二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2012 京都サンガまとめ

2012-12-25 | 蹴球
2012シーズンの京都サンガ。
ちゃんとした回顧は京都新聞様はじめ、見識ある皆様におかませして、
ちょっと視点を変えて回顧してみようという試み。

稚拙ながら忘備録として書きためておくと便利なものでして。
読み返してみると、特にスタート時のフォーメーションを自分なりに記しておいたことで
「おっ?」っと思うことも出てきたのであります。

大木サッカーはそもそもポジションほ守らず流動してしまうので
初期フォーメーションなんてさほど意味はないのだけれども、
それでも何か傾向があるんじゃないか、と。

それにしても監督、フォーメーションいろいろ試行錯誤したね。
大まかに9パターン。ざっくりと9パターン。細かく分類するともうちょいある。
さて、布陣から見た2012年の京都サンガとは?

■パターンA/4-1-3-2

01節 湘南●1-2
02節 千葉○2-1
03節 熊本○2-0
04節 鳥取●1-2
05節 町田○2-1
06節 福岡○3-2
07節 岐阜○1-0
08節 東京○1-0
09節 横浜●1-2
10節 大分●1-2
11節 松本△1-1
14節 徳島○2-1
15節 岡山○2-1
18節 山形△2-2
8勝2分4敗

この布陣は基本的に宮吉+誰かの2トップ。アンカーにはだいたいウヨンが入る。序盤から使われて9節、10節で結果出なくて、11節の松本戦から中村充孝を前に出した(4-1-2-1-2)。この布陣は割と安定してるけど、宮吉の相棒が固まらなかった。久保が不調で、7~9節は長沢、10節は原が先発。それから中央にいる充孝に守備面の働きが求められた布陣なので、そこんとこ後半は監督が11節松本戦からテコ入れしてきたという印象。


■パターンB/4-2-2-2

12節 栃木○1-0
16節 北九○2-1
17節 富山△1-1
19節 愛媛●1-2
20節 草津●0-1
23節 千葉●2-3
26節 町田○2-1
3勝1分3敗

現代サッカーにおいて最もオーソドックスな布陣。京都の場合はボランチは1枚下がり目で1枚は前目に布陣する。下がり目はウヨン、上がり目は中山博貴。この布陣は結果的にはハマらなかった。特に19節の愛媛戦はワーストゲーム。20節から宮吉が離脱してちょっとフォメ変えるけど結果出なくて、また戻した23節の千葉戦もワーストゲーム。26節の町田戦は布陣は4-2-2-2っぽいけど後半からは0トップにしてる。


■パターンC/3-2-3-2

13節 甲府○3-0
1勝0分0敗

2012年大木サッカー七不思議の一つ。3バックで甲府を圧倒したのに、次は4バックに戻した(次も勝ったけど)。まぁオーソドックスな3-5-2で、2列目に3枚並べるところは4-1-3-2とさほど変わらない。安藤、バヤリッツァがやりやすそうで、この時点では3バックもアリと思ってたんだけれども。


■パターンD/4-2-3-1

21節 水戸●1-3
22節 岡山△1-1
27節 鳥取○3-1
28節 東緑○1-0
29節 横浜○2-1
30節 松本●0-1
31節 草津●0-1
32節 湘南●1-2
34節 山形○2-1
38節 富山●0-1
4勝1分5敗

宮吉の相棒が頼りないもんだから、「それなら宮吉一人でいいや」となった1トップ。21節だけは久保だけど、そのあとずっと宮吉。ただ、30節から32節までつまずいて3連敗。天皇杯を挟んで次の33節では0トップになった。34節に戻して長沢の1トップ。この時は変則3バックみたいな形になって割と機能したとおもうけどその1試合だけ。大木サッカーの1トップは「動いて受ける」のが基本な訳で、「それならMFでもいいじゃないか」という傾向に移る。


