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ウロコのつぶやき

昭和生まれの深海魚が海の底からお送りします。

2000days~土星さんの帰還~

2015-01-12 15:43:00 | 日記
2000days

2000days
著者:高橋大輔
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ホントはXOIとSOIの感想を書かないといけないんですが、取り急ぎこちらを。
泣けた、感動した、辛かった…etc.という皆様の感想を目にして大いに同意する所でありますが、それプラスちょっと変な事を考えてしまったので。
ここは敢えて、他の方が多分書かないであろう「変な事」を中心に書いとこうかな、と思いました。

~以下、ネタバレを含むかも~

取り急ぎ全体ざくっと目を通して、ふと思ったんです。そうだよ大ちゃん、サターン・リターンだ!って。

すみません、また占いです。西洋占星術、星占いってヤツです。
サターン・リターンとは何かをざっくり言うと、生まれた時に土星があった同じ場所に再び土星が帰って来る事です。
占星術では土星は試練の星なので、かつては何かと恐れられていたそうです。
試練に見舞われ、八方塞りで行き詰まり、今まで積み上げて来たものがガラガラと崩れ去って行く…みたいな。
ただ最近は、「大人になる」「新しい自分になる」「そのために乗り越えるべき問題と向き合う」など、比較的ポジティブな意味に解釈されているそうで、どちらにしても人生の転換期となる時期のようです。

土星の公転周期は大体30年弱くらいなので、誰でも28~30歳くらいでサターン・リターンを迎えます。
ちなみに私自身このサターン・リターンの時期に何があったかな…と思い出してみると、なんてことはない、岡山から神戸に出てきたのがまさにこの時期だったりしたのでした。
そう言えば確かに不思議だった。それまで、漠然といつかまた神戸に行きたいな…と思いつつ、でも結局はこのまま岡山で終わるんだろうとばかり思ってたのに。
29歳の誕生日を前にして、色んな事が立て続けに起こり、あれよあれよという間に話が進んで、気がつくと仕事のあてもないまま、ろくに知人も友人もいない神戸で一人暮らしをスタートさせていたのです。
そこに気がついた時、星占いって案外バカにできないぞと思いました。

そんな訳でサターン・リターン、個人的には、過去に積み上げてきたものを一旦チャラにして一から新しくスタートを切るというイメージがあります。
そして大ちゃんの「2000days」を読んで感じたのも正にそれ。

大ちゃんが引退を宣言した時。マスコミの報道からは、彼がタレントとして芸能界に入って来るだろうという期待がビンビンに伝わって来ました(笑)。でも彼はその道を選ばなかった。
タレントになるにしろ、プロスケーターになるにしろ、その拠り所は「選手」時代に手にした人気と知名度。
でも彼は、そういう「過去の貯金でやっていく」道を選びたくなかったのかも知れませんね。
思えば、少し姿を消した後の彼の仕事は、お世話になったスポンサーやスタッフ、地元の関係者などへの義理を果たし、一つの区切りをつける為のものだったのかな、と思います。そしてまっさらになった所で新しい自分を始めたいんだろうな、という。
スケートとも完全に決別する訳ではないんだろうけど、今までの延長線上で、惰性で関わる形を続けたくはないんだろうと感じました。今までの関わりを一旦絶ってから、自分の中で自然に向き合える新しい形が見つかったら、改めて関わって行きたいんじゃないでしょうか。

そのイメージがまさにサターン・リターン。
大ちゃんて、こういう風に自分の運勢を分かって行動してるように見える時が結構あります。
それと、私もそんなに占星術に詳しい訳ではないんですが、今までの競技生活の中で、大ちゃん結構土星さんと仲が良いんじゃないかと勝手に思ってました。
大小様々な土星の試練を受けながら、その試練をクリアする度に、試練をスプリングボードにジャンプアップしてここまで来た、みたいな。
そして今回も、迫り来るサターン・リターンを、すごくポジティブにわくわくしながら待っている、そんなイメージ。
多分大ちゃんなら、土星さんの破壊力を利用して過去の余計なしがらみを整理しつつ、新しいフェーズへ進む事もできるんじゃないかなあ…と思ってます。

だから今は、そうやって新しくなった彼が何を見せてくれるのかを楽しみにしつつ、新しい旅へと送り出してあげたい、そんな気分になっています。

※サターン・リターンについての詳細は適当にこの辺を参照にしてください。

キャラプラ(占いサイト)
http://charapla.net/solve/?p=179&page=1

あと個人様のブログですが、ここに引用されている石井ゆかりさんの言葉が素敵だと思いました。是非大ちゃんに捧げたい。

サターンリターン~土星回帰~
http://yaplog.jp/france-voyage/archive/185

***

XOIとSOIの感想も書きたいんですけどね。書けるかなあ…最近めっきり文章を書けなくなって来たというか、書くための時間を作れないのは何故だろう。以前にくらべてそんなに忙しくなってる訳ではないはずなんですけどね…。

***

拍手コメントへのお返事…の前に。
「もうブログをやめたのかと思ってました」ってコメントが多くて、そう思われても仕方ないような見事な放置っぷりで、もうホントすいませんとしか言い様がありません。
特に何かあったという訳ではなくて、上にも書いてあるように、段々書く時間が上手く作れなくなって来た、みたいな感じです。多分これからもこんな風にたまーに思い出したように何か書く、みたいな感じになるんじゃないかと思いますが、それでも読んでくださる方にはホントに感謝です。

□2014/12/16 18:43
ぷかどんどんさん覚えていて下さってありがとうございます。
私も競技の方はほぼ見てません。基本的にテレビ見ない人なので、「この人を見たいっっ!」と強く思うものがなければこんなもんです(笑)。でもXOIは行きましたよ~!FOI行かなかったので初キャラバン!最高でした!

