★★★☆☆☆☆ The Guardian
★★★★★★★★☆☆ The Times
★★★★★★★★☆☆ The Express

Rating は各紙かなりバラつきがある。おそらくレビュワーの好みが反映されているのだろう。

 「
Independent」より
ハリウッド映画がどれほどアクション系アジア映画を模倣しているかということを考えれば、この映画「甘い人生」が、その貸しを返してもらったとしても責めることはできない。プロットはタランティーノ監督、
演出はマイケル・マンを思わせる。(中略) 若いチェリストの演奏が、判断基準を鈍らせるところは、「パルプ・フィクション」のジョン・トラボルタのよう。生き埋めにされるところは、「キルビル2」のユマ・サーマンのよう。復讐につき進むソヌがタクシーを拾って乗るところは、「コラテラル」のトム・クルーズ。オリジナルに惑わされなければ、おしゃれでスタイリッシュな映画。

ハリウッド映画をパクッた場面が多いという指摘で、かなり辛口か 。あちこち、パクリ場面があるというのは、どの映画でもよく耳にする話だけど。パクるのは、そこに意味とかインパクトがあるからこそで、パクリだと言われると返って注目してしまう。ソヌがタクシー に乗り込むところだって、着目したことなかったなぁ。

 「The Times」より
「甘い人生」は、驚くほどの流血モノだが、スタイリッシュなデザインと撮影方法によってその程度は緩和されている。(中略) この映画の真の強みは、ビョンホンの変容ぶりである。1分前には、ボスの女に心を奪われかと思うと、次の瞬間には冷酷な殺人者と化すため、観客は彼に釘づけなのである。

Brian に言及しているコメントは初めて見た。やはり、この映画は、どう転んでもこの人の演技にかかっているものね。誰が見てもぶっちぎりのド迫力な演技ってわけじゃないけど、ソヌが徐々に変容していく様子は確かに見応えあるのよね

 「Film.telegraph」より
映画の序盤は、意外にも、恋人同士がゆっくり互いに傾いていくように、穏やか。しかし、やがて繊細さが、徹底した殺し合いへと変わり、観客は救いようのない血まみれの道で嘔吐する自分自身を見つけることになる。

このコメントは、「甘い人生」のダークな部分を強調しすぎかと・・・

 「The Guardian」より
この作品は、激しくかつスタイリッシュな犯罪組織世界の対決モノであり、エディプス的な含み(*註:父親-息子の相克、対立
)を持っている。セルジオ・レオーネ監督や、香港アクション映画のジョニー・トー監督やジョン・ウー監督も思わせる。

‘エディプス’ 的な含みって心理学用語なのでよく分からないのだけど、ソヌとカン社長との対立構図 を指しているだろうが、果たしてこの2人、仮にヒスを巡って争ったとして、お互いを決して相容れることのできない存在だったのかは疑問だなぁ 。コミュニケーションすれば修正できるものを、わざわざ暴力で解決しようとして修正不可能にする人間の愚かさの強調だと、キム・ジウン監督が言ってたような気がするけど。

韓国映画に限らず、日本映画においても、他国・地域の観客が見る視点って、国内の視点とはまったく違うものだったり、見当もつかなかったり、それはそれで面白いよなぁ。

  (image source: bittersweetlife.co.uk)