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Left to Write

司法書士 岡住貞宏の雑記帳

原則と例外

2021-06-22 10:38:44 | 世の中のこと

 オリンピックは開催するのが原則、中止は例外。日本は自ら手を挙げて、オリンピック開催を引き受けることを国際的に約束した。その約束を「破る」という例外を取るためは、相当の強い理由が必要。

 飲食店の営業は自由なのが原則、制限するのは例外。憲法は営業の自由を保障していると言われる。憲法上の保障に反する制限を取るためには、相当の強い理由が必要。制限に対する補償の有無多寡も、ひとつの判断要素であろう。

 重要なことは、オリンピックも営業制限も、「YesかNoか」が対等でどちらかを自由に制約なく選ぶものではない、ということ。はじめから原則・例外の重みの違いがある(無論、原則が重い)。今回、例外の対処を取るならば、その理由が相当であるかを厳しく吟味しなければならない。簡単なことではない。

 短絡的な批判を招くと嫌なので強調しておくが、すべて「原則が重い、原則どおりにすべきだ」と主張しているのではない。もとより、例外はあり得る。ただ、例外を選択するならその理由がきちんと問われなければならないと言っている。

 さらに誤解を招くと嫌なので付け加えるならば、

「オリンピックを原則どおりやるなら、飲食店の営業も原則どおり自由にすべき」

とは言ってないし、

「飲食店の営業は例外的に制限されたのだから、オリンピックも例外的に中止すべき」

とも言ってない。

 オリンピックの開催と飲食店の営業は別のことだ(関連性はあるにしても)。

 「学校の運動会が中止になったのだから、オリンピックも中止にすべき」

 憤りは理解するが、あまりに飛躍した考えであるのは言うまでもない。こういう声を正面切って報道するのも、いかがなものかと思う。


内閣不信任案と解散と総選挙

2021-06-16 14:13:38 | 世の中のこと

 野党が提出した内閣不信任案を受けて、与党筋が「解散だ」と言ったのが悪いとかどうとか。

 なーにを言っとるんだ、解散当然じゃないか。与党を解散・総選挙に「追い込む」ためにこそ不信任案出すんだろが。

 コロナ禍の最中に選挙なんて・・・という批判があるとかどうとか。

 なーーーにを言っとるんだ、選挙は民主主義の根幹、民意を示す最高の手段。政府のコロナ対策が気に食わないなら、オリンピックが気に入らないなら、それこそ「即刻、選挙せよ!」だろが。

 昨今、政治の基本が滅茶苦茶になっている気がする。与党も悪くないとは言わないが、元凶は間違いなく野党とマスコミ。総選挙しない限りずっと野党のままだ、それでいいのか?

 ああ、そもそも政権なんか取りたくないのか?責任のない立場で口先の批判だけして高給もらってたいのか?それじゃしょうがないねぇ(嘲笑

 今回もオリンピックを控えて「政権はすぐさま総選挙に打って出ないだろう」という見込みの下に不信任出してんだもんな臆病者。恥を知れ。


ワクチンの分配と正義

2021-05-25 11:26:37 | 世の中のこと

 ワクチンが足りない、ワクチンが遅い――何をしても批判ばかりのわが国民は今日も大合唱です。

 しかし冷静に考えてみたらどうなんでしょうか?わが国の感染状況は悪化しているとはいえ、世界的に見ればまだ「マシ」な方です。正確な数字は調べていませんが、人口当たりの感染者数の比較では、たぶん真ん中より下(「感染者数が少ない」って意味)。ワクチンにより急速に、劇的に状況が改善したというイギリスと同等、ドイツ、フランスよりはずっと状況は良いようです。

 一方のワクチンは、世界的な増産体制に入っているとはいえ、世界人口から考えたらまだまだ不足しているのは間違いありません。ワクチンは世界の公共財、それも有限の公共財ですから、その分配には正義が必要でしょう。大国・先進国が金に飽かせて買い占める――なんて、著しく正義に悖ることです。

 分配の基準には、当然、現在の感染状況も斟酌されるべきでしょう。そうすると比較的「マシ」な日本は、やや後回しになっても仕方ないのでは?少なくとも、他国のことを顧みず、世界の状況も考えず、「それっ競争だ!」とワクチン確保に邁進したとしたら、私はそのことの方を恥ずかしいと感じます。わが国の現状では、ワクチンは世界に比べて少し遅いくらいで良いです。その分、状況の悪い国、とりわけ医療体制の整っていない開発途上国に回すべきでしょう。そう、「わが国の金」で、そのような国にワクチンを回すべきでしょう。

 ワクチンは有限ではありますが、将来を見越していうなら、増産によりやがて世界の人々全員に行き渡ることでしょう。少し、待ちましょう。その少しが待てませんか?