□2014/12/18 22:26
ちいさんこんにちは。こんな果てしなく更新の遅いブログを読んで下さってこちらこそありがとうございます。
こんな駄文でも楽しんで頂けたら嬉しいです。

□2014/12/20 0:58
もう更新しないのかって普通思いますよね、これだけ放置してたら(汗)。XOIでは久しぶりに大ちゃんのスケートを生で見て、やっぱりいいわ!と思いました。

□2014/12/20 22:33
むつきさんこんにちは。倉敷のイオンでの初々しいトークショーから9年。新しくできた岡山イオンのオープニングイベントでは、謙虚さは変わらないまま岡山から世界へ羽ばたいたスターの貫禄すら感じさせ、感無量の成長っぷりでございます。
私もXOIとSOIで、キャラバンとKissing Youをそれぞれ生で堪能する事ができました。
これほどスケートで魅了できる人にいつまでも滑っていて欲しい…と思うと同時に、狭いスケートの世界に縛られず、もっといろんな可能性を広げて欲しいな、とも思います。

心斎橋の熱い夜

2014-12-08 23:49:00 | 日記
みなさんこんにちは、虹川です。大変ご無沙汰しております。
おかげさまで新しい仕事の方も何とかペースがつかめて参りましたが、その際すっかり普段の生活パターンの中から「ブログのためのテキストを打つ」という行動が抜け落ちてしまい、結局長期に渡る放置状態となっておりました。
コメントを頂いた方におかれては、ろくにお返事もできず大変失礼いたしました。

とりあえず↓のイベントに行って参りましたので、遅くなりましたが簡単なご報告をと思い、久々に筆を執った次第。

MUSIC vs SPORTS☆PUMA STORE OSAKA 2nd STAGE

前回の梅田でのイベントは(1口だけですが)応募はしたもののかすりもせず。それでも行けば大ちゃんの姿を見ることはできた筈なのに、他の用事でそれも叶わず、完全に「縁がなかった」みたいな感じだったのですが。
今回は何か、「心斎橋が私を呼んでるぜ!」と思いたくなるくらいに色々と歯車がかみ合い、無事限定モデルのシューズと入場整理券をゲット。

なんとなく、FM802っぽい匂いのするイベントだなーと思ってたら、MCのお姉さんがFMCOCOLOの人でした(※FM802とFMCOCOLOは実質同じ会社)。

イベントの流れは、MCさんの説明の後にマーティ・フリードマンさん登場。二人でのトークの後、大ちゃん登場で3人でトーク→フリースタイルフットボール「球舞(きゅうぶ)」のパフォーマンス→マーティさんのミニライブ→抽選会という感じ(ウロ覚え)。

***

いやー…楽しかったです。

前の方に座ってるお客さんたちが、大ちゃんはもちろん、マーティさんや球舞の皆さん、MCのお姉さんまでもれなく拍手と歓声で盛り上げているのを見て、これはアレだ、いつもアイスショーとかで氷上席で盛り上げ、スケーターをノリノリにさせてるあの人たちが来てるんだな、と思いました。
とにかく最初から最後まで大盛り上がりで、すごく楽しいイベントでした。
多分私、端から見ると気持ち悪いくらいずっと顔が笑ってたんじゃないかと思います。行って良かった。

マーティさん、音楽に疎い私でもお名前を存じ上げている大物アーティストなのに、すごく気さくで面白い。でも言葉の端々にアーティスト(※芸術家って言う意味)としての強いこだわりがあるのが感じられて、それが大ちゃんと共鳴しててすごく濃いトークになっていたと思います。
マーティさんがもともとスポーツ好きで、フィギュアについても詳しい(チェン・ルーやミシェル・クワンで興味を持ったとか)事もあって、大ちゃんとは初対面とは思えないくらい息のあったトークでした。

正直、MCさんだけだと軽い話のまま流れて行きそうな所を、マーティさんがぐいっと核心に切り込んで、大ちゃんのディープな部分を引き出していた場面が多々あった気がするんですよね。やっぱり餅は餅屋、芸術家には芸術家なんだな…と思いました。

***

この日は大ちゃんも含めて、出演者はみんなマーティさんのモノグラム入りの黒いプーマTシャツを着用していました。大ちゃんはデニムのボトムと、オレンジっぽいブルゾン、それに白の限定シューズJPN PUMA OSAKAを合わせてカジュアルかつオシャレにキメておりました。
シューズやTシャツをアピる時のポーズとドヤ顔が、いたずらっ子みたいで可愛かったです。
でも、かつて倉敷イオンで小動物みたいにおどおどして、「はずかしい~」って言いながら出てきた頃を思うと、もうすっかり人前に出るのにも慣れたもんだなあとしみじみ。あれはあれで可愛かったなあ。

***

大ちゃんの話で印象に残った部分。ウロ覚えなので間違ってたらゴメンなさい。

直感で答える4つの質問

(1)フィギュア以外で好きなスポーツは?→「体操」
体操教室に行きたかったけど、岡山にしか教室がなくて通えなくって、裏山にリンクがあったフィギュアの方を習うことになった…というのはファンにはお馴染みのエピソードですね。この時は、手短に説明するのが難しかったらしく、「スケートリンクが近くにできたので」って所まで一気に飛んでました。
フィギュア同様見た目の美しさを競う採点競技が好きで、体操・新体操・飛込みなんかを良く見るそうです。

(2)今みんなに薦めたい本や作家は?→「ないです」
もともと本を読みだしたのは、ボキャブラリーを増やしなさい、という長光先生からの指示だったとか。それでも読み出すと面白くて、移動の時なんかに良く読んでたけど、最近は余り読む機会がないのと、本にしても音楽にしても、雑食派であんまり作家買いをしないタイプ…みたいな事を言ってたような。

(3)(このイベントのテーマである)「FOREVER FASTER」という言葉について思う事を一言で。
一番早い…?一人だけの?先頭に…?みたいな、「すいません一言じゃないですね」みたいな事を言っていました。
これは私が勝手に思った事なんですが、先頭に立って道を切り拓いて行く人って、一人で向かい風に立ち向かう形になるんですよね。「梶を取り、風上に向く者」。なんとなく私には、それが大ちゃん自身のイメージに重なるような気がしました。

