一般的に、アメリカは軍国主義国家であるとみなされている。アメリカの軍事費は約4200億ドル、世界の軍事費の約40%にあたる。アメリカ国外に700を越えるアメリカ軍基地が存在し、ほぼ世界の隅々に基地が行き渡っている。そんな国はアメリカ以外にはない。アメリカがローマ帝国になぞらえられる所以である。したがって、アメリカは軍事力で世界を支配していると観る見方には一定の説得力がある。
もし、アメリカが軍事力によって世界を支配しているなら、強いてドルが基軸通貨である必要はないかもしれない。軍事力で世界の富を吸い上げることができるならそれで十分だ。しかし、軍事力で本当に世界が支配できるだろうか。
南米全体がアメリカに反旗を翻したら、南米の主要都市すべてを爆撃できるだろうか。そこにアフリカが加わったら、アフリカ中を爆撃できるだろうか。物理的には十分可能だが、廃墟の世界から何か得るものがあるとは思えない。世界を何度も破壊できる軍事力を保持していても、実際には局地戦以上の戦いは行えないというのが現実だ。
では、基軸通貨ドルはどうだろうか。
こちらのほうは、世界の都市インフラを温存したまま、世界を破壊できる。しかも、一瞬にしてだ。別に冗談を言っているわけではない。方法はとても簡単だ。アメリカはこう宣言しさえすればいいのだ。
「アメリカはいっさいの対外債務を償還する気はない」
これだけで十分だ。
国家がその借金を返す気がない、と宣言すれば、その国の通貨は一瞬にして信用を失う。ドル大暴落である。世界に流通している300兆ドルが一瞬にして紙切れになる。そして世界大恐慌がおこる。
世界に300兆ドルも流通しているドルというのは、すでに非常に不安定な状態なのだ。些細な事でも暴落する危険がある。10年以上前から、世界の学者やエコノミストが暴落すると言い続けている。そのくらいドルというのは不安定なのだ。
ドルというのは、血液のように毛細血管の隅々にまで行き渡っている。ドル大暴落とは、心臓停止に等しい。世界中の株式市場は、大暴落し経済が瞬時にして破壊される。国家や企業、民間のドル資産はただの紙切れとなる。世界中に失業者があふれ、エネルギー価格は大暴騰し、ほとんどの社会機能が停止するだろう。
エネルギー自給率、食糧自給率が共に100%の国はほとんどない。アメリカはエネルギー自給率が70%、食料自給率が120%だが、隣国のカナダはともに100%を軽く越えている。この両国をあわせれば世界恐慌を乗りきれるだろう。あとはオーストラリア、ロシア、中国くらいだ。
世界は一度、大恐慌を経験している。しかし、1929年に始まった大恐慌よりも、社会インフラが高度に発達した現代の方がはるかに被害は甚大なものとなるだろう。世界にとって大恐慌の再来ほど恐ろしいものはないのだ。だから、世界はグラグラのドルを必死になって支えざるを得ないのだ。
これは、あくまで基軸通貨ドルの持つ潜在的な破壊力の話しをしているだけで、アメリカがそれを本気で考えているかどうかは、まったく別の話しだ。核兵器の破壊力とそれの使用の可能性と同じだ。
アメリカはドルの持つ破壊力を十分理解したうえで世界戦略を組んでいる。世界は、アメリカの軍事力よりも、ドルの破壊力をこそ怖れていると言えるのだ。
もし、アメリカが軍事力によって世界を支配しているなら、強いてドルが基軸通貨である必要はないかもしれない。軍事力で世界の富を吸い上げることができるならそれで十分だ。しかし、軍事力で本当に世界が支配できるだろうか。
南米全体がアメリカに反旗を翻したら、南米の主要都市すべてを爆撃できるだろうか。そこにアフリカが加わったら、アフリカ中を爆撃できるだろうか。物理的には十分可能だが、廃墟の世界から何か得るものがあるとは思えない。世界を何度も破壊できる軍事力を保持していても、実際には局地戦以上の戦いは行えないというのが現実だ。
では、基軸通貨ドルはどうだろうか。
こちらのほうは、世界の都市インフラを温存したまま、世界を破壊できる。しかも、一瞬にしてだ。別に冗談を言っているわけではない。方法はとても簡単だ。アメリカはこう宣言しさえすればいいのだ。
「アメリカはいっさいの対外債務を償還する気はない」
これだけで十分だ。
国家がその借金を返す気がない、と宣言すれば、その国の通貨は一瞬にして信用を失う。ドル大暴落である。世界に流通している300兆ドルが一瞬にして紙切れになる。そして世界大恐慌がおこる。
世界に300兆ドルも流通しているドルというのは、すでに非常に不安定な状態なのだ。些細な事でも暴落する危険がある。10年以上前から、世界の学者やエコノミストが暴落すると言い続けている。そのくらいドルというのは不安定なのだ。
ドルというのは、血液のように毛細血管の隅々にまで行き渡っている。ドル大暴落とは、心臓停止に等しい。世界中の株式市場は、大暴落し経済が瞬時にして破壊される。国家や企業、民間のドル資産はただの紙切れとなる。世界中に失業者があふれ、エネルギー価格は大暴騰し、ほとんどの社会機能が停止するだろう。
エネルギー自給率、食糧自給率が共に100%の国はほとんどない。アメリカはエネルギー自給率が70%、食料自給率が120%だが、隣国のカナダはともに100%を軽く越えている。この両国をあわせれば世界恐慌を乗りきれるだろう。あとはオーストラリア、ロシア、中国くらいだ。
世界は一度、大恐慌を経験している。しかし、1929年に始まった大恐慌よりも、社会インフラが高度に発達した現代の方がはるかに被害は甚大なものとなるだろう。世界にとって大恐慌の再来ほど恐ろしいものはないのだ。だから、世界はグラグラのドルを必死になって支えざるを得ないのだ。
これは、あくまで基軸通貨ドルの持つ潜在的な破壊力の話しをしているだけで、アメリカがそれを本気で考えているかどうかは、まったく別の話しだ。核兵器の破壊力とそれの使用の可能性と同じだ。
アメリカはドルの持つ破壊力を十分理解したうえで世界戦略を組んでいる。世界は、アメリカの軍事力よりも、ドルの破壊力をこそ怖れていると言えるのだ。