 と、そんなことを考えていたら、こんなニュースが飛び込んできました。

 

 ワクチンの75%は10か国に集中、テドロス氏「恥ずべき不公平だ」

 

 ネットニュース記事はすぐ流れてしまうので、おおまかな内容を記しておくなら、次のようなことです。

「ワクチンの75%は先進国10か国に集中している。この状況をWHOテドロス事務局長は、『恥ずべき不公平だ。ワクチンが公平に分配されていれば、世界の医療従事者・高齢者に接種するのに十分な量だった。そうすればもっと良い状況にいられた』と批判した。」

 テドロスというオッサンの評価はちょっと脇に置くとしても、この指摘はおっしゃる通り。グローバル社会だ何だと偉そうに言ったところで、結局は自国中心のエゴイズム。人類はいったい何を学んで来たんでしょう。救い難いとしか言いようがありません。

 このまま行ってもエゴイズムによる殺し合いの未来しか見えません。人類はいっそここで、コロナで滅んでしまうのがいいのではないでしょうか。

 


努力

2021-05-24 17:43:48 | 世の中のこと

 アメリカのロースクール、それもLL.MだけでなくJ.D.を卒業するなんて、英語を母国語としない日本人のうちどれだけの人が達成できるだろうか?それもスカラーシップを受けての修了とは、頭が下がる。

 ああだこうだ愚にもつかない悪口を言う人はいる。だけど断言していい。文字どおり死ぬほど努力しないと無理だよ、彼のやり遂げたことは。そんな努力をしたことがある人なんて、世の中にどれだけいるんだろう。努力の欠片もせず、ただ他人を妬んでる奴らばかりだ。

 日本で結婚しても糞蠅どもがうるさくて、どうにもならないだろう。Bar exam通ったらそのままアメリカのローファーム(日本企業をクライアントとするところでは重宝されるだろう)に就職して、アメリカで結婚したらどうだろうか。皇籍を離れれば自由なはずだ。


オリンピック中止の場合の損害賠償

2021-05-17 14:10:18 | 世の中のこと

 東京オリンピック開幕まで残り日数もあとわずか。中止!中止!の大合唱のさなかではありますが。

 

 オリンピック中止に対する私個人の意見としては・・・分かりません、何も言えません。だって、新型コロナウイルスのこともスポーツのこともオリンピックのことも全くのシロウトなのに、なんもモノ言えませんや。「中止以外あり得ない」とか「政府はバカ」とか、自信たっぷりに断言する輩を見ては、世の中にはずいぶん「専門家」が多いんだなぁと感心して嗤っています。

 

 さて、そうは言っても中止はだいぶ現実味を帯びて来たのかなと、トーシロの私でもそう見える状況にはなって来ました。

 この場合、「オリンピック中止という意思決定をする」のは、一体だれ(どの組織)なんですかね?オリンピックの主催者は国際オリンピック委員会(IOC)なのだそうですから、最終的な決定を下すのは当然、IOCなんでしょうね。無論、それは開催都市である東京、開催国である日本と協議の上でのことでしょうけど。本当の最後の最後、中止を「決める」のはやっぱり主催者であるIOCなのでしょう。

 

 「オリンピック中止を決定しない政府はバカ」と言うけれど、それは少し筋違いなんじゃないですかね?日本政府又は東京都ができるのは、「オリンピックを中止してください」というお願いか、あるいはもう少し強硬に「オリンピック開催を強行しても協力しないし、会場を貸さない」という通告か。裏返して言うと、開催都市として手を挙げ決定された以上、オリンピック開催に協力し、整備された会場を提供するなどの「義務」を負っていることになります。

 もし、IOCが「どうしても東京オリンピックはやる」と決定した場合、それに反し、日本国及び東京都が開催に協力せず、会場を提供しない場合(結果としてオリンピックは中止に追い込まれます)は義務違反(債務不履行)であり、損害賠償の対象にもなり得ます。IOCが日本国又は東京都に対し、損害賠償請求するってことです。もっとも、コロナウイルスの蔓延は不可抗力ですから、日本国又は東京都はそれを理由に損害賠償を免れる可能性もあります。