これについてはマーティさんがステキな事を仰っていて、「FASTERっていうのはギターの早弾きの事じゃない。そういう物理的な『速さ』ではなくて、過去の自分を超えていく、常にもっと上の自分を目指していくこと」っていうのが正にその通りだなと思いました。

(4)今までフィギュアの演技を終えて満足したことがある?→「ない(即答)」
これには観客一同から「えええ?!」と驚きの声が(私も思わず声を上げてしまった)。
だって見る方は何度も感動してますもん。何度、大満足で演技を見終えたことかわからないですもん。
でもこれもマーティさんが、「いや、わかるよ」と。「満足してしまったらそれで終わり」だと。
このやり取りが一番印象的でした。
大ちゃんの、時に自虐的に見えるような「謙虚さ」って、実は追い求める理想の限りない高さの裏返しなんだと改めて感じました。
誰かと比べて、とか、点数が出て勝てばOKではなく、自分の中に目指すべき理想がある。そこがアーティストのアーティストたる所以なのかな…と。

あと、「先輩や指導者の方からのアドバイスで印象に残った事は?」との質問に「結構忘れちゃうんです(笑)」って言った後、「そう言えば、誰かに言われた「死にはしないから」っていうのは、割と何かをする時に自分を後押しする言葉になってる」と。
大ちゃん、自分で自分を「ヘタレ」って言っちゃうような、一見大人しくて気弱そうな雰囲気の割に、実は結構無茶するんですよね。
多分その時に思うのが「失敗したらどうしよう」→「なに、失敗したって死にはしない」なんだろうなと。
…うん、知ってたよ。だからこそのジェットコースターなのよね。
因みに岡山弁ではよく「死ぬりゃーせん」とか言います。大阪の人は「命までは取られへん」とか言ってたな。大ちゃんが言われたのはどっちだろう。

どっちが先だったか忘れたんですが、若者たちへのアドバイスを求められた時に「どんどん失敗して欲しい。失敗できるのは若さの特権だから。挑戦して失敗して、そこから少しずつ学んで成長して行けば良い」と。その根底にあるのが「失敗したって死にはしないから」なのかなと。そこで繋がってるものがあるんだなと思いました。

***

その後、フリースタイルフットボール「球舞(きゅうぶ)」のパフォーマンス。
フットボールを使ったフリースタイルのパフォーマンス自体がまだ新しく、このチームのリーダー「マルコ」さんが始めた頃には、「フリースタイルフットボール」という名称自体なかったとか。正にパイオニアですね。

見る前は、バスケットボールのフリースタイルパフォーマンスのサッカー版みたいなのを予想していたのですが(実際、バスケのそれを参考にしていると思われる部分も見受けられたのですが)、あちらがHIPHOPやなんかのダンス要素が大きい(元々バスケ自体ストリートの文化と不可分な所があるし)のに対して、こちらはぐっとエンタテイメント寄り、なおかつアクロバティック。最後の方は雑技団かと思うような大技まで出てきて、かなりな迫力のパフォーマンスでした。

***

そしてマーティさんのミニライブ。
トークの時は気さくで面白いお兄さんでしたが、「本職」の顔で出てきた時は一転してシリアス。かっこ良い。
2曲め、どっかで聞いた事のあるメロディーだな…と思ったらまさかの「天城越え」。前々からソウルフルで良い曲だなーとは思っていたのですが、迫力のギターサウンドに乗せても違和感ゼロでした。
新しいアルバムからの一曲「Undertow(アンダートゥ)」は「大輔さん」(マーティさんは大ちゃんの事をこう呼んでいた)に聞いて貰いたくて選んだそうです。更に「アメイジング グレイス」はしっとりした曲を、敢えてテンション高めにレンジした挑戦的な作品で、「FOREVER FASTER」に通じていると仰っていました。

***

大ちゃんは終始テンション高く「すごい!」「かっこいい!」みたいなリアクションを取ってましたが、最後に感想を求められた時は「僕が一番何もしてないですね」「スケートしたいです」って、完全に刺激されちゃってるなーと思いました。
そりゃそうだよね、球舞さんとマーティさんがあれだけ盛り上げてるのを目の当たりにしたら、自分だって!って思いますよね。私たちだって、「ここに氷さえあれば!!」みたいになってましたよ。
イベントの途中で生演奏で滑る事について話が出た時に、いつかマーティさんの生演奏で滑る?!みたいな話の流れになってた(そしてマーティさんはやる気満々っぽかった)けど、本当にいつか実現して欲しいですね。
マーティさんとは初対面とは思えないほどいい雰囲気でディープな所まで話が出来てたし、あのギターの音…下手なスケーターなら音の迫力に負けてしまいそうだけど、大ちゃんならきっと相乗効果で盛り上げるようなスケートを見せてくれる!!はず!!なので各種アイスショーの関係者様是非よろしくお願いいたします。

私個人の考えとしては、生演奏で滑る事が必ずしも良いとは思っていなかったりします。実は。
ほとんどの場合その時限りの即興プログラムで、プログラムとして十分に練られる前に終わってしまうせいか、やる前の話題性だけが一人歩きしているものも多い気がします。
それでも藤井フミヤ氏と共演した「アナザーオリオン」なんかでは、観客の盛り上がりにフミヤ氏が明らかにノリノリになってて、それを受けた大ちゃんも気持ち良さそうに滑ってて、なるほどああいうのがライブならではの良さなんだな、と思いました。

という訳でマーティさんとの共演はいつか是非実現して欲しいです。
あと、抽選会当たりませんでした(それだけか)。
例によって大ちゃんは後ろの方ばかり引き当ててしまい、「僕いつもこうなんです」と気にしてました。
「ちゃんと混ぜてますぅ」って関西弁ぽく言ってたのが可愛かったな。会場が大阪だったせいもあるのか、言葉がかなり関西風になってました。

***

それと、この時PUMAではアートイベントも同時に開催していて、店内に若手アーティストの作品を展示すると同時に、プーマのマークのあの動物(Dylanという名前らしい)の形のカードに、お客さんが自由に絵を描くというイベントもやってました。
大ちゃんは日本地図を描いた、とトークで話していたのですが、実際に見ると予想以上にアーティスティック。

…大ちゃんの絵って、デッサンとかの基礎技術は身につけてないけど、なんかこう独特のセンスがありますよね。

***


とにかく、時間は短いけど、中身はぎっちり詰まった濃いイベントでした。楽しかったです。
でも次は私もスケートが見たいぞ…という事で、次に大ちゃんに会うのはXOI(そして年明けのSOI大阪)の予定!!です!!


