オリンピックは開催するのが原則、中止は例外。日本は自ら手を挙げて、オリンピック開催を引き受けることを国際的に約束した。その約束を「破る」という例外を取るためは、相当の強い理由が必要。
飲食店の営業は自由なのが原則、制限するのは例外。憲法は営業の自由を保障していると言われる。憲法上の保障に反する制限を取るためには、相当の強い理由が必要。制限に対する補償の有無多寡も、ひとつの判断要素であろう。
重要なことは、オリンピックも営業制限も、「YesかNoか」が対等でどちらかを自由に制約なく選ぶものではない、ということ。はじめから原則・例外の重みの違いがある(無論、原則が重い)。今回、例外の対処を取るならば、その理由が相当であるかを厳しく吟味しなければならない。簡単なことではない。
短絡的な批判を招くと嫌なので強調しておくが、すべて「原則が重い、原則どおりにすべきだ」と主張しているのではない。もとより、例外はあり得る。ただ、例外を選択するならその理由がきちんと問われなければならないと言っている。
さらに誤解を招くと嫌なので付け加えるならば、
「オリンピックを原則どおりやるなら、飲食店の営業も原則どおり自由にすべき」
とは言ってないし、
「飲食店の営業は例外的に制限されたのだから、オリンピックも例外的に中止すべき」
とも言ってない。
オリンピックの開催と飲食店の営業は別のことだ(関連性はあるにしても)。
「学校の運動会が中止になったのだから、オリンピックも中止にすべき」
憤りは理解するが、あまりに飛躍した考えであるのは言うまでもない。こういう声を正面切って報道するのも、いかがなものかと思う。
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