 

 報道では橋下徹さんがオリンピック中止の場合の損害賠償の問題に触れ、その金額は「限定的ではないか?(そう多額にはならない)」という趣旨のことをおっしゃっていました。私もおおむねそう思いますが、この結論を下すにはなお綿密な検討が必要でしょう。

 

 どうやらIOCの方でオリンピック中止を決定した場合には、開催都市・開催国に対し責任を負わないとする免責条項があるようです。つまり日本国および東京都はIOCに、オリンピックを「開催しなかった」ことについての損害賠償請求をできないと。その逆の条項はないのかな?あってもよさそうなもんですが、その辺は知りません。

 

 コロナもオリンピックもドシロウトですが債務不履行・損害賠償についてはそうでもないので、多少モノ言いましたよ笑。悪しからず。

 

 


みっともないね

2021-05-07 23:56:20 | 世の中のこと

政府の対策は生ぬるいと言う一方、政府が国民の行動を制限するのはけしからんと言う。

こんな時期にオリンピックはあり得ないと言う一方、飲食店の時短営業は一刻も早く解除せよという。

 

私自身は何も言えないと思っている。感染症のことも公衆衛生のことも、経済のことも、全く素人だから。

 

でも、ダブルスタンダードは容易に分かる。そして、そういうご都合主義の、みっともない真似だけはしたくないと思っている。

 

みっともないね、マスコミ。今に始まったことじゃないけど。

 

そして国民の一人一人。あなたはみっともない真似してませんか?

 

どうも心許ないです。みっともないですよ、ダブルスタンダードは。ご都合主義は。

 

あなたのことです。


秘密の合言葉

2021-04-27 10:57:34 | 世の中のこと

 パスワードで入るサイトなどにおいて、通常と異なる方法・環境でログインしようとすると「秘密の合言葉」の入力を求められることがあります。

 この「合言葉」は、あらかじめ自分で設定しておくものですが、サイト側で提示される「設問」がどうもビミョーで困ります。

 

『卒業した小学校は?』

 私は○○市立△△小学校卒業ですが、入力は正式に○○市立からにすべきか、単に△△小学校にすべきか、もっと省略して△△小なのか、悩みます。

 そんなもん自分で事前に決めときゃいいだけの話だろ?というご批判はごもっとも。だけどね、自分で決めたとしてもそれを「決めた時」と「合言葉を入力する時」は、ずいぶん時間が経ってるんですわ。何に決めたのかを忘れたよ、ということになります。

 △△小学校か?あれ、違うな。じゃあ○○市立△△小学校?んんっ、これも違う・・・それじゃ単に△△小?でもなぁ、そんな簡略形で合言葉設定したのかいな・・・?

 と、「合言葉を3回間違えるとリセットします」という警告を目の前に、いろいろ思い悩むワケであります。

 

『母親の旧姓は?』

 いろいろ微妙な問題を経て結局は出生時の姓=現姓なんだけど、どうするい?

 

『子供の頃好きだった食べ物は?』

 ひとつじゃねーよ。

 

『初めて観た映画は?』

 覚えてねーよ。

 

『ペットの名前は?』

 いつのペットだよ。

 

『親友の名前は?』

 いねーよ。

 

 絶対に答えにブレの生じない『母の氏名は?』とか、『父方の祖父の氏名は?』とか、そういう合言葉にできないもんでしょうか?それだと他人が簡単に調べられるので不適当だと、サイト側では考えているのかな。でも母の氏名はともかく祖父の氏名になると、そう簡単には調べられないと思うのだけどな。サイトによっては自分で質問を設定できるところもあり、そういうとこでは私は『父方の祖父の氏名(漢字)』とすることが多いです。

 

 中には、どんな設問にも「同じ答え」しか設定しないという猛者もいるようです。『母の旧姓は?』「たわし」、『好きな食べ物は?』「たわし」、『はじめてデートした場所は?』「たわし」というように。

 そりゃナイスアイデアだ!と思いましたが、ダメなようです。だって既に合言葉登録しちゃったサイトがいくつもありますから。ちゃんとした合言葉を設定したサイトなのか、「たわし」で登録したサイトなのか、区別ができません。「たわし作戦」で行くなら、最初から一貫していないとダメです。