***

拍手コメントへのお返事

▫️2014/5/20 20:11
本当に自分でもびっくりするくらい「競技としての」フィギュアに対して冷めてしまって寂しい限りです。如何に素人とは言え、こうも実際の演技を見た印象とプロトコルがかけ離れていては、競技を楽しむ事なんてできません。

▫️2014/5/30 19:52
時期は違えど、彼の「演技」に感動してファンになったのは同じです。理屈ではないですね。とにかく見ていて目に心地よかった、それが全てです。
単に勝ち馬に乗りたい人たちはともかく、「演技」を見てファンになった人なら、彼が「演技」で魅了してくれる限り離れないと思います。

▫️2014/6/6 13:34
スポーツには興味のない人でも、パフォーマンスの魅力で引き付けて来たのが大ちゃんのスケートだったのかも知れないですね。

▫️2014/6/20 21:27
ネット上でアンチ活動をするような人たちの書くテキストは、なるべく目にしない方が良いですよ。読まなくても何も困ることはありませんから。
私はテレビもほとんど見ないし新聞も取っていないので、世間の人が騒いでる事があんまり気にならなくなりました。

▫️2014/7/17 17:17
マーティ・フリードマンさんが仰っていました。パフォーマンスに現れるのは、練習ではなく「生き様」だと。あなたが大ちゃんの「演技」が好きと思うなら、それは「演技」を通して見た彼の「生き様」に惹かれているという事だと思います。
でもフィギュアスケートという競技は、私たちがこんなにも心惹かれてやまないものに、正当な評価を下してはくれませんでしたね。

この他、同意のコメントを頂いたみなさん、ありがとうございました。

コメント返し2

2014-05-18 19:40:00 | 日記
本来ならコメントへのお返事はコメント欄でしているのですが、ちょっと長くなりそうなのでこちらでお返事を書かせていただきます。

Web拍手の方へのお返事は↓をご覧下さい。
http://sea.ap.teacup.com/lightbug/605.html

***

なおみさん、こんにちは。拍手の方と重複してしまいましたが、こちらでも。
報道は所詮報道で、本質である氷上の演技には関係ないとは言え、嫌でも目についてしまうものには、どうしてもうんざりしてしまいます(私は普段テレビを見ないし新聞も取ってないので被害は少ない方だと思いますが)

世界選手権観戦、お疲れさまでした。
試合もショーも、お目当ての選手の出場&出演は必ずしも確約されているものではない…とはいえ、高いお金を払うには些かしんどい状況でしたね。
「今の」試合やショーに、高いお金を払って見に行きたい人がどれほどいるか(そしてどれだけリピーターとして残るか)、「もうこりごり」と逃げたお客さんの穴をどれだけ埋められるか…まあ、私は気にする立場ではないですね。

***

あやさんこんにちは。
トリノシーズンのノクターン、ステキでしたね!!

あのシーズンの女子シングルを取り巻く報道は、マンガやアニメによくある「ちびっ子天才主人公が、並みいる大人たちを蹴散らして大活躍!」という構図をそのまま当てはめて、それに普段フィギュアを見ない人たちが群をなして食いついているように見えました。日本人てそういう、天才少年/少女ネタが大好きなんでしょうね。

「天才少年・少女」に自分を重ねて、自分が賞賛されてる気分になるのが気持ちいいのかも知れないけど、イメージの中でさえ努力や苦労をしようとしない(「天才」という便利な設定があるから苦労しなくても何でもできる、事にできる)って感じが横着だなと思うし、そういう人が「天才少年・少女」を誉めれば誉めるほど、本当は自分が他人にそう言って欲しい言葉なんだろうなと、でも誰も言ってくれないから自分で自分を誉めているような、そんな空しさを感じてしまいます。
(そういう人って、おしなべて言葉が大仰なんですよね…私もここでさんざんポエムってるからあまり偉そうに言えないけど)

しかも対象はアニメではなく生身の選手ですから。当時の先輩女子選手たちは軒並み、ヒロインの引き立て役や悪役扱いにされて気の毒でした(今でもそれは続いていますが)。
昔の少女マンガによくある、ヒロインより年上の女性キャラを「おばさん」と呼んで馬鹿にする構図(これ、男の身勝手な視点の反映だと思う)を当てはめようとしてるのも不快でした。

でもその結果「天才少女」は大人気、スポンサー殺到CM大量出演で巨額の広告マネーが動いたから、関係者のみなさんがすっかり味を占めてしまったのも想像に難くありません。
そして今度は男子で同じ事をやろうとしているのであろう事も…。

あやさんのおっしゃるような、トリノ以前ののんびりした空気は私は相方の話でしか知りませんが…競技そのもののファンは案外増えていないのかも知れませんね。
今の「タレント化したスケーター」ブームに辟易して、距離を置いている人も案外多いかも知れないですね。

***

Lilithさん、こんにちは。
こちらこそ、私が伝えたかった事を的確に読みとっていただいてありがとうございます(ダラダラ長い私の文章よりよっぽど簡潔にまとまってる/汗)。

