ウロコのつぶやき

昭和生まれの深海魚が海の底からお送りします。

舞踏じゃなくて武闘会

2007-12-25 09:13:28 | 日記
私スケートに関しては全くの素人なので、本当はGPFの事とか書くのもうやめようかと思ったんですが。
でもちょっとあの後、あちこちで出て来た平松さんというスケート連盟の偉い人のコメントにちょっと違和感を感じたんですが。
専門家のご意見なので、当然ド素人の私が何か言うより圧倒的に正しいのだとは思いますが、ちょっと間が悪いのではないのかと。
あれだとぱっと見の印象で、GPFでは「技術的には大ちゃんの方が勝ってたけど、圧倒的な芸術性の差で負けた」ように受け取れるんですよね。

滅多に点数なんか見ない私が珍しく点数を見比べて見ましたが、PCSの点差は2点もないことないですか?これ寧ろ、元世界王者とアウェーで闘ったにしてはよく健闘してる数字だと思うんですけど、素人考えですか?
問題は寧ろ、4Tも3Aも失敗している相手に対して、TCSの方で点差を付けられなかったことだと思うんですが。一見ミスがないように見えても、ちょっとしたジャンプの種類や組み合わせの差で落としてしまうのがワナだったような。
でもジャンプに関して言えば、去年より更に難しいことを目指して試行錯誤の途中なんだから、周り道してるように見えても正しい方向には進んでるんじゃないかなと思った訳です。
経験の差は経験を積む事でしか埋められないけど、今回ここでまた一つ貴重な経験ができた訳だし。

「ロミオとジュリエット」はまだまだ未完成のプログラムだし(「世界選手権で完成します」と作ったモロゾフさん自ら言ってるし)、手直しするべき点も色々あるんでしょうが(ド素人の私にはよく分かりませんが)、GPFに関して言えば、とりあえずジャンプが敗因だったかと。

発言の内容自体は多分正しいのだと思いますが、発言のタイミングのせいで、微妙に認識に歪みが出ているような気がして、居心地の悪さを感じました。

ニフティのインタビューを読む限りでは、大ちゃん自身は正しく認識しているみたいで(少なくとも私にはそのように思えるので)、ちょっと安心したんですけどね。

***

それより今回、「白鳥の湖」のPCSが凄く高かったことは、もっと騒いでもいいのになーと思っていたり。
だってこれ最初は「EXとしては面白いけど、審判に評価されないかも」とか言われてたんですから。
思えばリスキーですよね。わざわざこれのためにダンス教室に通って、お手本となる成功事例も殆どないから1から新しく作らないといけないし。そこまでやって審判からダメ出しされる可能性もあった訳で(その辺かなり入念にやってたとは思いますが)。
それがこれだけはっきりと評価されたのって、凄いことだと思うんですけどね。
ひとつの大きな賭けに勝ったというか。

***

という訳で、ロミオとジュリエットです。
あの紫がTVなどでは違う色に見えるという事については、こんな話もございます。
デジカメは紫が苦手?
カメラで撮った時点で色が変わってても、今はフォトショとかで直すこともできるんですが、最終的には印刷屋さんの腕に委ねられます。よく見ると「カッティングエッジ」とWFSでも全然色違いますね。

***

閑話休題。
「ロミオとジュリエット」なんですが、私個人のシュミとしては何ら不満はございません。衣装も含めて(笑)。
NHK杯で感じた爽快感というか疾走感みたいなものの正体は一体なんだったんだろう、とずっと考えてたんですが、ある意味、アクション映画なんかを見た時のカタルシスに近いものかなと思ってみたり。女性にはあんまり縁のない感覚かも知れませんが、闘争本能から来る攻撃欲求が満たされるような感覚。

私が普段そういうものばっかり見てるからというのもあるかも知れませんが。
アクションものの映画やドラマ(特撮モノってドラマのカテゴリには入れて貰えないけど)って、脚本やストーリーだけでなく、アクションの見せ方がとても重要なんです。ぶっちゃけ、話が多少お粗末でも、アクションシーンがかっこ良ければなんとかなるくらいで。
で、カタルシスを得られるアクションシーンにするためには、それなりの見せ方を抑えとかないとダメなんですよね。ジェームス・キャメロンとかピーター・ジャクソンとか、血沸き肉踊るアクションの見せ方がすごく上手いと思います。

もともとチャイコフスキーの曲自体、戦闘シーンのBGMに最適な曲だと私は勝手に思ってます。
まだ大ちゃんの演技見る前、曲聞いた瞬間に「あ、ラスボス戦」と思ったぐらいですから。
緊迫感にあふれた序盤からたたみかけるように盛り上り、徐に戦闘シーンに突入するサーキュラーステップなんてワクワクします。
あの曲の盛り上がりに合わせてすかさず剣を抜く仕草、走りながら斬りかかり、「ぐさっ」と音の出そうな勢いで剣を振るうあの動き、モロゾフさんも大概狙ってるとしか思えない。
スケートとしてどうなのかとか分かりませんが、アクションとしての見せ方のツボは確実に押さえてるなーと思ったんですよ。
そして正しいスケートファンではない私に取っては、それがすごく楽しいのです。

***

それにロミオって、前にも書きましたけど、言われているほどロマンチックなキャラではないような。
少なくともシェイクスピア先生は、悲劇の恋人たちに感情移入して不幸萌えしているような甘いお方ではないように感じました。
寧ろ、自ら選んで破滅へとひた走る(しかし自分たちではそれに気付いていない)愚かな恋人たちを冷ややかに見つめているような気がします。
二人がやたら若い(というか幼い)のは、ある意味温情かも知れません。13才と16才だからこそ「若気の至り」とフォローできますから。ハタチ過ぎであれでは痛過ぎる。
作中、ロミオは自らのことを「運命のフール(愚者)」と呼んでいます。タロットカードの「フール」の絵柄は、自分が崖っぷちに立っていることに気付かず足を踏み出そうとしている男。自分の足下に奈落が口を開けていることに気付かない男、それがロミオなのです。

***

なんか、うだうだ言っている間にもう全日本が近づいて参りました。
また何か色々ありますが、大ちゃんにはとにかく自分の納得するスケート目指してがんばって欲しいと思います。

縁起物…かな、一応。
南京町でうっかり買ってしまったポチ袋でございます。


***

拍手コメントへの返信

そういう訳で、同意頂いてありがとうございます!

最新の画像もっと見る

コメントを投稿