 

 とまぁ、久しぶりに投稿したブログがこんなネタですいません(^^;;

 


国会代表質問にて

2021-01-21 11:50:42 | 世の中のこと

菅総理「判断の遅れが感染の蔓延を招いたとの指摘は当たりません」

野党ヤジ「えーーーっ!」

 

……_| ̄|〇

小学生かよ……

 

良きにつけ悪しきにつけ、社会が大きく動いているときは政治的な変革のチャンスでもある。

民主党政権は悪夢だった。私もそう思う。だけど、それでも政権交代は必要だ。政権交代を繰り返し、失敗も経験する中で国政は発展して行くのだと思う。

その意味で健全な野党が成長することを期待しているのだけど、やってることは「えーーーっ!」。

 

………_| ̄|……((〇

ダメだこの国。もう無理。

 

政府のコロナ対策がとても素晴らしいとは思えない。だけど、一方の野党は素晴らしくも素晴らしくなくもない。だって何もしてないから。

野党だから何もできない?バカめ、そんなことあるかい。もう永遠に野党でいろ、それ以上は無理。


SNSと言論の自由

2021-01-19 14:16:14 | 世の中のこと

 Twitter社がトランプ大統領(本日現在かろうじて現職)のアカウントを凍結し、問題となっています。片や「言論の自由の侵害だ」といい、片や「デマを流し社会に害悪を与える言論は許さない」という。甲論乙駁、激しい議論が展開されております。

 私はちょっと、別の感想を抱いています。

 それは、「Twitterを凍結=言論の自由の侵害」という図式がほぼ出来上がっていることへの驚き。今回のトランプ・アカウント凍結に賛成する人だって、「なにがしかの自由の侵害にはなるが、許される範囲内」と考えているようです。

 TwitterやFacebookが登場して、まだせいぜい10年~十数年ですよね。その新興テクノロジーが、今や言論の自由の核心的部分を握っている。と、少なくともそう信じられている。これはまさに、驚きというほかありません。

 

 いやしかし、こんなことでいいのかなぁ?それって、SNS運営会社に鼻っ面つかまれて引きずり回されているだけのことと違いますか?今回、「アカウント凍結してはいけない」と主張している人々は、言論の自由は「広く認められるべき」と考えているのでしょう。そのカシコき自由人様が、Twitterにはしっかり首根っこ押さえられ、鎖につながれて、不自由さに気付きもしない。そんなことでいいんですかい?

 私がいうまでもなく、TwitterもFacebookも本質的には広告である。広告を収入源としている。あなたのネット上での行動傾向をこっそり監視しては、「ほら、あなたこれ好きでしょ?これも好きでしょ?」と囁き、あなたはホイホイ乗せられ、ポチっと注文する。その注文代金の一部が、巡り巡ってSNSの収入となる。そういうことですよね?分かってますよね?

 アカウント凍結に文句あるなら、本当はこう言うべきなんじゃないですか?

 「たかが『ネット上のチラシ』の分際で偉そうにするな。ツィートなんて『チラシの裏の落書き』だ。凍結すんならお前んとこなんか使わないわ」

 SNSなんてただの娯楽――そう思えない人(言論の自由ガー、と言ってしまう人)は、すでに人生半分SNSに支配されているんじゃないかな?麻薬依存者が麻薬を取り上げられて怒っている。怒っているというより、焦燥に駆られている。アカウント凍結に怒る人は、失礼ながらそう見えてしまいます。

 以前も申し上げましたが、私はかつてよく使っていたFacebookをほとんど止めてしまい、ごく限定的な使用(告知用など。チラシだからねw)しかしていません。Facebookをやめて、実に快適です。特に困ったこともありません。情報不足?この時代、SNSじゃなくても情報にあふれてますよ(笑)フェイクニュースもまともなニュースも。

 

 SNSなんて別に世の中になくてもいいんじゃね?そう思いませんか?