数年前、知人が「日本にはスポーツをスポーツとして報道する文化がない」と言っていましたが、今のフィギュアを取り巻く状況がそれを象徴しているな、と思います。

英語で海外の記事が読めるって、良いですね。私は英語がからっきしなもので、日本の広告業界による「大人の事情」ありきの報道ではない、第三者的な視点での報道が知りたいと思ってもなかなか一次情報に触れる事ができず…やっぱり英語も勉強しないとダメかな、と思います(汗)

私は大ちゃんのファンなので、それでもやっぱり「誉め過ぎたかな、ファンだからヒイキ目で見ちゃうのかな」と思うのですが、他の方の翻訳して下さった海外の報道を見ると、私の想像を遙かに越えた誉っぷりに驚愕することもしばし、です。
フィギュアにもバレエにもオペラにも予備知識の無かった私が、純粋に「美しい」と感じ、感性に驚愕してどっぷりハマった大ちゃんのスケート。その価値を、自国の報道によって見失わないようにしたいなと思います。

***

hiroさん、こんにちは。
私は私で、某女子選手の引き立て役や悪役扱いにされる他選手たちを気の毒に思いながらも、対岸の火事と眺めていた所もあるので決して他人に偉そうには言えませんが(汗)。
私見ですが、某女子選手のファンは彼女を「ヒロイン」として見ていますし、その根本にあるのは「誉められたい」という願望ですから、その時その時でマスコミにちやほやされている男子選手を彼女の「相手役」として同一視したいんだろうなと思います(今の若手男子選手のファンにも似た傾向が見受けられますが)。

因みにひとつ気になったのですが、一応歴史モノも好きな時代劇ファンとして…私は「自称子孫」選手の子孫名乗りはあくまで「自称」であり、本物の子孫だとは思っておりません(スケートとは関係ないし長くなるのでここでは理由まで書けませんが)。

***

黒松さんこんにちは。
メールの方も拝見しましたが、ざっくりと「このブログ」へのご感想として、このままで特に問題ないかと思います。
野球へ例えて見るとよく分かりますね。
どんなにきちんとしたルールがあっても、そのルールを適切に適用するシステムが機能していなければ無意味。
野球は経験者が多いから、デタラメな審判がいれば一般のファンからも避難轟々だろうけど、フィギュアは「わからない」競技ですからね(笑)。

正直に言えば、私ももう一度大ちゃんが競技の場で戦う姿が見たいです。結果はともかく、持っている本来の力を競技の場で出し切る、そんな演技をもう一度見てみたいと心から思います。
でも同時に、今後大ちゃんが競技でどれほど高得点を貰っても素直に喜べないだろうなとも思います。
演技への正当な評価ではなく、「大人の事情」なんだろうなと疑ってしまいますから。
そしてそれ以上に…「大人の事情」によって高得点が貰える可能性よりも、「大人の事情」によって点が押さえられる可能性の方がきっとずっと高いんだろうなあ…と思うと、素直に「返ってきて」とも言いにくい、そんな感じです。

***

「解らないんですね」さん、こんな僻地までパトロールご苦労様です。
何を書いてもご理解頂けないかとは存じますが、以下、ここを見て下さっている他の方のために書かせて頂きます。

「解らないんですね」さんが言いたいことは、要するに、「高橋大輔のファンが他の選手の悪口を言っているから、公的なメディアや他選手のファンが高橋大輔のファンの悪口を言うのは正義」という事のようですが、私が言わんとしているのは、そういう中学生のいじめっ子がいじめを正当化しているような話ではなくて、「ビジネスとして」「競技として」どうも未来につながる気がしないという話なのですが、読みとって頂けなかったようで、自分の文章力の不足を痛感する次第であります。

それから私は、「嫌いな選手や感動しなかった演技に拍手をしない」のも、客としての演技に対する満足度の表明であり、正当な権利だと思っています。

そもそも、演技に感動してファンになるんだから、「選手に対して好意を感じない」と「演技に感動しない」はイコールですね。
拍手が欲しいのならば、拍手して貰えるような演技をすれば良い。興味がなかった選手でも、演技に感動すればファンになるし、ファンってそうやって増やして行くものではないでしょうか。

現実には、日本の会場で観客が、「抗議の意志を表現するために、意図的に」ブーイングの声を出すのを私は聞いた事はありません。
(予想外の点が出たときに思わず出てくる「え?」という疑問の声を大勢の人が同時に発して、結果的に大きく響いてしまう事はよくありますが)
でも個人的には、ブーイングも観客の権利だと思います。
ステージに立つ以上、演技という「作品」を観客に披露する以上、好意的な評価だけでなく、時に批判的な評価も受ける覚悟が演者には求められると思います(趣味でやってる人の発表会なら話は別ですが)。
ていうか、義務的な拍手って、心にもないお世辞のようなものですよね。私だったら嬉しくないな。

それから、「演技」に対する「感動」だけでなく、感謝したり、励ましたりする気持ちを伝えるために拍手やスタオベをする事も時にはあります。2011年の神戸チャリティーで、某若手選手の演技にスタオベしたのは、演技が良かったというよりも、震災後で苦労しているだろう事に対する励ましの気持ちからでした。今では後悔しています。

もちろん、試合やショーの進行の妨げになったり、他の観客に対して視界を遮るなどの迷惑があったり、他人に危害を加えたりする行為はマナーに反すると思いますので、そこのラインは守るべきというか、そこは私なりに守ってますのでご安心下さい。

***

misakiさん、すみません。
私がGWを満喫し、その反動で連休後の仕事のバタバタに追われてしまい、対応が遅れてしまったが為によけいなお手数と心理的ご苦労をおかけしてしまいました。
「解らないんですね」さんのような方は、そもそも「敵(とご本人が思っている相手)」の言葉をまともに受け取ったりはなさらないので、misakiさんがわざわざご返答を書く必要はなかったのに、色々と調べて頂いてありがとうございます。
私も「解らないんですね」さんに向けてというより、ここを呼んで下さる他の方に向けて上記のコメントを書かせて頂きました。

