laisser faire,laisser passer

人生は壮大なヒマつぶし。
楽しく気楽につぶして生きてます。

昭和な半日

2006-08-03 | passe-temps divers

演舞場で舟木一夫公演を観てきた。もちろん金を出したわけではなく、招待券をいただいたのだが、数年前のあたしなら、きっとただでも行かなかったような気がする。われながら度量が広くなったものである(ヒマともいう)。
いずれにしても、演舞場の桟敷が初めてだったというのと、一世代上の舟木ファンを観察してみたいというのが興味のほとんどで、公演そのものへの期待はほとんどなかったんだが。

いやあ、思いのほか、面白かったんですよ、これが。
前半の野口雨情の人生を辿る芝居、なんの衒いも気取りもなく、淡々と演じ歌う舟木一夫が、いい。
脇役陣もほとんど知らない人ばかりだったけど、分かりやすい演技と聞きやすい台詞で、好感が持てた。
なにより、雨情&中山晋平のコンビによる名曲が次々と歌われて、それを聞いているだけでノスタルジックな気分になってくるのがいい。
某ジュリーさんも、音楽劇というなら、こういうのをやればいいのに。へんな新曲歌って、使い捨てにするより、不滅の名曲を歌い上げてくれれば、たとえ芝居として不出来でも、それだけで満足するファンは多いと思う。

と、横道にそれましたが。

後半(コンサート)はまさに舟木ワールド。
二曲目からいきなり、客席からの花束とプレゼント攻めなのには驚いたが、どうもプレゼント&握手にはルールがあるらしく、「ステージに近寄っていい曲」のときにしか、ファンは席を立たず、また舟木さんがこれまた淡々と品物を受け取り、握手し、ステージ上のプレゼント陳列台(そうとしか見えないのよ!)にもらいものを置き、また歌い、というシステムが完成されている。
握手してもらうファンも、特にきゃーきゃーいうわけでもなく、これまた淡々と。
二曲目からステージに近づいていたわりに、アンコールもなく、ささっと家路に着くし。ジュリー界とは違う掟で動いている舟木界を知れたのも、興味ぶかかったです。
ひとりのおばちゃんファンが手渡していたでっかい風呂敷包みの中味が知りたかったよぉ・・・
後半、舟木の歌に合わせての長谷川一夫の娘とその娘、大衆芸能畑のスターさんたちの日本舞踊が見られたのも、お得感倍増。

正直、ジュリーさんのコンサートや芝居より数段金も時間も手間もかかっていて、楽しめました。

終わった後、一緒に見た友人と、資生堂本社で'70年代のコマーシャルなど見せてもらったあと、7丁目にある銀座風月堂でお茶。
ここがまた、昭和30年代を彷彿させる、いい感じの「喫茶室」。
お菓子に緑茶つきで300円程度からあるというお値段も昭和クラス。
スタバなんぞよりずっと落ち着けてお勧め!

というわけで不思議なレトロ感漂う半日を過ごして、大満足で帰ってきたのでした。

 

今日の注目

舟木公演に出ていた竜小太郎。
梅沢登美男とか、松井誠の世界の人らしい。http://www.aiesu.co.jp/Istarento/RK_2.htm
色っぽくて、今度は女形を見てみたいと思った。
三越劇場、行っちゃうかも