 

【追記】

 上記本文では正面からSNSを批判しましたが、裏から言えば、政治家や大企業など庶民を操りたい勢力にとって、この巨大洗脳装置(SNS)を利用できるかどうかは死活問題なんでしょうな。トランプ(陣営)も、この超重要装置の利用権をにわかに失って焦っている、そういうことでしょう。

 それなのに、当の洗脳されている側(庶民)が「言論の自由」の問題として怒っているという・・・救いがたい〇カですね。

 


デカルトに学べ

2020-12-02 14:15:19 | 世の中のこと

 

 

 アメリカ大統領選挙はようやくバイデン勝利という結果に落ち着きそうです。

 それにしても、実に興味深い現象が起きています。どうあってもトランプの敗北を認めない、バイデンは不正をしたと信じる層がかなりの数います。当初はネット(匿名掲示板等)上のいわゆる「煽りネタ」だと思っていましたが、Facebook等において「顔出し」で堂々と、奇妙奇天烈な陰謀論を繰り返す人々が現実にいて(そしてその友達が好意的コメントを寄せる)、「あー、本気でそう思っている人がかなりいるんだ」と知りました。

 彼らは「マスコミなんて信じない。マスゴミめ!」と既存メディアを攻撃し、それがどうもおかしな方向に向かっているのは前回記事に記したとおりです。しかし「マスゴミ」を批判する彼らとて情報源は必要な訳で、何を根拠に主張を繰り返しているのかと見れば、怪しいSNS記事だったり、YouTubeのまとめ動画だったり、新興(信仰?)メディアだったり。いや、いいですよ、百歩譲ってそれらを情報源とすることは構わないとしても、そのような情報を「鵜呑み」にして信憑性を疑わないというのなら、彼らの批判する「マスゴミに洗脳されている人々」と、何も変わらないのでは?対象がマスゴミからSNSに代わっただけで、その依存的・他律的メンタリティは同じなのではないかと思います。

 マスコミであれSNSであれその情報を鵜呑みにしてはいけないし、さりとて情報源は必要。それではどうしたらいいのか?という嘆きも、ネット上にはあふれています。「もう何が真実なのか分からない」と。

 デカルトは「方法序説」で真理に至るための方法的懐疑を提唱しています。

 

・わたしが明証的に真であると認めるのでなければ、どんなことも真として受け入れないこと

・わたしが検討する難問の一つ一つを、できるだけ多くの、しかも問題をよりよく解くために必要なだけの小部分に分割すること

・わたしの思考を順序にしたがって導くこと

・すべての場合に、完全な枚挙と全体にわたる見直しをして、なにも見落とさなかったと確信すること

 

 つまり、「とことん分析・検討・統合し、これが正しいと確信できるまでは何も信じない」ということ。デカルトは「我思う、ゆえに我あり」という結論だけが有名ですが、真骨頂はその「方法論」にこそあります(だから「方法」序説なのです)。情報をそのまま信じるのではなく、それを元にとことん考え抜くことで、多少なりとも真実に近づくことができるのではないでしょうか。

 「とことん考えろ」なんて、当たり前のことを言ってるに過ぎない?

 そうでしょうか。上記の大統領選挙騒動を見る限り、心許ないものです。

 不正があった、というなら、それはいつ誰がどこで何をどのような方法で行ったというのでしょうか。不正は、「顔のない誰か」がやるのではありません。個別具体的な人、Mr.Sadap Okazy(53歳・ペンシルベニア州在住)という人がやるのです。Mr.Okazyは、どんな手段を使ったのでしょうか。不正な票を持ち込んだのでしょうか。いつ持ち込んだのでしょうか。その不正な票は自分でせっせとこしらえたのでしょうか。それとも誰か別の人が作り、準備したのでしょうか。その別の人って誰でしょうか(この人も「顔のない誰か」ではあり得ません)。選挙結果を変えるには大量の票を持ち込む必要があります。Mr.Okazyはどうやって持ち込んだのでしょうか。自分でトラックを運転して運んで来たのでしょうか。段ボール箱に詰めて持ち込んだのでしょうか。何箱あったのでしょうか。そんなに運んで、53歳の腰は痛くならなかったのでしょうか。どうやって票を紛れ込ませたのでしょうか。段ボールからぶちまけたのでしょうか。たくさんの職員がいる開票所で誰にも見咎められなかったのでしょうか。Mr.Okazyは何のためにそんな犯罪をしたのでしょうか。金をもらったのでしょうか。いくらもらったら、そんな大それたことができるのでしょうか。誰が金を払って、誰が頼んだのでしょうか(この「頼んだ人」もやはり「顔のない誰か」ではありません)。「もし捕まったら」と、自分の将来のことや大切な家族のことは考えなかったのでしょうか。選挙も終わり、いまMr.Okazyは何を考え、何をしているのでしょうか。大変なことをしてしまったと、良心の呵責に泣いてはいないのでしょうか。ヤケ酒を飲んでいないでしょうか。秘密を知った家族は怖くて怯えていないのでしょうか。あるいはまたMr.Okazyは、「このネタをトランプ陣営に売り込めば、逆に高く買ってくれるかも?」と、さらなる悪だくみを抱いてはいないのでしょうか・・・