***

ちょっとは新しい情報にも触れておこう…という訳で、青山選手、ブラジルW杯代表選出おめでとうございます!(←既に周回遅れである)。
大ちゃんの中学時代の同級生がサンフレッチェにいるっていうのは前から知ってたけど、保育園から一緒とは中々ディープですな。
あの連島のローカルな環境からJリーガーが誕生しただけでも驚愕の事実だというのに、W杯代表とはたまげました。
大ちゃんの幼なじみって事は、大ちゃんと同じく地元の子って事で、今年のW杯は応援のし甲斐があるというものです。

拍手コメントへのお返事

2014-05-18 18:39:00 | 日記
すっかり遅くなりましてすみません。
GWも遠くなりましたね。短いけど楽しかったです。皆さんはどのように過ごされたでしょうか。
例によって、長くなった拍手コメントへのお返事を掲載致します。

***

□2014/4/30 0:04
こんにちは。世界選手権現地に行かれたんですね。お疲れさまでした。その結果なみはやに見に行きたいと思わなくなったのは、残念ながら気持ちの問題ですからその人の自由だと思います。お気持ちはよく分かります。
試合もショーも見たい、楽しいと思う人が行けば良いというだけですから。
若いスケーターも、そう思わせるだけのスケートを見せれば、新しいファンを定着させる事もできるでしょう。私にはその価値があるとは思えませんが、そこは人それぞれです。

□2014/4/30 1:27
海さん、はじめまして。
海さんのように、TV等で見てきた人に、「一度生で見てみたい」と思わせ、会場まで連れて来たのは紛れもなく大ちゃんの「演技」の力だと思います。
初生演技、是非楽しんで来てください。
幾つかショーの予定が入っていますが、それだけ足の方の調子が良いという事であれば何よりです。
私は臨海の方に申し込んでいますが、どうやら落選したようです(涙)。

□2014/4/30 1:35
motoさんはじめまして。こんな辺鄙な所へわざわざありがとうございます。
私は普段テレビも見てないですし、いわゆるネット世論というものも信用していませんので、「最近の空気」というものがよく分かってないっていうのもあると思います。
当たり障りの無いことをわざわざ書くのも時間の無駄ですし、ここでは基本的に「私には物事がこういう風に見えている」という事を書いているつもりです。
あくまで私見ですので異論を持つ方もいらっしゃるかとは思いますが、読んで楽しんで頂けるなら幸いです。

□2014/4/30 11:41
女子について、私も数年前から公平な採点ではないと感じていましたが、あなたと私では「優遇されていると感じる選手」は一致しないかも知れません。
それはともかく、男子についてもここまでひどい状況になるとは思っていなかった自分は読みが甘かったのかなと思ってしまいます(憂慮してたからって何が出来たという訳ではありませんが)。
カザフスタンのショーは「ファンが見たいもの」をよく分かってるなと思うキャスティングですね。行けるものなら私も行きたいです。

□2014/4/30 14:46
こんにちは。コメントありがとうございます。
ここでは私が好きな事を書いているだけですが、こちらこそ読んで楽しんで頂けて嬉しいです。
大ちゃんの観察力はかなり鋭い印象を受けるので(角が立つような事は決して口には出さないけど)、少し競技から離れて客観的に見る事で、色々新しく見えて来る事もあるだろうなと思います。
その上での結論ならどうであれ私も応援したいと思います。

□2014/4/30 17:16
むつきさんこんにちは。
閲覧数は所詮瞬間最大風速なので、今ではすっかり落ち着いて元の閑古鳥状態ですよ(笑)。
皆さん褒めて下さいますが、正直、複雑な心境ではあるんです。できる事なら私も、審判を信頼していたかったですから。
この先大ちゃんが競技に復帰して高得点を出したとしても、素直に喜べないと思います。
どんな良い点を貰っても、演技に対する正当な評価ではなく、どうせ大人の事情なんだろうなと斜に構えてしまうから。
そしてそれ以上に、「大人の事情」で思うような点を出して貰えない可能性の方が高いんだろうなとも思ってしまいます。
でも仰るように、試合であれショーであれ、「高橋大輔のフィギュアスケート」を再び見る事ができるのはすごく楽しみではあるんですよ。
「ロクサーヌ」は本当に衝撃的でした。あんなインパクトを与えてくれるスケーター、そうはいないですよね。
大ちゃんの演技に心を揺さぶられればまたここでもそれを書いて行くと思いますし、彼ならきっと揺さぶってくれるだろうと思います。

□2014/5/3 0:35
基本のスケーティングが下手だと余分な力を使ってしまうので、後半スタミナが持たないんですよね。
テレビではジャンプの成否しか分からない(…とテレビで放映する人たちは思ってるように見える)けど、
生で見るとスケーティングの善し悪しは素人でも結構、分かるもんです。
でもそれも「主観の問題」で済まされてしまうんですよね。

□2014/5/4 17:28
こんにちは。
ソチオリンピックからハマったという方が意外に多くて嬉しいです。
点数や順位ではなく、演技それ自体を見てくれる方がそれだけ多いという事ですから。
「表現力」という言葉はあやふやで、時に都合良く使われてしまいますので、歯がゆくなる気持ちは私も同様です。
だからこそ私も、どうにかして自分なりに言葉にしてみたいなと思うのかも知れません

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その他、こんな辺鄙な海底ブログへ一言コメントを下さった方、拍手ボタンを押して下さった方、ROMって下さった皆様、ありがとうございました。

パンドラの箱再び

2014-04-29 20:28:00 | 日記
そういう訳で、ちょっと前に書いてたテキストをアップしておきます。
あんまり推敲できてないんで前のエントリーと重複してる部分もあるし、何よりネタが古いけど。

