二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2011J2第15節 鳥取vs京都

2011-06-05 | 蹴球

ガイナーレ鳥取○2-1●京都サンガF.C.

■強小
 ガイナーレ鳥取は“強小”というスローガンを掲げる。強くて小さい、小が大を倒す…そんなふうな意味。ここまで数字としての結果は出てないが、まさにそんなチームスタイルを実践していて、見る者を驚かせてくれるチームだ。小が大を倒すためには何をすべきか?その答えは鳥取の試合を見ればわかる。とにかく、走るのだ。そして相手より1cm早く1mm遠く足を伸ばすのだ。そういう地道なチャレンジの積み重ねが「士気」を生む。サッカーが闘いである限り、目には見えない「士気」によって、小は大を倒すことができる。


■士気と呪縛
 片や京都は、もうずっと「士気」が低い。この日も序盤こそドゥトラ・中山の両サイドを中心に攻撃的に姿勢を見せるが、相手が慣れてくるとパスを回すことに終始。刃物を持って振り回してるだけで、敵の眼前に刃を突きつけることもない。士気が下がると、ついつい受けてしまうのは人でも組織でも同じだ。鳥取ペースで回され、押し込まれた末の失点。ちなみに、美尾敦のCKを一端クリアして実信憲明のダイレクトミドルだが、クリアした加藤弘堅は「ボールを繋がないといけない」という頭があったのだろう。誰もいないのに、前に向けてパスを出した。もはやこの失点は大木サッカーの呪縛が作った失点としか思えない。人間は困った時には何かに頼りたいものだ。彼は「チームの決まり事」に頼った。臨機応変に周囲を見ることができたら、起こらなかった失点である。


■若武者たち
 呪縛から自由になって、のびのび、しかも“強小”を凌駕する勢いで相手陣内を掻き回したのが伊藤優汰だった。伊藤が入ってから、チームの雰囲気は変わった。とにかく突破する姿勢、常にチャレンジする姿勢、ルーズボールに相手より1cm早く辿り着こうとする姿勢。士気はこんなことで上がるのだ。パスを回すことに縛られて、チャレンジングスピリットを失ったチームは息を吹き返す。伊藤の突破で押し込んだ流れから、こぼれ球を拾った内藤洋平の速いクロスから久保裕也で遅すぎる1点。だが、この遅すぎる1点が新たなる方向性を示唆していると思うのだが、いかがだろうか。



〈京右衛門的採点〉
水谷 5.5 …ナイスセーブも連発したが、最終ラインとの連携は?
内野 5.5 …高さは完封。フィードもよかった。
森下 5.5 …ポコポコと開く両サイドのカバーリングに右往左往。
染谷 4.5 …羽毛のように軽い。2試合連続プレゼントパス。
安藤 5.5 …潰し屋として走り回ったが負傷交代。
内藤 5.5 …攻撃面は◎。守備面は×
チョンウヨン 5.0 …パスミス多。キック精度が相変わらず残念。
ディエゴ 5.0 …中盤で停滞した原因か。代わってから水が流れ出した。
ドゥトラ 5.5 …積極的にドリブル突破狙うが、ミスも多い。
久保 5.5 …孤立無援で踏ん張る。最後の得点はさすが。
中山 5.5 …よく動くんだが、フォローされない。もっとシュート打ってもよかった。
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加藤 4.5 …1失点目のミスやら、押し上げのない後半やら。
中村充 5.5 …ディエゴよりは良かったが、もっと味方を追い越してほしかった。
伊藤 6.5 …ファンタスティック!
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大木監督 5.0 …もう少し早く伊藤を入れておけば。