 「バイデンが不正をした」。言葉で言うのは簡単です。でもその実行犯・Mr.Sadap Okazumyひとりのことだけでも、ちょっと「考える」ならば、すぐにいろいろな困難が見えてきます。全米規模での選挙不正は、たった一人でできるものでないでしょう。数百人の実行犯・関係者がいるとして、その一人一人に上記のようなストーリーがあります。そんな不正を一糸乱れぬ統率で実行する――なんて、とても現実的なものとは思えないですね。

 映画やアニメでは、悪の首領が自由に使い捨てできる「顔のない誰か」によって、都合よく犯行が完成します。でも言うまでもなく、そんなのは現実ではありません。映画の見過ぎなのではないでしょうか。「とことん」でもなく、「少し」考えれば分かることです。

 デカルトは17世紀の人。この400年間、人間はちっとも学んでいないのかと思うと、悲しい気がします。

 

 

 


マスコミを信じてはいけない?

2020-11-17 19:03:00 | 世の中のこと

 このブログでも、いままでさんざんマスコミを批判して来ました。「マスコミの言うことなんか信じちゃいけない」と言って来ました。

 ところが最近、どうも雲行きがおかしいです。

 アメリカ大統領選挙についてです。もはやバイデン氏勝利はほぼ揺るがないと思いますが、わが国でもことのほか「トランプ信者」多いようで、ネット上には怨嗟の声が飛び交っています。その怨嗟がマスコミ(メディア)批判に向かっています。

 

①メディア:オブライエン大統領補佐官「敗北をほぼ認める」

 信者:バイデン派のメディアの言うことなど信じない

②メディア:○○州の選挙当局がバイデン勝利の選挙結果を公表した

 信者:メディアが勝者を決めるのではない

③メディア:トランプは○○州で提訴したが敗訴した

 信者:メディアはトランプに不利なことばかり報道して事を有利に運ぼうとしている

 

 はぁ・・・(ため息)・・・間違いを指摘する気も失せますが・・・

 

①いや「言って」るのはオブライエン氏であって(動画もあり)、メディアが「言って」るわけじゃないでしょ?

②そうだよ、メディアが決めるんじゃないよ。州の選挙の結果が決めるんだよ。だからそう報道されてるでしょ?

③敗訴したのが事実ならそれを伝えるのは仕方ないでしょ?勝訴・敗訴を決めるのは裁判所であって、敗訴を報道したからといって有利・不利に関係ないでしょ?

 

「マスコミを信じちゃいけない」と言って来たし、それは今でもそう思うんだけど、そういうことじゃないんだよなぁ・・・しかし、さんざんマスコミ批判を繰り返してきた身としては、一種の責任を感じてしまうような。


みんな大好き「陰謀論」

2020-11-12 23:21:46 | 世の中のこと

 みんな大好き陰謀論には様々なパターンがありますが、共通の要素もあるように思います。

 

①陰謀を企む敵は超強力、超優秀で、ほとんどの人に気付かれないままに、自己の欲望を満たすための行為を実行する。

②ところが匿名の「事情通」や「内部告発者」や、「ネットの画像w」によって陰謀の綻びが見えてきてしまう。

③「ほとんど誰も気付いてないのに気付いたオレSugeeee!」となる。

 

 最後のオレSugeeee!が、たまらない味なんでしょうねぇ。しかし、①と②の間に大きな矛盾があるのには気付きません、Sugeeee人たちは。

 人口甘味料も地球温暖化も、コロナウイルスもアメリカ大統領選挙も、同じ構図ですな。誰も気付いてないのにあなた(とその愉快な仲間)だけが知ってる真実、なんてものは、ただのか・ん・ち・が・い。お・も・い・こ・み()