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先日理由あって久しぶりにワイドショーを見てたら、丁度例のSTAPとかいう細胞に関する記者会見の翌日で、ひたすらその話題ばっかりでした。
あれ見てつくづく思ったのは、マスコミ各社万能細胞について報じてるんじゃなくて、万能細胞をダシにして「オボちゃん」というキャラクターをいじってるだけなんだな、という事でした。
ワイドショーなんて昔からそんなもんだと言えばその通りなんだけど。

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このSTAP細胞と例の佐村河内騒動の共通点として、本質ではなく周辺の物語が取り沙汰されているだけだと指摘しているテキストを目にしました。

だって本質を語ろうにも、文系のアタシタチには最新の科学研究なんてさっぱりわからないし、クラッシック音楽を論じるような知識も教養も持ってないですもん。

昼間っからワイドショー見てる暇人な視聴者はもちろん、伝えるマスコミ関係者や偉そうなスタジオコメンテーターだって似たようなもんではないでしょうか。

だから「科学」も「音楽」も語らないというか語れない。
「被爆二世」で「全聾」だったり、「お祖母ちゃんの割烹着」を着た「リケジョの星」だったり、ロン毛にサングラスだったり巻髪にヴィヴィアン・ウエストウッドだったりする分かりやすいキャラクターに乗っかって騒ぐ。

…だけならいいけど、それで何かを分かったような気になってるのが滑稽だな、と思いました。だから簡単にだまされるんだよね、きっと。

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翻ってフィギュアを見ると、これもまたワイドショーを中心としたマスコミに取っては同じ事なんだろうなと思いました。
これが野球やサッカーなら部活だのスポーツ少年団だのでの経験者が一定の割合でそこら中にいて、競技の中身について語れる人も少なくないけど、競技人口の少ないフィギュアスケートは話が違う。

前のエントリーに書いたように、スケートそのものについては「わからない」事が広く一般社会でのコンセンサスと化しているから、スケートそのものではなく、その周辺でしか語れない。…って事なのかなと漠然と思う今日この頃です。

「金メダル」「世界最高得点」「天才少年(少女)」「
4回転ジャンプ」「3回転半ジャンプ※」…そして「日本のエース」
(※ワイドショー的視点だと、3Aは「3回転のアクセルジャンプ」ではなく「3回転半のジャンプ」として語られているような気がします。ジャンプの種類は「わからないもの」けど回転数なら「わかる」って事なんでしょうね)

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そもそも私、大ちゃんが自分を「日本のエース」と自称した発言を見聞きした記憶がないんですが、私が忘れているだけなんでしょうか?
私自身が、これと言った定義もない「日本のエース」とか言うキャッチフレーズにさしたるステイタスを感じていないせいもあるのかも知れませんが。

寧ろ、他の日本男子選手…というか、他選手を新しい「スター」として祭り上げたいマスコミや関係者の方が、「日本のエース」という言葉に拘っているように感じていました。
まるで、高橋大輔から「日本のエース」の称号を奪えば、ファンや人気もそっくりそのまま付いて来る、と思っているように見えて、そこにすごく違和感を感じたまま今に至っております。

だって私たちファンは、「日本のエース」の肩書きを見るためにショーや試合の会場に足を運んでいる訳じゃない。
点数ではないしメダルでもない、「高橋大輔の演技」が見たい、その一心でチケットを買い、会場に向かう訳ですよ。

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バンクーバーの辺りから、大ちゃんと某女子選手をセットで語る人がたまにいますが、全く違うと私は思います。
某女子選手が華々しくシニアデビューを飾り、お茶の間の話題を独占し、大手企業がわんさかスポンサーに付いてトリノ五輪に出せ出せと皆が騒いでいた頃。
一方大ちゃんは「そういえば男子もいたっけ」みたいな扱いでした。
寧ろマスコミは、「有名戦国武将の子孫」という分かりやすい「キャラクター」を持ったもう一人の選手をスターとして持ち上げたがっていて、大ちゃんはどちらかというと引き立て役っぽく扱われていた印象があります。
(当時は大ちゃんのファンじゃなかったというか、フィギュア自体に興味なかったから、これはファンのヒイキ目ではない、はず)

個人的には、大ちゃんの人気はマスコミ主導ではなく、ファンの口コミで草の根的に広まった感じに近いと思います。

私自身、「ノクターン」の「演技」を見て決定的に「ハマった」訳ですが、当時ブログに大ちゃんの事を書いた時のアクセス数の増加はすごかった。
潜在的なファンの需要はあるのに、マスコミなどの発信する情報の供給が追いついていない、故にこんな辺境のブログにも、情報に飢えたファンたちが押し寄せて来る…そんな印象がありました。
これ、マスコミ主導ではなく口コミで人気がじわじわ来てる時の感覚なんですよね。

試合で結果を出せばマスコミの扱いは大きくなる。
でもそれだけなら、ニュース見て終わり。時が経てばマスコミの話題も他に移ります。
ニュースでの扱いはあくまで入り口。そこで「たまたま」演技を目にして、「素敵だな」と思うところが本当の始まりだと思います。

そこで試合なりショーなりの番組をチェックして、そうこうする内に会場で生で見たいと思う。そうしていざ生で演技を見て感動するからこそ、2度、3度と足を運ぼうという気になる。

お店でもテーマパークでも、人気を維持するには「リピーター」の獲得が必須だと申します。一見さんが一見さんのままで終わるようなら長くは持ちません。

高橋大輔の人気は、そうして積み上げられて来た、と私は思います。
自分自身もファンなのに、たまにすごく熱いファンが多いなってびっくりするんですよね。私がハマッたトリノの頃から比べても、随分増えたと感じます。
でもファンの多くはトリノの頃の私と同じく、何かのきっかけでたまたま目にした彼の演技がドツボにハマったんだろうなあ、とも思います。

そう言えば大ちゃんは、「ソナチネ」を、作曲者(を自称する人)のプロフィール(当時はみんな信じてた)ではなく、曲そのものを気に入って選んだと言ってました。
さもありなん、と思います。
バンクーバーの「道」だって、映画は見てないとかどっかで言ってたし、基本的には「音楽」それ自体に共鳴するのであって、音楽に付随する「物語」にはそれほど興味を持たないタイプなんだろうなと。