■パターンE/4-1-4-1

24節 熊本○1-0
25節 愛媛○2-1
2勝0分0敗

基本的には上記4-2-3-1と同じ。秋本が入ってアンカー的役割が明確になったというだけ。おそらく25節あたりで、中村充孝を前線の基点とすることがこのチームに最も推進力を生むことを監督が発見している。ということで、上記の1トップ+中村充孝を基本布陣とした。


■パターンF/3-2-5-0

33節 大分●0-2
0勝0分1敗

30、31、32節と3連敗して天皇杯松本戦で駒井のトップで勝ったので、本格的に駒井を最前線で使った。登録上は駒井はFWだったけど、実質0トップ。試合には敗れたが縦横無尽に最前線が動きまくって、そこに一旦ボールを預けることで中村充孝が動くスペースを広げたことには、手応えを得ていたか。


■パターンG/3-2-4-1

35節 水戸○4-1
1勝0分0敗

サヌの1トップの下に充孝・工藤を並べて、ワイドに黄大城と駒井。実に攻撃が小気味よくスムーズだった布陣だが、この1試合のみ。この試合と次の試合は、比較的MFをサイドに貼らせてワイドな展開を意識していた。結果は出たが、なぜ使いつづけなかったのだろうか?


■パターンH/3-3-3-1

36節 栃木○2-1
1勝0分0敗

上記の3-2-4-1をよりサイドを意識した形。富山がやってた安間式の3-3-3-1とは異なり、3-1-5-1とも取れる。極めて攻撃的で、長短織り交ぜる非常にいい展開を見せた。ただし、機能したのはこの布陣ではなく、後半から4バックに変更してから。これが契機で次に挙げる最終盤の布陣に繋がってゆく。


■パターンI/4-2-4-0

37延 徳島○4-2
39節 岐阜○3-1
40節 北九●0-2
41節 福岡○2-0
42節 甲府△0-0
PO 大分●0-4
3勝1分2敗

サヌが抜けたので駒井を1トップに据えた。サヌも純粋なFWではないけど、駒井はどうみてもMFなので0トップ。見る人が変われば、駒井と充孝の2トップかもしれない。台風延期分の37節で結果が出て、監督はこの布陣がお気に入りになってしまった。結果的に成績が飛び抜けていい訳でもない。つまるところ、FWがいないから割と収まる駒井を据えた…って感じだろうか。あとはボランチの並びも変わった。中山博貴が底で、ウヨンは前。中山博貴の攻撃力は落ちるけど、負担が減ったウヨンはやりやすそうだった。

――――――――――――――――――――

この1年間を布陣から見返してみると、大きな流れとして2トップ→1トップ→0トップという「トップレス化」が目に付いた。と同時に、序盤は前目のボランチにいた中村充孝はどんどん前に布陣するようになった。端的に言えば2012年の京都が行き着いたのは「中村充孝シフト」。中村充孝自身が好調時と不調時の波が激しいタイプだったため、チーム全体も好不調の振り幅が大きくなってしまった。

2013年の京都には、おそらく中村充孝はいない。さてどうしようか?こうして1年間の忘備録を読み返してみるに、結局「得点力不足」が全てであり、「いかにして点を取るか?」が課題なのは間違いない。充孝の代わりにやってくるMFを中心にする布陣なら、結局今年と同じなので、課題は解決しないんじゃないか…と思うのである。やはり得点を奪うのはFW。今シーズン上手く活かせなかったFWを、来季こそ上手く噛み合わせてほしい。いや、ドゥトラなんて噛み合わなくても突破口にはなっていた。
もうひとつは割と上手くいってた3バックの運用。4バックでもMVPな活躍を見せた安藤だが、3バックなら持ち味はさらに活きる。バヤリッツァも3バックへの適性を見せた。3バックにしてしまえば、黄と駒井をワイドに置けるので、もっと「展開」のバリエーションも増えるはず。(問題は最終ラインをカバーリングするボランチの所だけど)。
水谷が抜けるGKと最終ラインの連携は不安。コミュニケーション的な意味で。