 真実とはつまらないくらい常識的、なんじゃないかな。


アメリカ大統領選挙の「不正」?(その2)

2020-11-09 23:07:14 | 世の中のこと

 前回に引き続き、アメリカ大統領選挙の「不正」について。

 トランプは「裁判する!」と息巻いてますが、どうにも理解できないことだらけです。

 トランプ票がゴミ箱に捨てられてる画像をネットで拾って来て「これが不正の証拠じゃー!」とイキってるバカはほっとくとして(その写真を誰が撮って、捨てられてた票はいまどこにあるのかと小一時間問い詰めたい気持ちは抑え)、疑問点を3つばかり挙げます。

 

1ひと口に「裁判」と言いますが、トランプ陣営はどんな裁判をするつもりなんでしょう?

 報道ではある州の裁判所の対応として、「開票が終了していることを理由に訴えを退けた」と言ってました。とすると、日本でいう仮処分を申し立てたということ?これから本案に移行するということでしょうか?

 本案では選挙全体の無効を訴えるのか、無効票の確認を求めるのか。今回のバイデンvsトランプの得票差は400万票余りあります。激戦州に限ればもっと差は少ないとはいえ、無効票を確認するには数万から数十万の票を検証しなければならないことになります。

 その間、よほど大きな不正の証拠でも出れば別ですが、直ちに選挙の効力が停止されるわけでもないでしょう。つまり、選挙結果に従いバイデンは大統領に就任し、ホワイトハウスに入り、孤独なトランプ陣営はその後何カ月もかけて1票1票を検証する・・・なんて、ナンセンスの極みではありませんか。その結果、「選挙は有効」では目も当てられません。

 どうもこのあたり、上記のような画像バカは誤解しているようですが、「1票でも不正がみつかったら即選挙無効」ではないですからね。なぜって、100万票の投票(得票)があってそのうち1票の不正で選挙無効にしたら、99万9999票が死んでまうがな。そんなこと認められるわけないじゃないですか。

 郵便票だけ全部無効にする、ってのも無理でしょう。だって事前に郵便投票のルールは決まっていたんだもの、それを後から変更されたんじゃルールに従っていた有権者(適正に郵便投票をした人)がたまりません。著しく正義に悖ります。

 小さくても不正は不正として厳しく処罰すべきと思いますが、トランプが考えるような結果(選挙無効)を出すのは、かなり難しいんじゃないかなぁ。また、アメリカのような国でそんなに大規模な不正なんてできる訳がないことは、前回の記事で書きました。

 

2「バイデンは訴訟を受けて立とうとせず、勝利宣言で逃げようとしている。不正をしている証拠だ!」っていう主張も目にしました。

 いや、こういう訴訟って、トランプが原告、バイデンが被告じゃないですよ。被告は選挙の実施主体、州政府とか州知事とかじゃないんでしょうか?訴訟当事者でなければ、そりゃ訴訟を受けて立てませんわなぁ。どうにも筋違いというか何というか・・・(暴言自制)

 

3最後に究極の「そもそも論」を。

 そもそもトランプは、裁判所の判決には従うの?自分に不利な判決が出た途端「裁判に不正が行われた、認めない!」って言うなら、はじめから裁判をする意味もないですよ。

 さらにそもそも、そんなに選挙制度が信じられないなら、どうして選挙に立候補したのか?まずは選挙の実施「そのものの停止」を裁判で求めるべきだったのでは?

 いったんルールに従って戦っておきながら、負けた後でルール変更を主張する。こういうのって、アメリカ人的には恥ずかしくないのかな?木村太郎が「アメリカ人は徹底的に悪あがきをしないことの方が恥ずかしいと感じる」などとほざいてましたが、ホンマかいな?

 


アメリカ大統領選挙の「不正」?

2020-11-06 14:36:29 | 世の中のこと

 過熱するアメリカ大統領選挙。ま、日本人としては影響は(小さくないけど)間接的ですね。しかしそれにしてもトランプは保護主義的に過ぎ、またクレイジー過ぎるので、やや左派的ではあっても民主党バイデンの方がお付き合いし易いのではないでしょうか?