そういう人だからこそ、フィギュアスケートを語る言葉を持たない私たちにも、問答無用で「素敵だ」と思わせて引き寄せる、そんな演技ができるのかも知れません。

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実は私、4月6日のなみはやドームでのショーのチケットを持っていました。大ちゃんが出なくても、一応、8割くらいは見に行く方向に傾いてはいたのですよ。
でも世界選手権男子シングルの優勝者様の、高橋大輔が出てなくても客席が埋まってて良かっただの何だのいう有り難いお言葉を伝え聞いて見に行くのやめました。

何か、アホらしくなってしまった。

なにが悲しくて、高いチケット買ってわざわざ会場に足を運んだ挙げ句に出場者からディスられにゃならんのかと。

ここ最近、高橋大輔のファンを非難する風潮が一部にありますが(他スケーターの痛いファンだけじゃなく、一応プロのライターまでが一緒になってやってる)、言われてる事の大半は、別に非難されるようなものではないと思います。

私たちは、自分が良いと思ったものを賞賛し、良いと思った演技に喝采を贈り、その人の演技が好きだと思ったスケーターを応援しています。
すべてのスケーターを「平等に」応援する義務なんてないし、スケート連盟がプッシュするスケーターのファンにならなければならない理由もありません。

そもそも「フィギュアスケート」を見に来なければならない義務もないし、ファンになる対象をフィギュアの選手の中から選ぶ必要もありません。

決して安くないチケットを買い、交通費と、時には宿泊料をかけ、時間と労力を使って会場に足を運ぶのは、そうしてでも見るだけの価値が高橋大輔の演技にあると思うからです。

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本当に不思議なんだけど、大ちゃんのファンに対していちいち当てつけがましい事を言うライターや選手は、一体観客が何のために大枚はたいて会場に来てると思ってるんでしょう。
理由はなくても、黙ってチケットを買って馳せ参じるのが当たり前だとでも思ってる?

他選手の人気に、大ちゃんのファンがどうのこうの、は関係ないと思います。
高い代償に見合うだけの価値があるものを提供できるかどうか、それがすべてではないでしょうか。
その選手の演技に、お金と時間と労力を注ぐ価値があると思う、そういう人が多数いるなら、マスコミ使って「○○フィーバー!」なんて宣伝せずともお客様は集まって来るでしょう。
(ていうか、とりあえず「点数」の上では基礎のスケーティングも音楽の表現も世界最高レベルと評価されている訳で、採点が適切に行われた上でその結果が出ているというのであれば、その選手の「演技」に感動する人続出で黙ってても大フィーバー起きてるはずなので、何も心配する必要はないと思うんですけどね。あくまで採点が正しければ、の話ですけどね)

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それにしても。
化学もクラシック音楽も分からない私たちが、どうやってそれを本物だと認識したんでしょうか。
そこには、無知な私たちに代わって「お墨付き」を与える「権威」が存在していたはず。

それが偽物だとなれば、祭り上げられた本人たちだけでなく、お墨付きを与えた「権威」への信用も失墜するというものです。

佐村河内騒動では、NHKがそうでしたね。天下のNHKがもっともらしいドキュメンタリーで取り上げたからこそ、私たちはそれを信じました。
STAP細胞にしても、お墨付きを与えた「権威」が最初にいたはずですけど…どこの誰?私この騒ぎよく知らないので分かりませんが、「オボちゃん」ひとりでこんな大騒ぎにはならないと思うんですけど。
(あと、先端科学の分野ではそう簡単に真偽の結論は出ないもの、らしいですよ)

そしてフィギュアの場合は、審判が「お墨付き」を与える「権威」のはずです。
そして私は彼らを信用していません。

そう言えば、ソチ五輪の女子シングルの結果に異を唱える韓国の抗議はまだまだ続きそうですね。
金メダリストへの得点を疑問視し、銀メダリストを真の勝者と主張して、あわよくば結果を覆そうとしている様子は、まんま4年前の、バンクーバーの女子銀メダリストのファンたちを見ているようです。
…というとバンクーバー女子銀メダリストのファンから怒られそうですが。

でも、対象となる選手が違っても、審判の出した得点を信用していない、という点では同じです。

人間の目は案外いい加減で自分の見たいものを見てしまうから、自分の応援する選手の演技は甘く、ライバルの演技は厳しい目で見てしまうものです。
だからこそ、審判に対する「客観的で適切な判定をしている」という信頼がなければ競技が成立しないはずなんですけどね。

(私を含めて)誰もが好き勝手な主張を繰り広げている現状を見るに、この競技の審判は最早誰からも信頼されていないんじゃないかって気がして来ます。

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フィギュアスケートという競技自体の繁栄を考えている大ちゃんには大変申し訳ないんですけど、やはり私が見たいのは、「フィギュアスケート」ではなく「高橋大輔のスケート」のようです。

それを非難する向きもあるようですが、ただの観客に過ぎない私が、何に対してお財布のヒモをゆるめるのかは私の自由だと思います。
自分が、それに対してお金を払うに値する、それだけの価値があると思うなら、他のものにももちろんお金は払います。それは何もスケートに関するものでなくても良いんですよね。

現状、大ちゃんの出ない試合やショーに行くよりも、自分が滑るためにリンクに足を運ぶ方がずっと楽しいです。

でも、本当の意味でフィギュアが「人気競技」になるには、選手をタレントとして扱うのではなく、競技の中身を語れる人がもっと増える必要があると思うし、その為には「ちゃんと」スケートを滑る人が増える事こそ、本当に必要な事なんじゃないかな、とも思います。

当のフィギュアの関係者が望んでいるのはその逆のようですが。

…まあ、私がスケートするのは単に楽しいからですけどね。
楽しいですよー自分で滑るスケート(神戸ポーアイの大人のスケート教室は自分の経験上おすすめはしませんが)。