昨日の夜
「このログの最初の頃って
どんなこと書いてたのかな~」と思い
6年前のちょうど昨日の日付の記事を見たら
今はすっかり自分でも忘れていることが
書いてあったので(笑)
再掲してみたいと思います!
http://blog.goo.ne.jp/leier-tomoko/e/8b769c63dc037aa1ccff2d3ede9017cd
**************
「辻音楽師」2008年6月8日
今日、気持ちのいい風に吹かれていたら、
6年前のちょうど今頃のことをふと思い出しました。
当時私はドイツのデュッセルドルフという所に住んでいました。
ドイツの街角ではお天気がいいと
いろいろな楽器を演奏する辻音楽師が、
街角で楽しげに演奏しています。
「いいな~、ああいうことライアーでもやってみたいな~。」
と、当時はまだあまり上手に弾けなかったけれども、
ライアーを街角で弾いてみたいなぁ、と思っていたが・・・
どっちゃり日本人駐在のひとたちがいる
デュッセルドルフの街角で演奏しようものなら、
「みのさんが、変なことしてた~」と、
すぐ噂話のタネになりそうだったので、 私は策を練った。
絶対に日本人がいそうもない、田舎町で辻音楽師をやればいい!
と、思いつき、地図を広げた。
とってもお天気がよく、気持ちよく晴れた日に
私はライアーと、簡易いすを車に積んで、
自宅から50キロくらい離れた、こじんまりした、とある田舎町へと
アウトーバーン(ドイツの高速道路)をぶっ飛ばした。
初めて訪れた町だったけど、いい感じで落ち着いていて私好み・・・
市場へと続く歩道の、桜の花が咲いている木の下に荷物を降ろす。
いざ、ライアーのふたを開けて、弾こうとするけど、
ちょっとためらいが・・・
大して上手には弾けないわりには、
実に思い切った行動をとったものだと
我ながら自分にあきれつつも、
せっかく来たから・・・
そして、風も心地いいし。
と、当時のありったけのレパートリーを弾き出した・・・
これがまた、通り過ぎる人の反応ゼロ。
とほほほ。
「まあ、こんなもんよね」 と開き直り、
気持ちいい風を受けつつ、ぽろぽろと弾いて
どれほどの時がたったのか。
気がつくと、子供たちの学校のお迎えの時間が迫っていた。
だって、またばびゅ~んとアウトーバーンを50キロ以上の道のりを
ぶっ飛ばさないといけないから。
最後にそうだ! と思いついて
日本のお琴の音階で即興的に弾き始めた。
(ドとソの音を抜かした、いわゆるよなぬきという音階)
するとどうしたことか・・・
その日本的なエキゾチックな音階が流れ始めたとたんに
道行く人が私に注目し始め、
あっという間に人垣ができてしまった。
「ををっ~!」
遠慮深げに開いていたライアーケースの中に
ちゃり、ちゃりとコインが投げ込まれるではないか!
「Danke Danke」を (ダンケはドイツ語のありがとうです)
繰り返しながら、こころの中では「ブラボーっ!」
優しそうなドイツ人おばあさんからは
「祖国を離れて、一人で音楽のお勉強?大変ね~、がんばってね!」
と励ましのお言葉までいただいた。あははは。
(私は若き音大生ではないけどね・・・)
私の唯一、一回こっきりの辻音楽師体験でした。
和の音階のメロディーのチカラを実感しつつ、
変な行動を取ってしまう自分にあきれながらも
こころ踊る、愉快な体験でした。
♪♪ ライアー愛好者の方、ドとソ抜きで弾いてみると
(レミファラシレミ・・・)
あっという間にライアーが、お琴に変身しますよ。
是非お試しください ♪♪