 それはともかくとして。

 結局、選挙の最終結果は訴訟に委ねられることになりそうです。トランプ陣営曰く「投票(開票)に不正が行われている」。日本のネット民なども不正に関する怪しい情報・陰謀論の拡散にせっせと勤しんでおり、中にはSNSの運営会社から警告を受ける向きもあるようです。

 どうなんでしょうねぇ、もう少し「常識」を働かせるべきではないですか?ぶっちゃけて言えば、アタマ使えよアタマ、と言いたい。

 全米を二分するような激戦が行われているわけでしょう?その最中、民主党バイデン陣営「だけ」が不正投票を行うことができるなんて、考えにくいですよね。だって社会の各層に熱烈な民主党支持者も共和党支持者もいるんですよ。一方だけがコッソリ・・・なんてことが可能とは思えません。

 コッソリと言いましたが、実際、選挙結果を左右するほどの不正投票を行おうとしたら、全米で何十万、何百万という投票を操作しなければなりません。市会議員選挙じゃないんですよ。10票100票の単位じゃどうにもなりませんがな。何十万何百万枚もの不正投票用紙を、どう準備して、どう持ち込んで、どう紛れ込ませるというのでしょうか。全米各地でそんなことをやって、誰ひとり犯行現場を押さえられない、なんてことがあり得るでしょうか。

 民主党「だけ」が、と言いました。そうですね、そんなことが可能なら熱烈な共和党員だってやるでしょう。むしろトランプ陣営なんて喜んでやりそう(暴言)。でもね、大統領の強大な権限をもってしても実際できないでしょう、そんな大規模な不正投票なんか。それが分かっているのは、むしろ大統領自身なのでは?

 小さな不正行為はあるのかも知れません。しかし、それが全体の結果を左右するとは到底思えないんですよね。そして、そのような小さな不正行為は恐らくお互いさま、両者「おあいこ」くらいなモンでしょう(笑)無論、小さな不正も許してはならないとは思いますが、繰り返しながら、それが選挙結果を左右するようなことにはならないと思います。

 と考えると、やっぱり言いたい。アタマ使えよアタマ。陰謀論もほどほどにしといた方がいいです。

 


ハンコと学術会議(その2)

2020-10-09 16:27:28 | 世の中のこと

 前回の記事について若干の補足をします。別にクレーム等があった訳ではありませんが。

 

 印鑑の廃止について。

 避けて通れない問題に実印+印鑑証明書の問題があります。この実印+印鑑証明書は本人確認制度の一つとして、官民ともにわが国の社会に深く根付いています。

 印鑑廃止するにしても、実印制度を即時廃止するのは難しいんじゃないかな?廃止するなら代替手段が必要です。これは「絶対」です。代替手段のないまま実印制度を廃止したら、社会は大混乱に陥ります。

 代替手段、それも電子的に使えるような代替手段は検討されて(一部は実用化されて)いますが、いまのところ有力なのはやはり電子署名ですかね。ただ、電子署名にいろいろ弱点があることは前にも少し書きました。特に民間で使用する場合(電子契約など)には、電子証明書の有効期間の問題が大きいのではないかと私は思っています。この点、まだあまり問題視されていないのが不思議です。

 ただ、弱点云々の前に、現時点では国民(個人)の大部分は電子署名を日常的に利用できないですよね。インフラが整備されてないです。マイナンバーカード?あの電子署名って、まだ民間利用できないんですよ。知ってました?

 いやいやインフラ整備を云々する前に、私のオフクロ79才が電子署名を使えるかって。実印+印鑑証明書はオフクロも難なく使えます。電子署名は100%無理です。

 そういうことです。実印の完全廃止は、現時点では無理だと思います。容易なことではありません。

 

 日本学術会議について。

 私があまりモノを言う立場にないこと、この件に発言する世の中の皆さん(有名人を含め)はずいぶんオッチョコチョイだなぁということは、前回記事に書いたとおりです。

 しかしまぁ、結局のところポジショントーク(和製英語)なんですよね、皆さん。初めに「アベやジミンやスガが憎い」という前提があって、そのポジションに合致するネタを探し出しては、異様なまでに固執する。モリカケ問題などそんな異様さの塊でした。

 だって、野党の皆さん、有名人の皆さん、いままで日本学術会議のことなんて考えたことなかったでしょ?たいして重視して来なかったでしょ?よく知らないということに関しては私と五十歩百歩だったでしょ?ということ。

 スガー!のネタに祭り上げられた日本学術会議こそ、いい面の皮ってもんじゃないのかな。

 ま、知らんけど。