歌舞伎座3部、桜の森の満開の下
二度目です。
初日はかぶりつき。本日は3Bという極端な場所から。
初日の感想も書いてないのに、とりあえず3階から感じたことを先に書いちゃう。
かぶりつきで見たとき、これ、引きでみたら綺麗なんだろうなあと思ったんです。
照明、音響・・・まったく違う世界が見えるんじゃないかって。
…そうでもなかったw
意外とオーディオ・ヴィジュアルの要素が重要じゃなかったのかも。
役者自身の肉体と言葉の強さがより訴えかけてくるかぶりつきのほうがずっと芝居が濃かったです。
野田に限らず、新作歌舞伎のときはいつもオーディオ・ヴィジュアルが強い気がしていたので、これは意外だった。
主役三人の声があまりいいとは言えないのも、三階まで伝わりにくい要素の一つだったかも。
私の後ろにいたおばあちゃんは幕あいに「こんなつまらないの、途中で帰りたい」って叫んでたしw
私は面白いと思ってるんですけど、とはいいませんでしたけどね。いずれにしてもそんなにつまらないなら途中で帰ればいいのに、とは思いましたw
理解しようと思うとつまらない。
寝てしまってもつまらない。
ぼーっとして、なんかすごいなあ・・。と思いつつ見て、時々くすっと笑って
最後にほろっとして・・・あらら知らないうちに感動してる、そんな感じの芝居です。私にとっては。
美しい悪夢を見ているような。そんな気分が、三階からの景色では妙に遠く感じられたのも事実です。
原作をちょこちょこと斜め読みしたのですが「ヤクルト入りの冷蔵庫」はもともとは「メロン入り」なのね。30年前のほうが贅沢だ
あと、原作でいちばん気になっていた「女子寮の女学生が強姦魔を心待ちにしてるような鬼」みたいな表現。さすがになくなってたwこんな台詞書いてたのか野田は。いまだったら大炎上だぜ!
…というわけで、一度しか見ない人には絶対一階で見ることをおすすめします。
この芝居は役者の世界に取り込まれて、一体化して、一緒に悪夢を見た気分になったほうが絶対楽しめます。楽しめるっていうのも違うけどw