倉野立人のブログです。

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いったい 何が? =重大事件の〝ローカル化〟に戦慄=

2023-05-26 | 日記

「あんな田舎まちで なぜ?」事件の報に接し、にわかに信じられない思いでした。

既に全国を席巻し みなさんご案内のとおり、中野市で 猟銃が使用された凶悪事件が発生しました。

事件の詳細については ここでは論調を控えるところですが、驚くべきことは かかる重大事件の舞台が、いわゆる〝田舎町〟で起きたことでしょう。

事件が起きた中野市は、長野県北部にある人口約4万人の地方都市です。

 

 

 

特に 事件現場となった「江部(えべ)」周辺は、通称「延徳田んぼ」と呼ばれる 昔からの営農地域で、まさに長閑(のどか)を地でゆくローカルエリアなのです。

 

 

 

そして、中野市といえば「うさぎ追いし かの山 小ぶな釣りし かの川~」の、里山の風景を歌った唱歌「ふるさと」の歌詞のモチーフとされ この唱歌の作詞者である国文学者の高野辰之先生(1876~1947年)の出身地であることも知られています。

 

実は かくいう私、30才の頃 人生の紆余曲折の中で、この「江部」にある工場に 数年間に亘り勤めたことがあるのですが、その際にも〝延徳田んぼ〟の長閑(のどか)な風景を実感したものでありました。

 

そんな田舎町で、まさか社会を戦慄させるような重大事件が発生するとは…。

側聞すると、事件の背景については 非常に複雑なものが絡んでいるようであり、今後の捜査の進捗が待たれるところですが、私も含め 多くの人が驚き憂慮するのが「重大事件の〝ローカル化〟」ではないか と。

これまでは 銃器を用いて人の生命財産を奪うなどの重大事件は、いわば〝都会で起きるもの〟が定説でありました。

それが今や、全国の田舎まち(地方都市)で 少なからずの頻度で発生しており、憂慮に堪えないところです。

地方(田舎)に暮らす人たちには「こっちは田舎町だから大丈夫」との いわば根拠に乏しい〝正常化バイアス〟が作用し、例えば玄関を施錠しないまま外出したり 車のカギを抜かないまま駐車することが、半ば普通に為(な)されてきました。

さらには、そんな“性善説”を逆手に取って「オレオレ詐欺」などの電話を介した特殊詐欺犯が、地方都市の高齢者をターゲットにしているなどの報に触れるにつけ、田舎なれど イヤ田舎だからこそ気をつけなければならないことを思わされました。

今や 田舎とて犯罪とは無縁でなくなっている。

ましてや、今回のように猟奇ともいえる重大事件が かかる〝延徳田んぼ〟の域内で起きてしまったことに、そんな残念な思いをさせられたところです。

 

また 今回の事件は、わが国の治安の状況変化・猟銃を初め 用途によっては重大な危険物ともなる所持品管理の在り方・警察官の自己防衛や犯人への対応の在り方など、改めて考えさせられることにもなっています。

今回の事件で身体生命に重大な被害に遭われた方々に哀悼とお見舞いの意を新たにいたすと同時に、他でもなく こんなことがこんな田舎で起きることなど無いよう願うばかりであります。