laisser faire,laisser passer

人生は壮大なヒマつぶし。
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節分スペシャル昼の部とカブキ野郎どもの夕べ

2008-02-04 | kabuki en dehors de Tokio

初日から三日連続観劇というのは、kabukimanieを自認するあたしdも、めったにないことである。

もう持久戦というか、耐久レースというか。

二日目でパスしちゃった朝イチのもちゃんと見ましたよ。

二日目から昼の部開始前のご挨拶が開始され、昼の部は(朝イチに出番のない)勘太郎がぜ~~~~んぶ挨拶を仕切るというのを聞いたからってのもあるが。

おかげで、朝イチ前にすっごくいいものを聞かせてもらいました。

挨拶節分スペシャル。
三人吉三から、お嬢の有名な台詞を朗々と謳いあげてくれたんですよ!

 月も朧に白魚の 篝も霞む春の空
 つめてぇ風もほろ酔いに 心持ちよくうかうかと
   浮かれ烏のただ一羽 ねぐらへ帰る川端で
棹の雫か濡れ手で粟 思いがけなく手に入る百両

ほんに今夜は節分か

西の海より川のなか 落ちた夜鷹は厄落とし
豆沢山で一文の 銭と違って金包み

こいつぁ春から縁起がいいわぇ

春から縁起がいいのはあたしだわ!ふふふ。
しかも、ご挨拶の中ってことで、女形の声じゃなくて地声で、というスペサル感ますます!の珍品。今後何十回カンタがお嬢をやったとしても紋付羽織袴で地声っていうのはたぶん二度と見られないのでは。

今回の博多座、芝居の内容は残念ながら感動的とまでは行ってないのですが、この一瞬だけで、数万円は惜しくないとすら思いました。

そうそう、自分たちのことを役者「ども」っていうのも凄く好き。イマドキの若い役者はだれも「ども」なんていわないよね。古色蒼然としていて、隅々まで歌舞伎してるカンタがやっぱり好きだ。

 

で、昼の部。

 

渡海屋・大物浦

 

初日よりはだいぶよくなっていた。
七之助は、がらりと変わって力みのないいいお柳になっていた。典侍の局にモドッテからは、大きさを出そうとするあまりか、まだ力みがちょっとあったけど。少なくとも二年前の浅草で感動した程度のレベルには戻っていたような。
獅童は、きっと、二年前の浅草は期待値が相当低かったので、必要以上によかった!と思ったのかも。今回、獅童の知盛はいいのよね、と思ってみちゃたら、まあ粗が目立つこと・・・・
「生き変わり死に変わり・・」の台詞でぞっとさせる声質と顔はなかなかすばらしいんだけどね。最後の碇のシーンで、やたら唸り声を上げすぎて、あれじゃ知盛「卿」じゃなくて、ガテン系のお仕事中だわよ。
亀治郎が相当良くなっていた。初日は自分に酔っている感じだったのが、三日目はちゃんと安徳帝にも知盛にも思いやりのあるいい義経になっていた。もちろん勘太郎がやったほうがこの役はいいに決まっているんだが。
愛之助亀鶴についても逆がいいに決まっている。特に愛之助は滑稽味を出すのが下手だね。
そうそう、安徳帝の子役。この芝居の成否のかなりの部分を握っているのが実はこの子だと思うんだが、ダブルキャストの一人しか観てないけど、この子に関してははなはだ物足りない。天皇なのだから、せめてじっとしていることくらい出来てほしい。子供とはいえ、プロなんだろうから。

 

高坏

 

ここからはもう三回目の観劇なのでごく簡単に。

三日目にしてまだまだ必死の勘太郎。余裕が感じられないのは当たり前なんだけど、もう少しふんわりとのどかな感じが出ればなあ・・・
タップ云々のところじゃなくて、♪花がちらちら・・駒が勇めば・・♪のあたりの色気とおおらかな雰囲気が。あたし、勘太郎には相当要求水準高いので。

 

団子売

 

何回見ても笑っちゃう亀治郎の腰つき。
お団子売のおばさんにしたら色っぽすぎじゃないでしょうか?ふふふ。

 

そして、お芝居終わりにも節分スペシャルが。

赤鬼青鬼(松之助さんと、富彦さんかなあ?自信ない)が花道からやってきて、

そのあと、7人衆が升持って出てきて、ご挨拶→豆まき。

若い衆、いろいろ工夫して大サービスしてるだけあって、土日は満員。日曜日は補助席まで出てました。

 

そして、連中は櫛田神社で豆まき→川端商店街でお練→博多座前でご挨拶、というスケジュールをこなし、なんと6時半からKABUKI NIGHTなるイベントまでやるというハードな一日です。

ところどころパスしながら全部付き合ったあたしも相当ハードだったけど。

 

 

KABUKI NIGHTというのは博多座二月恒例?のイベントらしく、まあなんてことなない、アイドルトークショーのようなものです。喜んでる人が多かったからいいんでしょうけど。あたしゃきゃつらの「今はまってること」とか「死ぬ前に食べたいもの」なんてちっとも知りたくないもんで・・・

2500円という料金と、旅先でほかにすることもないという状況でなければ参加はしなかったでしょうが、唯一、亀鶴くんの超ラブリーなおかましゃべり(もちろん芝居)と、まじめくさって「誰にでも妖精がついてるんですよ」と言い張るこれまたラブリーっぷり(おそらく芝居)を見られたのが楽しかった!
亀鶴「くん」なんて言ってましたが、なんと今年年男なんですね。31.2かと思ってたらけっこうおっさんやん。

ってあたし、好き好き言っておきながら年齢もしらんかったんかい!

 

KABUKI NIGHTというタイトルなのに歌舞伎の話は本当に少ししかなかったし、NIGHTでもなかった(8時には終わってたからね)んで、これって来年からカブキナイトのタイトルはそのままでも、KABUKI KNIGHTSにしたらいいんじゃないかと思っちゃいましたよ。そうすればタイトルに一応偽りなしってことになりますよ、博多座さん。