要となる智を継ぐもの

株式投資についてつらつらと書くブログ(走り書き)。誤字脱字計算間違い多数。補正・修正は読み手側でしてください。

資本の成長とPBRの上昇。

2010-12-06 13:43:54 | 投資日記


グラフは2000年時に低PBRであった株をそのまま保有した場合の資本成長率とPBR変化率をグラフにしたもの。資本成長率を軸にソートしている。で、みてわかるように、資本が成長すればするほど、PBRも増加する。ただし、資本成長が一定の域を超えないと、それは発現しない(しても軽微)。やはり年間資本増加率10%は欲しい所。そうする事で資本成長率とPBR上昇率のダブルブーストでバリュー投資を成功させられる。逆に言えば、そうでなければ失敗する。

なるほどねー、こう言う仕組みか。となると、巷の低PBR投資の大多数は失敗に終わる予感…。安く買っても安いままで終わる可能性が高い。もし低PBR型バリュー投資をやるなら、ROEの率とその安定性をもっと見極めるべきだね。少なくともROE5%程度は無いと頂けないね。3%程度だったらば、多分その投資は不発に終わる予感。

しかし、成長した後、どうなるんだ?資本政策がしっかりしていないとまた株価が下落する可能性もあるね。

資本1%の積み増しに対する株価の反応と新しいPBR投資戦略。

2010-12-06 10:11:14 | 投資日記

※期間:2000年~2010年
※サンプル数:885
※配当効果に関してはこのグラフに含んでいない。
※増資や自社株消却に関してはBPSに含めて計算している。

資本が1%積み増される毎に株価は反応する。その反応度数はPBRによって変わる。PBRが低ければ低いほど、その率は高まる。上記のグラフは2000年時点の低PBR企業(PBR0.7倍以下)の企業の資本の積み増し度合と株価の反応をグラフにしたもの。資本が1%積み増される毎に株価が3%上昇している。

いわゆる低PBR投資における超過リターンの根源は、企業評価の見直しにあると言われているが、もう少し分解してみると、その見直しの根源はBS上ではなくPL上に発生しているのではないかと思う。資本が割り引かれているのは、これ以上その資本に自己増殖能力が無く、デフォルトの可能性が高く、還元もされないと言う評価があるわけであり、それを打ち砕く最も強い要因は財務の健全性ではなく、収益性や資本の積み増しにあると言える。事実、自己増殖能力の無い資本への評価は低く、仮に資本蓄積がゼロであった場合、リターンは数%程度となる。下記は上記のグラフをPBRを軸に4分位で区切って表示したもの。



PBRが低ければ低いほど、資本積み増しに対する株価の反応は大きいのが分かる。また資本が蓄積されない場合、いくらPBRが低くともその安さが株価上昇に一役買う事はほとんどない。

これらの情報を元に投資を考えた場合、PBRとROEを軸にした投資が有効だと言える。PBRは1倍以下、可能であれば0.5倍以下、ROEに関しては10%以上がのぞましいだろう。10年後の累計資本蓄積率が100%を超えれば株価は4倍程度まで上昇する。(因みにPBR0.5倍、PER5倍銘柄でも同様の効果が得られる。また、仮に資本が蓄積されずに利益が全額配当されていても、10年間の累計配当率は20%*10で200%~600%(単利~複利)、これに株価分を追加してリターンは3倍から7倍程度。まぁ株価が上がればそれだけ複利の効果は期待できないし全額配当している企業なんて滅多にないから7倍は無理だろう)

☆追記

因みに同条件でPBR1倍以上2倍以下と比べてみるとこんな感じ。後、切片はゼロにしてみた。

割安銘柄の資本蓄積に対する反応度(近似線のx項目の逆数)


普通銘柄の資本蓄積に対する反応度(近似線のx項目の逆数)

※楽天とポイントは計算から除外。値が飛び過ぎてるので…。因みに数値に与える影響も結構あったけど、とりあえずここは傾向をみるとして除外してます。

市場環境の変化とか全く考えずに数値を出しているからか、PBR1倍銘柄でも相当の倍率で株価が上昇してる。ともかく、PBRが低くROEが高いほど高頻度、高確率で株価は上昇すると言う事が言えます。後、やっぱり資本が株価に与える影響は強いですねぇ。